アルネ・ダールのレビュー一覧

  • 狩られる者たち

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    少女連続失踪事件の被害者救出に貢献しながらも、刑事の職を辞することになったベリエル。それでもひとときの安堵に身を委ねていた彼を待っていたのは、あまりに衝撃的な“結末”だった。それから十日余り。雪原に建つ病院の一室で目覚めた男“サム・ベリエル”は、本能に導かれるかのごとく、逃走を試みる。一方、ベリエルの元同僚ディアのもとには見知らぬ女性から不穏な手紙が届いていた…。

    何じゃ、こりゃあ!という作品。これは続けて読んだ方がよいシリーズです。

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    2022年03月21日
  • 狩られる者たち

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     ぼくら読者が生きている現実と遠く離れたところ。政府、公安、警察そして個人が絡み合いつつ、個の犯罪と国家的策謀が絡み合う中、それらの複雑な力学に巻き込まれる個人=ストックホルム警察のサム・ペリエルと公安警察の元潜入捜査官モリー・ブロームを主人公にした四部作の二作目である。

     こう書いただけでだいぶややこしいイメージが沸こうかと思われる。しかしその通り、ややこしいなどというものではなく、我々一般人が見させられている現実というものの本質はどれだけの仕掛けに満ちたものであるのか? そういう世界構造の精緻すぎる複雑さ、もう少しわかりやすく言えば陰謀により秘匿されている真実の多さに呆れ返りたくなる世界像といったものが、このシリーズを取り巻く複雑な多重構造世界となっているのである。

     単なるミステリーというより、国家間の地勢図を展開したような大きな構造に、個人が巻き込まれてゆくアクロバティックなストーリー展開が、本シリーズの第二作目で、ますます明らかになってきた。ベテラン作家アルネ・ダールによる新シリーズ第二作は、より深く黒い迷宮を我々の脳に示してくる。

     スウェーデンのベテラン作家であるにも関わらず、日本での翻訳機会が不遇であったアルネ・ダールは、母国では既に名を成す大家であるそうである。

     サム・べリエル&モリー・ブロームのシリーズは、第一作『時計仕掛けの歪んだ罠』が日本でも話題になったのをきっかけに、第二作からもまた受け入れられるようになると良いと思う。しかし前作からの続編となると、前作から改めて一気に読みなおさないとついてゆけないくらいと感じさせられ、残念であった。

     複雑で多層構造な人物関係図などは、北欧ミステリを初めとした最近のミステリ・シリーズの流行なのかもしれない。何より、主人公二人の個性が光る。異なる組織に属する男女、そして二人とも、組織に帰れず、命の危機を背負いながら、真相に迫る能力を持ち合わせている。これに似た配置も最近多くの北欧作品でよく見る気がしている。

     個人のサイコ系犯罪に、組織絡みの陰謀を絡み合わせた多面的な展開。その中で組織を追われ孤立してゆく主人公たちは、追われると同時に追う者である。どんな機械にも衛星にも追えない地球の影のようなポイントという設定も現代的で興味深かった。

     ディテールと大筋とを両方楽しみながらの一気読み作品。惜しむらくは一気に四作を読めないことだ。全作揃ったところでまとめ読みしたいという気持ちは贅沢に過ぎるだろうか?

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    2022年01月02日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    北欧モノの例にもれず、陰鬱なトーンが全体を支配している。そして残酷な殺人事件…。

    文章が細密で、序盤の取り調べシーンの濃厚な描写は迫力満点。しかもそこからのプロットの展開も見事で、ラストまで一気に楽しめる。
    比喩や暗喩が多いうえに緻密な文章で読み応えあり。

    しかし、完全に事件は解決しておらず続編に続く、かな?

