【感想・ネタバレ】沖縄から貧困がなくならない本当の理由のレビュー

あらすじ

沖縄には、謎が多い。圧倒的な好景気が続く中、なぜ、突出した貧困社会なのか。「沖縄の人は優しい」と皆が口をそろえる中、なぜ、自殺率やいじめ、教員の鬱の問題は他の地域を圧倒しているのか。誰もなしえなかったアプローチで、沖縄社会の真実に迫る。「沖縄問題」を突き詰めることは日本の問題を突き詰めることであり、それは、私たち自身の問題を突き詰めることだ――。「コロナ後の世界」のありかたをも問う、鮮烈の問題作。

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Posted by ブクログ

沖縄は莫大な補助金支給がある中で貧困率がワーストだったのが不思議だったが、その本質を社会構造から理路整然と解いている本でした。
ナンクルナイサの風土も、良いイメージだったのがだいぶ見方が変わってしまった。
そもそもナンクルナイサも何もしなくてOK的な意味合いだと思ってたが、もともとはマクトゥソーケーナンクルナイサ(人事を尽くして天命を待つ)という素晴らしい意味を持ってたと読んで、強力な現状維持に麻痺した事で変遷したように感じた。
足並みを極端に揃えたり、出る杭を打つ風潮を本質から変えない限り、貧困からは抜けれないのも納得した。

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

沖縄に住んでたら分かってるつもりでも
中の人間だから俯瞰的に見えないところを
俯瞰的に捉えてる本だった。
ただこれを県民の人が読んで理解するのかは
どうだろう…

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2025年03月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

沖縄県民には是非手に取って欲しい一冊。

米軍基地がある事の“見返り”として国からの援助で作られた施設、観光地の多さに驚いた。
国の過度な支援がもたらした沖縄企業の行末等。沖縄に住んでいても知らない、習わない事を沢山教えてくれた。
県民に対する偏見とも取れる文も多々あったが、 自分や周りと照らし合わせるとどれも妙に納得してしまう。
経済事情だけでなく自己啓発本としても良い作品。
ここまで核心に迫る本は県外出身者である樋口さんにしか書けないであろう。

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2024年06月12日

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沖縄が抱える問題の根幹的な原因は低い自尊心にあると書かれていた.
自分を愛すことができないから,他人の挑戦や努力を認めることができないと.
補助金などの外的要因が絡んでいることで,自尊心の問題が沖縄では色濃く出ているが,同様の問題は日本でも起きている.
沖縄の問題を知っていく中で,本土に住んでいる自身の行動や認識を改めて見つめ直すきっかけとなった.沖縄に行きたいな~

↓の文章が刺さった.
> 自分を愛していない人の「心の穴埋め」は時に脅迫的だ.
> ・・・
> 自分の思う通りに事が進めば,自分の心の穴が少し埋まるような気がして,
> その一瞬だけ安心するが,誰かが自分の意に沿う行動をしなければ,
> 心の穴が広がる痛みを感じてパニックを起こす.

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2023年07月05日

Posted by ブクログ

著者は序文で「沖縄は、見かけとはまったく違う社会である」と述べているが、本書を一読して、自分の沖縄観について目から鱗が落ちることが多々描かれていて知的興奮を覚えざるを得ない読書体験となった。
ひとつひとつ取り上げたらキリがないくらい沖縄社会に対する鋭い考察がたくさん記述されている本書だが、特に第2章「人間関係の経済」では沖縄社会が本土以上に息が詰まる村社会であることが垣間見れてとても知的興奮を覚えました。
また、貧困が沖縄社会を支えているという本書で描かれている事実はいろいろと考えさせられました。著者は本書の中で人は自尊心が低いままだと向上することが難しいと論じてますが、その考えには自分も強く同意します。自尊心が低い、自分を愛すことができない人間にはよりよい人を育て、よりよい社会を創造・構築することはできない。そのことをいくつになっても自分の心に銘記し生きていきたいと感じさせる単なる文化論・社会考察にとどまらない自己啓発な一冊でした。

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2023年02月15日

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補助金付で産業発展しない
同調圧が強く、社会資本に依存度が高い
合理的に判断して、変える意味がないから変化が起きない

自己肯定感の低さが問題、一人一人と向き合って相手の関心に関心を持ちましょう。
(愛の経営のくだりは若干、論理的に飛躍感あり)
沖縄の問題は程度の差はあれ本土側でも問題になっている写鏡。

