上原かおりのレビュー一覧
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ネタバレ三体問題が発露してから三体艦隊との対決に向け方々に駆けまわった人々の黎明の21世紀初頭が終わり、ある英雄は死に、ある英雄は次世代の礎を築き、あるものは未来での責務を負って人工冬眠に入った。
時は流れ、23世紀初頭。
三体艦隊の到着まで200年の猶予があるものの、三体艦隊の偵察機は間もなく到着しようとしていた頃。
冬眠していた21世紀の人々が目覚めた。
目覚めた人の前には完全にエネルギー問題が解決され、安寧な幸福を享受していた人々がいた。
理論的には可能だが、技術的に困難だった先端技術はいずれも達成されており、宇宙艦隊も惑星を崩壊させられるレベルの強力な軍事力を有していた。
各観測から三体艦 -
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一作目が現代が舞台なのに対し、二作目は、軌道エレベータ、核融合エンジン、宇宙戦艦、冬眠技術などなど、未来の宇宙ものらしいSF要素が盛りだくさんで出てくる。ただの宇宙ものでない面白さは、面壁計画が上手い具合にミステリー仕掛けになってるところ。結構多い文章量だけど、飽きずに疲れずに読めてしまう傑作。
この作品のスケール感の一つは、圧倒的な数の力。水素熱核爆弾とか宇宙艦隊とか、膨大な物量を惜しげもなく登場させてしまえる辺りは、とにかく桁違いのやり方で経済発展してきた現代中国の作家だからなのかなあとか思ってしまう。緊縮財政とかデフレとかコスト縮減とかが幅を利かしてる社会じゃ発想できなさそうだ。
も -
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三体の第2作目。1作目はSF感が足りなかったが、今作はガッツリSF。未来のテクノロジーや宇宙での物語など、盛りだくさん。
しかし本小説はそのようなSF要素がメインではなく、三体世界を前にした時の人間ひとりひとりの行動描写にスポットを当てている。
またロジックが非常に綿密に練り上げられており、想像のつかないような展開でありながら、違和感はない。これほど予想と違う展開に進んでいく小説も珍しい。
大人向けSF小説の傑作とも言えると思う。1作目がハマらなかった人も、とりあえず2作目を読んでから改めて評価してみて欲しい。
3作目の文庫化が待ち遠しい。(文庫派なのは御容赦願いたい) -
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ネタバレしばらく時間がかかりましたが、読破しました。
とても重厚な群像劇でした。羅輯をはじめとして、タイラー、ディアス、ハインズ。章北海も。
また、第二部「呪文」の締めに最期が描かれる人物たちや、水滴による丁儀の最期、また読者への配慮のように言及された汪淼や葉文潔の人生の締めくくり。
容赦のない時代の進行によって目まぐるしく登場人物が退場していく様は、まさに歴史を見ているようでした。
上巻を読んだ時にもっと知りたいと思ったハインズの計画は下巻を読み始めるとすぐに明かされ、面壁者全員の計画が丁寧に描かれていたことに感嘆しました。
面壁計画といえば、羅輯の呪文とラストの一手は、わかりやすい反面とても興奮 -
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ネタバレNetflixドラマでは面壁者が決定して、羅輯(に相当するキャラクター)の暗殺が失敗するところまでだったので、やっとその続きが読めました。
面壁者それぞれがしっかりと描写されていたのが素晴らしかった。特に、羅輯が自分の小説の構想内のキャラクターに振り回されていく回想が面白く読めました。
サイエンスに関しては今回は宇宙船のエンジン等についての応用科学がメインでした。
個人的にはハインズの計画だけ生物学のブレイクスルーを前提にしたものだったので、もう少し描写が詳しいと嬉しかったのですが。
第1作ほどアツくはなかったですが、宇宙社会学のコンセプトと、その結果として表れた「呪文」面壁者計画は非常に興 -
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ネタバレ前巻では人類に絶望した葉文潔が宇宙に向けて発信したメッセージが三体世界に到達した。折しも、新天地を求めていた三体世界は地球へと侵略艦隊を送り出した。さらに、三体世界は地球侵略を確実にするために智子というスーパーコンピューターも送り込み、人類の科学の発展などを阻害することにした。
それを迎え撃つために、世界は智子の監視の及ばない思想の世界で対抗するため面壁計画を策定し実行することに。その一人には、葉文潔から宇宙社会学の概念を打ち明けられた羅輯も含まれていた。一方で、三体世界側も面壁計画を破るべく破壁人を指定して、面壁人に対抗していき、次々と破れていく。
最後の一人になった羅輯が理論をもとに三体 -
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ネタバレ前巻では人類に絶望した葉文潔が宇宙に向けて発信したメッセージが三体世界に到達した。折しも、新天地を求めていた三体世界は地球へと侵略艦隊を送り出した。さらに、三体世界は地球侵略を確実にするために智子というスーパーコンピューターも送り込み、人類の科学の発展などを阻害することにした。
それを迎え撃つために、世界は智子の監視の及ばない思想の世界で対抗するため面壁計画を策定し実行することに。その一人には、葉文潔から宇宙社会学の概念を打ち明けられた羅輯も含まれていた。一方で、三体世界側も面壁計画を破るべく破壁人を指定して、面壁人に対抗していき、次々と破れていく。
最後の一人になった羅輯が理論をもとに三体