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    2021年12月08日
  • 狩られる者たち

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    ネタバレ

    スウェーデンミステリーらしい作品。
    次々と高レベルの作家が登場するなぁ。
    そして前作に続いて、また次作が待ち遠しいというラスト…

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    2021年09月10日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    一年七ヵ月の間にスウェーデン国内で起きた、三件の十五歳の少女失踪事件。ストックホルム警察犯罪捜査課のサム・ベリエルは同一人物による連続殺人だと主張するが、上司はそれを否定しまともに取り合おうとしない。しかしベリエルの主張の裏には、彼だけが知っている根拠があった。そしてついに彼は、容疑者へと辿り着く。だが尋問に臨んだベリエルを待ちかまえていたのは、予想を遥かに超える驚愕の事実だった―。『靄の旋律 国家刑事警察特別捜査班』が印象に残る作品だったので、翻訳が途絶えのを残念に思っていた。新シリーズはツイストがやや効き過ぎ。しかも次作に続くとは。楽しみである。

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    2020年10月08日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    三人の15歳の少女の失踪から始まる物語。三人はどこへ消えたのか。主人公のベリエルの捜査と途中で挿入される一つの挿話。緊張感や不安感が伝わってくる展開と徐々に犯人の姿が見えてくると同時に増していく狂気。シリーズの一作目としてすごく面白く、ラストの展開で次作が非常に楽しみになった。

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    2020年09月27日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    調子良過ぎる感があるけど、迷路に誘われ置いてきぼりにされた様な感覚の内容。章ごとに入れ替わる不思議感。他の方も書いていらしたが、先入観なしで読んで頂きたい。

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    2020年09月23日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    ネタバレ

    スウェーデン。少女失踪事件の有力な手掛かりを得て現場に踏み込んだべリエルたちだが,すでにそこには誰もいなかった。これは連続殺人事件なのか。当日撮影した写真の中に,あるヒントを見つけたが。

    またも北欧ミステリ。森林が多くて寒くてという感じが不気味さを盛り上げております。冒頭から,べリエルが時計大好きぽいことがわかるのですが,タイトルの意味と,なぜべリエルがこの事件に執着しているのかと,途中でえっまさかそっち・・・と思いきや展開がまた二転三転するのとで,読んでいてちょっと疲れます笑 いや,面白いけど。

    そして最後・・・事件解決のカタストロフィーは持たせつつも,最後・・・。
    続きものだったのか・・・。

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    2020年08月23日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    ネタバレ

    監禁ものはつらいな、と思いつつ、

    もう一人の主人公の登場の仕方、それがバチバチ後相棒になっていく過程がかなり意外で面白い。

    早く次作を読みたい。

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    2020年08月15日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    ネタバレ

    真相が案外あっさりな上に個人の怨恨が無理に関係してくる。
    長い長い読破の先に『終わらない終わり方』が待っていた。

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    2026年02月08日
  • 円環

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    じめッとしていて、暗い。というのがこの作品の良いところ。ただ、いくら面白くても、読み終わった後で楽しい気分にはならないのが、難しいよね。

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    2025年12月14日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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     巻末の解説にある如く『型破りなミステリ・シリーズ』である。
    勘による捜査。ネットワークを駆使した現代的調査。警察のみではなく、よりグローバルに広安警察が絡む。随所に描かれる主人公・ベリエルの心象風景。
     
     次作が楽しみな展開の結末に、
    ジェフリー・ディーヴァーやジョー・ネスボに推薦される作家、アルネ・ダールと出会えた幸運を思う。

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    2025年07月18日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    仄暗い雨の描写と執念。信じられるのは自分だけ。幼い頃の体験から逃れられない彼ら…しかし一連の事件は序章にすぎない。この一冊がまるまるプロローグかのような驚愕のラスト。

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    2025年06月29日
  • 円環

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    始めは凄くのめり込んで読んだが、百ページ過ぎ越えた位で止まった。奥行きが感じれなかったのが理由。内容はめちゃ面白いから読まなきゃ、と言う、半分プレッシャー気分も後押ししてくれて読み終えた。
    TVドラマのブリッジを彷彿させた。まじ、ブリッジ続編をみたい。

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    2025年05月30日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    ネタバレ