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2022年03月12日

Posted by ブクログ

アベプラで気になって購入。

現状維持と同調圧力、うちの島でもあてはまるなあ。

刺さったのは愛の経営。人の関心に関心を持つこと、簡単なようで簡単ではない、まずは近くの人から始めよう。


現状の分析だけではない、コロナを大事なことに気づくためのプラスに捉えている。

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2022年02月20日

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仕事で沖縄に移住して6年とすこし。沖縄はどうですか?と沖縄の人に聞かれたら、「とても過ごしやすいです」さらに聞かれたら、「でも、沖縄は努力が報われない土地な気がします」と答えている自分は、この本を頷きながら読んだ。

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2021年10月04日

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基地問題を盾に補助金を受け取る。そうした年間3000億もの補助金が良くも悪くも沖縄の抱える問題を根深いものにしている。現状維持を好む沖縄の労働者や経営者、優しい消費者。私は沖縄県民だが思い当たる節は多々ある。本書でも書いてあるように一人一人が自尊心を持つことで沖縄の問題が解消されると信じて頑張っていきたい

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2021年09月30日

Posted by ブクログ

沖縄から出て今は本土で暮らしているが、沖縄で感じていた謎の違和感を言語化してくれていてよかった。
沖縄から出たがらない、出ようとも考えていない人たちの話をしているのかなと感じ、私の周りにいた人たちには当てはまりはしなかった。
沖縄だけの話ではないと思っていたら、最後は日本にまで話が飛んでなるほどなと思った。
著者の考察に正誤はわからないが、考察の仕方はすごく参考になった。

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2021年09月14日

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オリオンビールが守られた事業だったり、閉鎖的な文化と補助金による悪魔合体のような話が聞けて興味深かった。一面に過ぎないと思いつつも説得力ある話が多くて困惑する。いつかどうにかなるのだろうか。。

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2025年12月05日

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ネタバレ

沖縄旅行へ行った時、本屋さんで目につくところに置いてあったし、予てから関心あるテーマだったので、買いました。
沖縄に対する見方や考察、筆者なりの考えや分析が、大変参考になりました。
(特に「沖縄社会は現状維持が鉄則で、同調圧力が強く、出る杭の存在を許さない」というは参考になりました)

また、「他人の関心に関心を持つ」という考えも大いに共感できます。人に無関心な人が増えているように思えるからです。

ただし後半は、事実(ファクト)や数字とエビデンスが薄い中、ご自身の意見や主張を何度も繰り返している為、少し食傷気味になったのが残念です。
誤解を恐れずに自らの意見・考え・主張をズバズバと書いていますが、愛という言葉を多用しすぎている感があり、愛があればなんでも解決できる、とお考えか?と思ってしまいました。

募る思いを伝えたかったのだと思いますが、終盤はヤヤ共感しづらいところもありましたので、1点減点の4点とさせて頂きます。

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2024年11月03日

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新たな発見や、考え方を与えてくれた本でした。
日本国内で見れば、沖縄は「離れたところに孤立してある」島であり、本土と違う歴史や人間性を持っています。
この本を読み進めていくと「これは世界から見た、日本そのものなのではないか?」と感じるようになってきます。
大陸から離れているからこそ、日本は独特の文化や価値観があってそれがいいように感じていますが、世界から見れば日本は孤立化しているように見えるかもしれません。
グローバルの中で日本がガラパゴス化して孤立していく懸念です。
今は日本で市場が成立してしまうからこそ海外の企業や文化が入りにくい、独特の人間関係など、、 でもいつまでも通用しません。
「沖縄からなぜ?」と筆者が問うたびに「日本はなぜ?」に置き換えて読み説くことができます。
沖縄を他人事だと思っていると、それがいつか日本全てのことになってしまいそうです。

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2024年08月14日

Posted by ブクログ

リゾートとして最高と思っていた沖縄。その裏側を覗ける本。若者のやる気のなさ、行き詰まり感は、本土の比ではない。そんな中、何とかしたいと、筆者がこの本を、書き起こしてくれている。解決策が明示されているわけではないが、社会を、変えるということについて、考えさせらせる。

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2023年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

沖縄で生きている上で腑に落ちる点が幾つもあった。
目立つくらいなら何もしないでいようという雰囲気は小さい頃から常にある。
高校卒業後から10年ちょっと県外に居たが、地域性の違いがこんなにもあるんだなと実感したのを覚えている。
貧困がなくならない理由にこんなにも根深い理由があるなんて考えもしなかった。
沖縄から米軍基地が無くなったら生活困窮者は爆発的に増えるんじゃないかと感じていた部分がこの本を読んで明確化された。
これからの沖縄はどうなっていくのだろう。

