アルネ・ダールのレビュー一覧
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ネタバレ初のアルネ・ダール。
翻訳ミステリ大賞シンジケートで紹介されていて読みたくなったので。
評判どおり、物凄く面白かった!
食傷気味だった北欧ミステリかつはみ出し刑事ものではあるけど、そんなこと吹っ飛ばすほどに面白かった。
話の入りは北欧刑事ものではあるが、特に第二部の取調室の攻防以降、印象がガラリと変わる(この攻防自体も面白い)。ここまで先が気になり、ページをめくる手が止まらない小説も久しぶりだった。
最後は、多分賛否両論なんだろうけど、個人的にはいい知れぬゾッとする感じも素晴らしいと思った。
シーズンが続くというか。
シリーズとしては5作くらい出てて、ただ翻訳は2冊目までらしい。非常に楽しみにしているので、どうか最後まで翻訳されますように。 -
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前作のラストから物語が始まる。
今回も意表をつく展開の連続。
冒頭からの、まるで断片のような逃亡シーンから煙に巻かれる。
描写は実に細かいのだが、何が起きてるのが理解できないように話が進められ。それが突然全景が見えたかと思うと、一瞬で真相が変わって行く。
実に見事に話が練られていて、事件を追う刑事と公安捜査官の二人組と共に、真相を求めて事件の迷宮を巡ることになり、ラストまで濃厚なサスペンスを堪能できる。
早くも次の作品が読みたくなる。
実に映像化向けの作品で、映画ではなく6話くらいのTVシリーズにしてほしい。
しかし、北欧物は登場人物の名前が憶えられない…
(丁寧で工夫の跡がうかがわれる登場人物一覧には本当に感謝!) -
Posted by ブクログ
日本では8年前に『靄の旋律 国家刑事警察 特別捜査官』一冊しか邦訳されていないが、スウェーデン本国では大御所の作家であるようだ。複数捜査官による警察小説を得意としつつ、別名義で純文学を書き、文芸評論家であり詩人でもあるいわゆる表現のプロ。そのイメージはページを開いたところからがつんと来る筆力を見ると、なるほどごもっとも。
冒頭、二人の少年の印象的なシーンから、いきなり犯罪現場らしき場所での警察突入シーンに視点が移る。読者はこれですぐに持っていかれるだろう。
少女たちの連続失踪事件を追うベテラン刑事の目線で語られる一部から、マークされた怪しげな女性の事情聴取と尋問が始まるが、その辺りから本編は逆転に次ぐ逆転という驚くべき展開を見せる。すべては見た通りではなく、錯綜した裏がある。
そう。最初に見えたのがすべてではなく、次に見えてくるものも不確かと思えてしまう捩じれた世界。事件の全体像が見えるまでの緊張はラストまで途切れることなく続くが、作中の世界は変容を重ね、真実が幾様にも姿を変え、人間たちは見たままではなく、意外な展開を見せてゆく。
挿入される少年たち少女たちのシーンが驚きの展開を見せ、作品に重要な光を投じる。現在と過去は複雑に繋がる。フーダニットのミステリーから、プロットを楽しめる全体像となってゆく。何よりもこれは新シリーズの第一作なので、この事件のその後まで気になるという驚くべきシーンで終わりを迎える。いや、始まりを迎えるのか?
登場人物の多さも、この後の作品への布石になるのかもしれない。予想外の死体発見シーンが読者を混乱させ、何一つ確信させてくれないところが、日本語タイトルにも反映された何ものかであるのだろうか。
印象的な部分は、主人公と犯罪者の双方の、時計へのこだわり。各章が月日と時刻でしっかり刻まれる。仕掛けへのこだわり。組織同士の化かし合い。時に過去が入り込むこと、などなど。
二人のヒーロー&ヒロイン像の個性とパフォーマンスが良いので、今後のシリーズに期待ができる。次作の邦訳も進められているという巻末の解説に少しほっとするし、これは二作以降も読まざるを得ない。決着のついていないことが多いように思う。次作まで持ち越しの宿題なのか?
