樋口耕太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
非常に面白かった。
沖縄に滞在して1ヶ月目になるのもあるが、それでなくとも興味深く読める一冊。また、沖縄は顕著でわかりやすいだけで、題材とされていることは、日本の他の地方にも通じていたり、後半の他人の関心の話などは普遍的ですらあった。人や世の中の構造に興味がある人は読んでおいて損はない。とくに今の環境に息苦しさを感じていたり、これから教育に携わる人はぜひ。
わりとじっくり目で2時間ちょっとで読める。
いわゆる経営者が書いた本という感じ。筆者の実体験といくつかの有名な理論を組み合わせたタイプ。
最初は貧困を始めとする沖縄のネガティブな実データの紹介、そして筆者の推測を交えながら沖縄の構造を紐 -
Posted by ブクログ
ネタバレ沖縄は謎が多い。
経済成長が続き、活況。しかし県民所得は最下位。
沖縄人は優しい。しかし自殺率、依存症、教員の鬱、不登校は全国の中でも多い。
基地依存度は5%の嘘。軍用地料、軍雇用者所得、米軍への財サービスの提供、の合計は5%だが、沖縄への新興予算、税制優遇、など基地があるゆえの援助は算定外。
オリオンビール、泡盛の税率は安い。オリオンビールの県内シェアは44%。しかし以前は90%だった。泡盛の売上も下がっている。
1995年の米兵少女暴行事件を境に、基地問題が浮き彫りになり、援助が増えた。
1997年に観光振興のために、那覇空港の使用料などが下げられた。第2滑走路の建設、など。
基地依存 -
Posted by ブクログ
地元の読者として、著者の言いたいことは分かる反面、本書後半でも出てくるように、「今」の沖縄の分析としては主観的・悲観的な分析を強く出し過ぎているように感じる。私自身、人と接する機会が多いが、本書に出てくるようなウチナーンチュは、少なくはないが社会の雰囲気を決めるほど多くはないというのが個人的な感想。これを持って、沖縄の人の特性を論ずるのは乱暴だと思う。
ただ、外から来た人から見て、同調圧力に屈して現状維持を選択してしまう集団と見られてしまうことに関しては、県民として真摯に受け止めないといけないと感じた。また、地元を良くしたいという想いのある人たちも多いなかで、目に見える形で沖縄社会が劇的に変 -
Posted by ブクログ
沖縄のイメージというと明るい太陽と美しい海。そして「なんくるないさあ」などのおおらかな人々のイメージが強かったのですが、そのイメージの裏にあるあまりにも日本的な闇を思わされた一冊です。
美しくおおらかなイメージのある沖縄ですが、貧困率や教育の指標についてはがんばしくありません。産業構造やいわゆる子どもの貧困など表層的な面だけでなく、それ以外の問題点を著者は一章から三章にかけて指摘します。
政府からの補助金によって競争原理が働かず、保守的な営業計画を立てるようになった沖縄の企業。また政府からの補助も、長期的な視野に欠けた対症療法的なものばかり。
そしてその沖縄の企業を支える沖縄の人々は、別 -
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沖縄にこだわらなくても、、
というのが正直な感想。後半、最後の最後に、沖縄のみにあらず日本どこでもみたいなことも言われているし、私が存じている勤務先の沖縄拠点の元気一杯やる気満々な様子とだいぶ違うなと思うこともSNSの普及などで一変した、とあるし、今そうであるとわかっているなら最初からそれを書いた上で沖縄での体験に基づく自論を展開していただくのがよかったかな、と思う。興味本位に手にすると沖縄に対する考えや印象にバイアスかかりそうでやや信用できないスタンスで読み進めた。経験されたことは事実が書かれているのだろうから沖縄や沖縄以外の様々な境遇の若者の話を知ることができたのはプラス。ニュートラルな気 -
Posted by ブクログ
ネタバレあまり鵜呑みにしてほしくない。
私の立場は沖縄生まれのナイチャー。
産まれてすぐ内地に来ているので沖縄文化には染まっていない。
親戚付き合いがあり、頻繁に遊びにいくレベル。
その自分から見たこの本の感想は・・・・
100%信じないでほしい。
あくまでもナイチャー(作者の)目線でみた沖縄。
そうなんだ・・・と思うことも、納得する部分もかなり多いが、自分の親戚などをみると全く違う。
・ブランド品を好まず横並び
これに関して、私の親戚①であるウチナーは大のブランド好きである。
親戚②の両親は沖縄で1台も走っていない車をわざわざ内地まで買いにきた。
親戚③スポーツで誰よりも一番になりたい -
購入済み
残念
結論から言うと非常に残念な本。「本当の理由」が結局、本当の理由という論証なく著者の主観で貫かれているので、非常にモヤモヤ。ある側面からの沖縄県民の特徴は描けているとは思うが、それは一面的である。典型的な木を見て森を見ずである。そもそも主題が沖縄の経済問題を論じたいのか、社会論なのか、文化論なのかがよく分からず、厳しい評価にならざるを得ない。在籍する沖縄大学のHPに書かれた「モットー: いま、愛なら何をするだろうか?」を参考にされたい。