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2022年08月25日

Posted by ブクログ

最後の方は宗教じみていてよくわからなかったが、途中までの、沖縄の貧困の構造に関する分析は非常に面白かった。

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2022年07月17日

Posted by ブクログ

沖縄が抱える問題の本質を知るための必読書。そして、その解決策とは・・沖縄観光前に読んでおいて欲しい一冊です。

沖縄社会が貧困なのは、貧困であることに(経済)合理性が存在するからだ。沖縄の社会構造の中では、(悪意なく)変化を止め、(無意識のうちに)仲間の足を引っ張り、個性を殺し、成長を避けることが「経済合理的」だったのだ。(その合理性に反旗を翻すことが沖縄の貧困問題を解決できる糸口となる。)(P130)

沖縄社会には、頑張る人材、個性的な人材をことごとく排除する社会的構造(出る杭は打たれる)が存在するため、(本来必要とされる)自尊心の高い人材が重用されにくい。(沖縄社会では)大きな変化をもたらしそうな自尊心の高い人材は必要とされていない。このことが、沖縄で有能な人材が育ちにくい理由ではないか。(P159)
*()は私の勝手な補足。

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2022年05月20日

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この本は沖縄で日々を生き抜いたナイチャーの本気の想いだと思う
流石に全てを人目を気にして選択してるって結びつけすぎだとは思うけどもな
ただ何も考えてないだけなんだよな笑

沖縄の人はこういう風にナイチャーが生きづらさを感じてる事を知らないといけないな


人の関心に関心を持つ
自分のことに興味持ってもらう事も、人と仲良くなる事もまず第一ステップはこれ大事だな 

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2022年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

観光地として大好きな沖縄のリアルな姿を知ってビックリ。しかし、これは、著者が書いてるように沖縄だけの話ではなくて日本全体に言える話なのだと感じた。

自分を信じてない人にこの国を任せてはいけない。
人の関心に関心を持つこと。

沖縄の話ではなくなるが、
著者が記述していた、「自分の関心のパズルに妻の人生をはめ込んでいた。実のところ、彼女が本当はどんな人間か真剣に彼女の関心に関心を持って向き合ってなかった…」
これは、多くの人に当てはまることだと感じたし、実際、私の両親はお互いの関心はないのではないか、と感じた。
自分の本心を「なんくるないさ」と自ら麻痺させずに、自分と自分の大切な人への関心の関心を向き合いたいと感じた。

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2022年02月14日

Posted by ブクログ

非常に面白かった。
沖縄に滞在して1ヶ月目になるのもあるが、それでなくとも興味深く読める一冊。また、沖縄は顕著でわかりやすいだけで、題材とされていることは、日本の他の地方にも通じていたり、後半の他人の関心の話などは普遍的ですらあった。人や世の中の構造に興味がある人は読んでおいて損はない。とくに今の環境に息苦しさを感じていたり、これから教育に携わる人はぜひ。

わりとじっくり目で2時間ちょっとで読める。

いわゆる経営者が書いた本という感じ。筆者の実体験といくつかの有名な理論を組み合わせたタイプ。
最初は貧困を始めとする沖縄のネガティブな実データの紹介、そして筆者の推測を交えながら沖縄の構造を紐解いていく。後半は筆者の経験と、嫌われる勇気等の心理学周辺の理論を組み合わせた持論を展開、沖縄そして日本はどうしていけば良いのか、という流れ。後半は特に筆者独自論になっていくので、合わない人は合わなさそう。


沖縄にいるとよくわかるが、本当に独特な雰囲気のある場所。大いに矛盾しているように見える。
ぎゅうぎゅうの島の街中に広がっている広大な基地関連の開発地帯。住んでもいないのに県外から来て反対運動をする人達。綺麗な海が売りだが工事が盛んに行われている海岸沿い。豪華絢爛なホテルがたくさんあるが、高い貧困率。

そういったことを肌で感じつつ読むとより一層おもしろく読める。

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2021年12月12日

Posted by ブクログ

米軍基地に伴う経済支援が招く貧困、社会構造、そして国民性(沖縄に限ったことではない)をとても具体的かつ筆者の実調査・実経験に基づいて記された本書はとても読み応えがあり面白かった!