全体的にエンターテインメントとして申し分のない読書時間を供給してくれた作品である。次作が待ち遠しい。 -
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10月25日、日曜日の朝10時14分から物語は始まる。そして、ちょうどその1週間後、11月1日の同時刻に物語は終わる。
要はたった1週間のあいだに起こる出来事なわけだけど、その間に過去の記憶と現在とをめまぐるしく行き来しながら、ものすごいスピードと濃さで事件が展開していく。(時間表記が24時間制じゃないので、「10時」とかだけあると朝なのか夜なのか一瞬分からなくなるほど。)
ナタリー・フレーデンの尋問辺りまでは、いちいち色々冗長な気もしてたのだけど、その後一気に物語が花開いていく感じ。そこまでは、回りくどい言い回しとか無駄な罵詈雑言にちょっと辟易しちゃったりもするのだけど、まぁ我慢かな。
なお、被害者の名前がなかなか覚えられなくて最初焦るけど、特に覚えてなくても支障なく最後まで読み進められるので心配御無用。
ヴィリアムの人間性や反抗に至るまでの経緯みたいなものは、もっとしっかり丁寧に説明してほしかった気がする。(そうでないと都合が良すぎる展開で、やや納得しづらい。)…が、それはもしかしたら次作で明かすために敢えてハッキリさせすぎないようにしたのかも??
個人的には、このタイプの作品できちんとエンタメ路線で終わらせられるのはむしろ好印象。俗っぽいって感想の方もいるだろうけど、楽しみは続いた方が嬉しいし謎も解ききらない方が余韻に浸れる。早速続編を購入してみた。 -
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ネタバレスウェーデンの作家、アルネ・ダールのシリーズ作品。「時計仕掛けの歪んだ罠」の続編。
雪原に建つ精神病棟から逃げ出した患者。患者の名は、サム・ベリエルで…
前作もだが、今作も何も紹介できない作品。というのも、何を説明しても一作目の展開に触れてしまうので、書評家の方とか大変だと思う。
前作ほどの衝撃はなかったが、今作もとんでもない展開に。二転三転する展開がこのシリーズの醍醐味だと思うが、目まぐるしい展開に全体像が薄まってしまうため、良し悪しだと思う。個人的には楽しめたが…
非常に残念なのは、めちゃくちゃ続く終わり方なのに、続編が出ず、新シリーズの出版が始まったこと。一作目の衝撃的なラストのことは何となく解決したが、今作のラストの展開のまま放置されるのは本当に酷い。3作目が面白くなかったからなのかもしれないが…一応、今作の事件は解決しているので、問題ないと言えば問題ないが…何とか出版してくれないかなぁ。 -
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爆弾事件を国家作戦局の捜査チームが追う! 容疑者は元警部でプレッパー、エコテロリストか… #円環
■あらすじ
スウェーデンで爆破事件が発生、被害者は気温変動や環境破壊に関係する仕事に従事していた。国家作戦局(NOD)は主任警部エヴァ・ニーマンをリーダーとする捜査チームNovaを立ち上げ、犯人を追うことになった。
エヴァの元に犯行声明の手紙が届くのだが、見覚えがある言い回しを見つけた。それは、かつてNODの元警部ルーカス・フリセルがよく使う言い回しだったのだ…
■きっと読みたくなるレビュー
エコテロリストって、日本ではあまり馴染みがないですよね。世界一環境への意識がたかいスウェーデンならではですね。
私も最近は環境のことを考え、必ずエコバックを持ち歩くようにしてるんですよ、えらいでしょ。でも近くのコンビニに行くのですら自動車を使うんですけどね。なにがエコなのか、よくわかりません。
さて本作は爆弾魔を特殊捜査チームが追うというありそうなストーリー。しかしなんと容疑者フリセルは元NODの刑事なんです。しかも現チームリーダーのエヴァの元上司にあたるという。果たしてフリセルは犯人なのか…
序盤がいきなり読みどころなんですよね~。どうなるどうなるって、いきなりサスペンススリラーモード。チームNovaの面々が森の中に侵入し、フリセルの住処にアタックするのですが… もう目が離せない! 中盤以降どんな展開になっていくかは、もう言えません。ぜひ実際の読んでみてください。
本作は場面や会話が次々と切りかわる三人称視点で進行します。スピーディーなエンタメを描くのがお上手でまるで海外の刑事ドラマを観ているようなんすよね。読んでると止まらなくなっちゃう。
そしてなんといってもチームNovaメンバーがイイ!
