夏目レモンのレビュー一覧
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購入済み
【後宮シリーズ】が大好きな作家さんの作品ですが、同じ後宮でもとにかくしんどい話でした。甘さの無いグロい話なら【九天に鹿を殺す】もそうでしたが、あちらは知略や謀略を巡らす面白さがありました。こちらは只々しんどい。非道の限りを尽くした凶后の姪である美凰は彼女に溺愛され特別扱いされていた為に、凶后が倒れた後に人々の恨みを一身に受けます。しかも不老不死であるが為に繰り返し行われる処刑は熾烈を極め、過去として語られていても痛い。現在は幽閉先で穏やかに暮らしていたのに、後宮に戻り妖魔や病と闘う事になります。無知も罪かもしれませんが、続編があるなら救いがある結末にして欲しいな。
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Posted by ブクログ
ネタバレサクッとしたライトノベルのような感じかと思って読むと、そのどんよりとした重さに押しつぶされる。
無知は罪、という面は確かにあるとは思う。知らないとはいえ、美凰は長い間人々の血と命の上に成り立った贅沢な衣食住を享受していたのには違いないのだし。
でもだからと言って、死ねない体を持った彼女を何度も何度も執拗に処刑するというのはあまりに惨い。
痛みと苦しみに泣き叫ぶだけで、彼女は死ぬことさえできない。死という終わりがないからこそ、その拷問は永遠に続く地獄であり絶望だった。
人々の凶后への憎しみが姪に転嫁されているという状況もわかるし、よくわからない術を使う者への本能的な恐れもあるんだろうとは思う -
Posted by ブクログ
ネタバレ用語が難しくて慣れるまでに少し時間がかかった。
帝の持つ力はなんとなくわかるが、美鳳の力が何なのかまだ把握していないので読み返す必要があるかもしれない。
無知が罪なことはわかる。
美鳳が享受してきた贅沢な暮らしが叔母である前后の悪逆のおかげで成り立っていたこを知らずに幸せに育ち、民の怨嗟が一族全てに降りかかることも理解できる。
それでも美鳳の受けた処罰が痛々しく、これだけいろいろな人に憎まれているのに幸せな結末が訪れるとは想像しにくい。
叔母の凶后はなぜあんなにも美鳳を可愛がっていたのか最初は疑問だったが、もしかしたら自分の器にするためだったのかもしれない。
本人は目覚めていなくても、強大 -
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