【感想・ネタバレ】核のごみをどうするか もう一つの原発問題のレビュー

あらすじ

原子力発電によって生じる「高レベル放射性廃棄物」は国内に大量に溜まり続け,放射能の影響が弱まるまで長い年月を要するといわれている.この危険な「核のごみ」をどこにどのような方法で処分すればよいのか.私達はこの問題とどう向き合えばよいのか.専門家らによる提言を読み解きながら問題解決への道を探る.

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Posted by ブクログ

・核のゴミの放射能が、人間や生物、自然環境に特段の影響を与えない程度まで弱まるには、約1万年かかる
・天然のウラン等が発する放射能と同等まで下がるのには10万年かかる
・そんなものをどう保管してどこに処分するのか。300m以深に埋める(地層処分)しか方法がないという
・なんでこんなどうしようもなものを生み出す物(原発)を人類は作ったのか

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2024年03月09日

Posted by ブクログ

原発の新書はほとんど読んできましたが、放射性廃棄物に関して一番詳しく書かれてあり、海外の動向含め検討すべきことをコンパクトにまとめてくれていました。
ジュニア新書といえど馬鹿にできない1冊です。

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2023年06月08日

Posted by ブクログ

【気付いたら地球が核のゴミ屋敷になっていた件】

・小手鞠るい『わたしが戦場にいる』
・平井美津子『原爆孤児しあわせのうたが聞こえ       
       る』
・村田喜代子『新古事記』
・伊与原新『翠雨の人』
そして本書、ドキュメンタリー『核のゴミをどうするか?』。

核と戦争を巡る物語を順繰りに読み進める中で、最終的に行き着いたのが「第二の核施設」ともいわれている原子力発電所のドキュメンタリーだ。

日本の原発は稼働当初からなんともずさんな計画でスタート。
核のゴミも何とかなるだろうくらいの軽い考えで何の処理もされず60年放置され続けた。

最終処分方法が決まらないまま、稼働した分だけ増えていく状態。「高レベル放射性廃棄物」のガラス固化体は、最終的に2万6000本以上に達する見込みだ。あと数年で原発内の貯蔵プールは満杯になり、近づくだけで人間が即死するほどの強烈な放射線を放つ。安全なレベルになるまで1万年〜10万年かかるというから驚きだ。現実的な処理方法がない危険な代物を、将来の世代に負担させてよいはずがない。人の手に負えないものに、なぜ手を出してしまったのだろう。

深堀りして自分で調べていくとさらに驚愕の事実を知った!
現在米露にある12000発超の核兵器と日本にある「核のゴミ」の総量・体積を比べると日本の原発ゴミの方がはるかに巨大。
ゴミを安全に保管するための施設全体の広さは、「ディズニーランドが何個も入る巨大な地下要塞」にする必要があるとか。しかも現在進行形で脱原発どころか新しい原発を導入して輸出しようとまでしているようだ。

さらに原発ゴミには2011年の福島第一原発事故によって生じた放射性廃棄物(汚染土など)が東京ドーム11個分という想像を絶する量がある。
政府はこれを甘い特例基準を設け、全国のインフラ、公共事業に混ぜて再利用し汚染土をばら撒こうとしている。一般的な安全基準(100ベクレル)に下がるまで約170年〜300年以上もかかるのに国が定めた再利用基準は8,000ベクレル以下と通常の80倍も緩い。

本当に怖いのは人体や環境への影響だ。
台風、豪雨、地震、経年劣化によって雨水や粉塵となった汚染土が近くの河川、海、そして周囲の畑に流れ込む。それが食を通して人体に蓄積され内部被爆を引き起こすことが容易に予想される。子供や孫、将来の世代にそんな負の遺産を背負わせても良いのだろうか。

日本は、世界で唯一の戦争被爆国でありながら「平和利用」という大義名分のもとに原子力に依存してしまうのはどうかと思う。
事故が起きれば、新たな被爆者や環境汚染での自然、食への影響、風評被害。兵器であれ発電であれ、すべてを破滅させる「核の力」の本質は何も変わらない。猿橋さんや山口勇子さん、笹森恵子さん、佐々木禎子さんらの命を懸けて紡いできた平和への努力が水の泡になってしまう。

2011年の福島第一原子力発電所の大事故や再び「核の抑止力」に傾倒しつつある現代の世界情勢を見て、「人類は歴史から一体何を学んだのだろう」と残念でならない。

かなりの長文になってしまいましたが多くの人に知ってもらいたいと思い書きました。
ジュニア新書と侮るなかれ、大人が今こそ読むべき、未来への警告書です。

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2026年08月13日

Posted by ブクログ

原子力発電の後に出る使用済核燃料から、再利用できるウランやプルトニウムを取り出したあとに残るのが「核のゴミ(高レベル放射性廃棄物)」。非常に強い放射線を出し、短時間でも近づくと危険で、安全なレベルになるまで数万〜10万年もかかる。そのため、長期間にわたる管理と最終処分の方法が大きな課題になっている。

現代世代の電力消費と言う利益のために、将来世代に危険性を押し付ける罪深さを深く反省。
日本固有の地学的特性を考慮し、丁寧に地域住民の合意形成に取り組み、将来世代が納得できる形を慎重に検討していかなければならないと感じました。

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2026年03月28日

Posted by ブクログ

のごみ問題は、長期的な原発計画策定の際、最もプライオリティの高い問題だと思うが、マスコミも野党も大きな問題にせず歯がゆいばかリだ。
本書は 問題の本質を総論的に解説しており、とても勉強になった。
・海外の状況
 フィンランド 地層処分場の建設がすすんでいる
 スウェーデン フォルスマルクに地層処分場決定
 フランス   地層処分前提にピュール県に決定を申請中
        可逆性(未来に変更が可能な処分方法)を担保
 カナダ    オンタリオが候補で適応性のある段階的管理を進める
        (60年保管、その後も240年は人間の管理下に)
 アメリカ   混乱(ネバダ州のユッカマウンテンは凍結)
 ドイツ    脱原子力は決まったが処分方法は混乱
 イギリス   地層処分で4つの自治体を調査中
        政府から独立な組織が議論を主導
 日本     地層処分で北海道の2つの自治体を文献調査中
        NUMO(電力会社)と政府が主導
・筆者の提案 
  現在の科学技術能力の限界を認識(永久保管の安全性は不明)し
  50年の地上での暫定保管(その間に技術開発を推進)
  核廃棄物の総量管理(保管できる分しか使わない)
  答えのない問題の答えを出す責任を社会全体で認知し議論する枠組みが必要


   

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2024年01月05日

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