女性ながらも指導力があるリーダーのエヴァ、その同僚であり親友のソーニャ。家族の不幸から価値観の変わったアンカン、移民で努力家のサルワニ、家族を愛するアントン。生き様や価値観や少しずつ背後から描かれていて、どんな人生を生きてきたか見えてくるんだよね。何よりチームワークがいいんですよ、あらためて仕事仲間は仲良しが一番だと感じましたね。
物語も中盤以降に入ると、事件の背景や「円環」とは何なのか?という謎に迫ってくる。最初の段階では、なるほどなーそういうことか~と単純に思っていました。しかし事件の深層に近づいてくると、更なる意味を知ることになり… 胸が詰まってしまいましたね。
終盤はもう超ドタバタのサスペンスアクションですよ、どうなるかワクワクドキドキがとまりませんでした。ラストはもうね… 気になるから、やめてください。でも次の作品に期待しちゃいます!
■ぜっさん推しポイント
プレッパーって知ってました? 災害や緊急事態に備え、過剰に自給自足の生活を志向する人々。アメリカには何百万人もいるらしく、背景には戦争、疫病、経済崩壊などのリスクを感じてるからとのこと。
私なんて緊急性もないのに、いつもスマホでニュースやSNSなどあさってばかっりですよ。すぐ情報の渦に溺れるくせに、こういった大切な事実は何も知らない。もちろん過剰すぎるのも良くないのですが、あまりに平和ボケなのも良くないですね。海外の作品はいつも学ぶことが多いです、ありがとうございました。 -
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ネタバレ2025年の16冊目は、アルネ・ダールの「円環」です。アルネ・ダールの作品を読むのは、「狩られる者たち」以来でしょうか。
環境破壊に関係する企業の幹部が、爆弾により死亡するという事件が続けて起きます。事件は、環境テロリストによる犯行と思われます。いかにもスウェーデンらしさを感じてしまいます。
事件の犯行声明と予告が、国家作戦局のエヴァ・ニーマン主任警部宛で届きます。何故、彼女の元に届いたのかが鍵となる理由ですが、彼女のチーム“NOVA”が捜査に当たる事になります。チームの面々がそれぞれ個性的で良い味を出しています。特にシャビール・サルワニがカッコ良い。
そして、もう1人の主人公というべき、エヴァのかつての上司ルーカス・フリセルの存在。彼の存在が有るからこそクライマックスで2方向に分かれてのよりスリリングな展開と緊張感溢れるシーンに繋がっていると思います。作者アルネ・ダールの手腕を感じます。
ぶっ飛び満載のエピローグも秀逸です。
1つ不満を挙げるとするなら、事件の真相が想像付き易い事ではないですかね。
☆4.7 -
Posted by ブクログ
スウェーデン・ウプサラ市郊外の高速道路を走行中のBMWが、突然暴走し菜の花畑で炎上した。死亡したのは、運転中の大手製鉄会社幹部。一週間後、石油業界のキャンペーンを手がけていた広告会社幹部が第2の爆破事件で命を落とす。被害者はどちらも気温変動や環境破壊に関係していた。
容疑者に挙げられたのは、15年前に先端技術の活用を拒否したがためにある誘拐事件の解決に失敗して辞職し、森で隠遁生活を送る元警部ルーカス・フリセル。当時の彼の部下で今は国家作戦局(NOD)の主任警部エヴァ・ニーマン宛てに、彼からと思われる犯行予告の手紙が届いていたのだ。
エヴァは、立ち上げられた特捜班Novaの曲者たちを率いて事件の捜査にあたり、第3の事件を警戒しながらフリセルを追うが――。
ページターナーぶりは健在であった。過去のシリーズの翻訳がいずれも中断しているのが、残念なところ。新作ももちろん読みたいが、ぜひ過去作の紹介をお願いしたい。 -
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最初、設定が4MKシリーズに似てるなと思っていたけど、途中から、もう一人の主人公が現れて、とても面白い展開になる。
雨のシーンが執拗に書かれ全体的に暗いムードなのは北欧ミステリぽっい。
読んで、ぐいぐいと引き込まれて行く。読み応えがある作品。
だけど、読み終えて驚愕の事実を知る。これ続くんだよ!いわゆる3部作らしい。
ところがだよ、この続き「狩られる者たち」は出版されているのに、その先が無い!
アネル・ダールはすでに、このシリーズを5作品、出版してるけど日本では2作目までしか、出版されていないんだ。
これ最悪!2冊目を読むかどうかも迷って、さらにイライラするのが嫌なので、次の作品を読むのを躊躇してる。
小学館文庫!最後まで責任もって出版しろよ!
結構、面白いのに売れ行きが悪かったのか?でもさ、でもさ、この気持ちをどうしてくれるんだ。