    序盤は、何が起きているのかも各キャラクター像も掴みきれないまま展開していく。どうやら主人公のベリエルたち警察は少女の誘拐・監禁事件を追っていて、ベリエルだけがこれは連続した事件だと睨んでいるらしい。そして彼はすべての現場に写り込む一人の女性の存在に気付き、その女性ブロームを特定して尋問する。ところがそこから物語はひっくり返る。追っていたはずのベリエルはまんまとブロームの罠に嵌ったのだった。
    ベリエルとブロームの二人は同級生で、まだ10代だった遠い昔、彼らの学校にヴィリアムという奇形の転校生がやってきた。ヴィリアムはその容貌から酷いいじめを受けていたことから、ヴィリアムは特定の年代の少女に恨みを抱き、無差別に誘拐・殺害していると二人は推理した。
    北欧ミステリらしいダークな雰囲気がクセになる。日本でもスウェーデンでも、公安という存在は興味を掻き立てる。

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    2025年04月27日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    ネタバレ

    いっちばん最後の最後でうわぁ〜って声が出てしまった。あぁああ。こわぁ〜。。

    他の方のレビュー見たら、どうやらシリーズは5作出ていて、そのうち2作目までは翻訳されることが決まってるらしい。

    アレックス読んだ時も思ったが…翻訳モノは苦手かもしれないなぁ。というか、ジェフェリーアーチャーとかスティーブンキングとか、ほとんどアメリカの作家さんしか読んでないからかも…アガサクリスティは読んだけど、数十年前で昔の訳って感じあるし。
    あ、そもそも非英語→英語→日本語 って訳されてるのね。え、これどういう意味?みたいなことが多々あってなかなか読み進むのに骨が折れた…

    ベリエルが何を感じて何を考えているのか?
    主人公の過去や感情が伏せられたままで話が進むパターンはたくさんあるけれど、それが作者の意図なのか、私が文章読みきれてないからなのか、掴みかねたままだった。。

    前半もしかして犯人はベリエルの過去絡み?と思っていたら、怪しかった女が実は子供の頃の同窓生ででも公安警察で、でもさらにもう一枚あったのが、個人と組織の力の違いが見せつけられてよかった。

    タイトルの「時計仕掛け」はどういうことなのかな?英題「Watching You」。えええ?って感じ。それってヴィリアムが、ベリエルを、てこと?タイトル知ってたら読んだ感じもまた違ったかも。

    でも前半と後半で展開が変わった後も、ベリエルの性格パターンが今ひとつわからないのでなかなか感情移入できなかったんだよな…

    前半の歯車や、ベリエルの不安定さや、ちょいちょい挟まってる何かの過去の記憶?、後半は違う意味での不安(誰が敵か?)、全体的に不安要素がいっぱいで、最後に彼が死んでも何も明確にならず(文字通り、何も!明確には)
    モヤモヤが続いたままラストでアレ。。。。

    やっぱりコレ、ちょうどこの間まで見てたエルピスで、関係者が口封じに殺されるアレかな??っていう。。。

    でもラストのあれのおかげで続きが読みたくなった。ISとかイスラムとか出てきてたし、なんか壮大な話になるのかな…

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    2023年01月04日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    北欧のミステリを続けて読むと同じ作家の本かと錯覚し、物語も錯綜してしまう。
    北欧の小説から独特の気候を感じる。日本の小説では一度も思った事がない。凄い!

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    2022年08月09日
  • 狩られる者たち

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    CL 2022.3.23-2022.3.26
    「時計仕掛けの歪んだ罠」の続編。二週間後から話は始まる。
    人間関係や事件の構成がわかりにくいのと、事件の凄惨さとで、ちょっと怯む。
    前作も今回もけっこう中途半端な終わり方というのも残念。次作を読むときまた再読しないときっと細部は忘れているぞ。

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    2022年03月26日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    ネタバレ

    始まりは3人の連続誘拐事件を追う、スウェーデンミステリーの少し暗い話かと思ったが、途中から一変。
    暗い、もの悲しい雰囲気はそのままにサスペンスミステリーへ。
    なかなか面白くはあったが、動機等納得がいかないところもいくつかあり。次作ではっきりするのか。
    あんな終わり方をされると次作を読まざるをえない。

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    2021年05月03日
  • 時計仕掛けの歪んだ罠

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    映画っぽい。主人公は男性と女性のビジネスパートナー。脇役はすっと出てきてさっと消える。捜査の流れで地味なところは削って、映える瞬間だけを切り取って見せる。ISとかあるので映画はちょっとアレかもですが。文体はややくどい。

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    2021年04月03日