アルネ・ダールのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ぼくら読者が生きている現実と遠く離れたところ。政府、公安、警察そして個人が絡み合いつつ、個の犯罪と国家的策謀が絡み合う中、それらの複雑な力学に巻き込まれる個人=ストックホルム警察のサム・ペリエルと公安警察の元潜入捜査官モリー・ブロームを主人公にした四部作の二作目である。
こう書いただけでだいぶややこしいイメージが沸こうかと思われる。しかしその通り、ややこしいなどというものではなく、我々一般人が見させられている現実というものの本質はどれだけの仕掛けに満ちたものであるのか? そういう世界構造の精緻すぎる複雑さ、もう少しわかりやすく言えば陰謀により秘匿されている真実の多さに呆れ返りたくなる世界像といったものが、このシリーズを取り巻く複雑な多重構造世界となっているのである。
単なるミステリーというより、国家間の地勢図を展開したような大きな構造に、個人が巻き込まれてゆくアクロバティックなストーリー展開が、本シリーズの第二作目で、ますます明らかになってきた。ベテラン作家アルネ・ダールによる新シリーズ第二作は、より深く黒い迷宮を我々の脳に示してくる。
スウェーデンのベテラン作家であるにも関わらず、日本での翻訳機会が不遇であったアルネ・ダールは、母国では既に名を成す大家であるそうである。
サム・べリエル&モリー・ブロームのシリーズは、第一作『時計仕掛けの歪んだ罠』が日本でも話題になったのをきっかけに、第二作からもまた受け入れられるようになると良いと思う。しかし前作からの続編となると、前作から改めて一気に読みなおさないとついてゆけないくらいと感じさせられ、残念であった。
複雑で多層構造な人物関係図などは、北欧ミステリを初めとした最近のミステリ・シリーズの流行なのかもしれない。何より、主人公二人の個性が光る。異なる組織に属する男女、そして二人とも、組織に帰れず、命の危機を背負いながら、真相に迫る能力を持ち合わせている。これに似た配置も最近多くの北欧作品でよく見る気がしている。
個人のサイコ系犯罪に、組織絡みの陰謀を絡み合わせた多面的な展開。その中で組織を追われ孤立してゆく主人公たちは、追われると同時に追う者である。どんな機械にも衛星にも追えない地球の影のようなポイントという設定も現代的で興味深かった。
ディテールと大筋とを両方楽しみながらの一気読み作品。惜しむらくは一気に四作を読めないことだ。全作揃ったところでまとめ読みしたいという気持ちは贅沢に過ぎるだろうか? -
Posted by ブクログ
一年七ヵ月の間にスウェーデン国内で起きた、三件の十五歳の少女失踪事件。ストックホルム警察犯罪捜査課のサム・ベリエルは同一人物による連続殺人だと主張するが、上司はそれを否定しまともに取り合おうとしない。しかしベリエルの主張の裏には、彼だけが知っている根拠があった。そしてついに彼は、容疑者へと辿り着く。だが尋問に臨んだベリエルを待ちかまえていたのは、予想を遥かに超える驚愕の事実だった―。『靄の旋律 国家刑事警察特別捜査班』が印象に残る作品だったので、翻訳が途絶えのを残念に思っていた。新シリーズはツイストがやや効き過ぎ。しかも次作に続くとは。楽しみである。
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Posted by ブクログ
ネタバレスウェーデン。少女失踪事件の有力な手掛かりを得て現場に踏み込んだべリエルたちだが,すでにそこには誰もいなかった。これは連続殺人事件なのか。当日撮影した写真の中に,あるヒントを見つけたが。
またも北欧ミステリ。森林が多くて寒くてという感じが不気味さを盛り上げております。冒頭から,べリエルが時計大好きぽいことがわかるのですが,タイトルの意味と,なぜべリエルがこの事件に執着しているのかと,途中でえっまさかそっち・・・と思いきや展開がまた二転三転するのとで,読んでいてちょっと疲れます笑 いや,面白いけど。
そして最後・・・事件解決のカタストロフィーは持たせつつも,最後・・・。
続きものだったのか・・・。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ序盤は、何が起きているのかも各キャラクター像も掴みきれないまま展開していく。どうやら主人公のベリエルたち警察は少女の誘拐・監禁事件を追っていて、ベリエルだけがこれは連続した事件だと睨んでいるらしい。そして彼はすべての現場に写り込む一人の女性の存在に気付き、その女性ブロームを特定して尋問する。ところがそこから物語はひっくり返る。追っていたはずのベリエルはまんまとブロームの罠に嵌ったのだった。
ベリエルとブロームの二人は同級生で、まだ10代だった遠い昔、彼らの学校にヴィリアムという奇形の転校生がやってきた。ヴィリアムはその容貌から酷いいじめを受けていたことから、ヴィリアムは特定の年代の少女に恨みを抱き、無差別に誘拐・殺害していると二人は推理した。
北欧ミステリらしいダークな雰囲気がクセになる。日本でもスウェーデンでも、公安という存在は興味を掻き立てる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいっちばん最後の最後でうわぁ〜って声が出てしまった。あぁああ。こわぁ〜。。
他の方のレビュー見たら、どうやらシリーズは5作出ていて、そのうち2作目までは翻訳されることが決まってるらしい。
アレックス読んだ時も思ったが…翻訳モノは苦手かもしれないなぁ。というか、ジェフェリーアーチャーとかスティーブンキングとか、ほとんどアメリカの作家さんしか読んでないからかも…アガサクリスティは読んだけど、数十年前で昔の訳って感じあるし。
あ、そもそも非英語→英語→日本語 って訳されてるのね。え、これどういう意味?みたいなことが多々あってなかなか読み進むのに骨が折れた…
ベリエルが何を感じて何を考えているのか?
主人公の過去や感情が伏せられたままで話が進むパターンはたくさんあるけれど、それが作者の意図なのか、私が文章読みきれてないからなのか、掴みかねたままだった。。
前半もしかして犯人はベリエルの過去絡み?と思っていたら、怪しかった女が実は子供の頃の同窓生ででも公安警察で、でもさらにもう一枚あったのが、個人と組織の力の違いが見せつけられてよかった。
タイトルの「時計仕掛け」はどういうことなのかな?英題「Watching You」。えええ?って感じ。それってヴィリアムが、ベリエルを、てこと?タイトル知ってたら読んだ感じもまた違ったかも。
でも前半と後半で展開が変わった後も、ベリエルの性格パターンが今ひとつわからないのでなかなか感情移入できなかったんだよな…
前半の歯車や、ベリエルの不安定さや、ちょいちょい挟まってる何かの過去の記憶?、後半は違う意味での不安(誰が敵か?)、全体的に不安要素がいっぱいで、最後に彼が死んでも何も明確にならず(文字通り、何も!明確には)
モヤモヤが続いたままラストでアレ。。。。
やっぱりコレ、ちょうどこの間まで見てたエルピスで、関係者が口封じに殺されるアレかな??っていう。。。
でもラストのあれのおかげで続きが読みたくなった。ISとかイスラムとか出てきてたし、なんか壮大な話になるのかな…