テーマ・切り口は沖縄ではあるが、格差社会が広がる日本そのものへの問い立てと貧困や見えない(気付かれない)社会的な障害に苦しむ人々に言及していて、身近な問題であることに気付かされた。

若者や生きづらさを感じている人々、教職者、人や会社を育てる立場にいる人に道しるべとなるような本。

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2021年11月05日

Posted by ブクログ

沖縄から貧困がなくならないのは、そういう経済的合理性があるから。
という主張はストンと納得できるものだった。

周りの目があるから、関係性があるから、
といったことにしばられ
「自分で考え、判断する」ことが難しい。
その結果みんな思考なしで慣例に従う感じになり、
変化が生じにくくなる。

沖縄だけでなく、日本全体でもそうだよなと思う。


改善策は、「一人一人が安心して力を発揮したり意見を言えるようになること」というメッセージを受け取った。
遠回りのようで、それしかないのかな。

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2021年10月08日

Posted by ブクログ

内地出身の沖縄在住者としては共感できる部分も多くある一方で、そこまで酷いものではないと感じる部分も多くあった。
日頃接している層が生活が安定している方々であること、若い世代と接する機会が少ないことも共感が弱い要因のひとつだとも感じますが。
一方で共感が弱いながらもひとつひとつの事象は実感する面もあるため、興味深く読み終えれた。

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2023年10月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

沖縄は謎が多い。
経済成長が続き、活況。しかし県民所得は最下位。
沖縄人は優しい。しかし自殺率、依存症、教員の鬱、不登校は全国の中でも多い。

基地依存度は5%の嘘。軍用地料、軍雇用者所得、米軍への財サービスの提供、の合計は5%だが、沖縄への新興予算、税制優遇、など基地があるゆえの援助は算定外。
リオンビール、泡盛の税率は安い。オリオンビールの県内シェアは44%。しかし以前は90%だった。泡盛の売上も下がっている。

1995年の米兵少女暴行事件を境に、基地問題が浮き彫りになり、援助が増えた。
1997年に観光振興のために、那覇空港の使用料などが下げられた。第2滑走路の建設、など。
基地依存度は25%~50%にもなる。

所得の低さは非正規の多さによる。43%が非正規。
沖縄は、でき混率、若年出産率、離婚率が全国一。
シングルマザーは若く、賃金が低い非正規にならざるを得ない。那覇の繁華街には、一晩数千円で子供を預かる無認可保育園がたくさんある。
沖縄のコールセンターは、人件費が安い。非正規雇用率が高い。

対症療法は問題解決にはならない。正しく問う。
やる気にさせるのはどうするか、は正しくない。本来はやる気があるはずだ。それを削いでいるのは何か、を考える。
沖縄の根本原因は、日本の根本原因でもある。

クラクションを鳴らせない状態=同調圧力が強い。鳴らすと加害者になる。出る杭の存在を許せない。
お誘いを断れない。模合という頼母子講が残っている。

昇進昇級を望まない労働者=同僚から浮き出たくない。
弱い者いじめではなく、できる者いじめ。なにもしないほうがいい。文句を言う人がいない=優しい社会、に見える。リーダーシップを発揮することの難しさを身に染みている。何もしない部下の方が強い。

定番商品が売れる=選んでいない。自己主張しない。
最上級ではなく、次のクラスの車を買う。
外食は知人の店。昔からの付き合いのある店。地元や知り合いの店を優先する。
不良品でも文句を言わない。
競争が少ないから、他の店に行けない。商品やサービスで差をつけても結果に繋がらない。一流を目指す人は力を発揮しにくい。補助金でスポイルされる=生産性が低いまま。

貧困に支えられている。
イオンは、地場スーパーサンエーに勝てない。メガバンクは琉球銀行に勝てない。4大紙は、沖縄タイムスに勝てない。日経新聞は0.88%。JTBは沖縄ツーリストに勝てない。スカイマークは南西航空に勝てない。キリンはオリオンビールに勝てない。
変わらないことの合理性=保守的な消費者、良い商品でも価格を上げられない。労働生産性は最低水準。人件費を削るが、それに怒らない。低い人件費が企業利益の源泉。身内優先。
経営革新は至難の業。出る杭になる経済合理性が乏しい。有能な人材を排除する仕組み。
都会から帰ってきた沖縄出身者が活躍しにくい。
昇給を望まない、イノベーションに乏しい、現状維持、更なる低賃金を生む。
貧困であることに合理性がある。

自尊心の低さ。利己主義とは違う。できるものいじめによって、能力がある人も発揮できない。部下は上司の呼びかけに対して無意識で無視する。自殺率の高さの原因になる。
「なんくるないさ」は人事を尽くして天命を待つ、の意味から、何もしなくてもOkという意味になった。現状維持が麻薬。
長男問題。失敗が許されない。現状を変えようとしない。沖縄の男性は働かない。長男がダメにしている。女性がクラクションを鳴らせない。
2代目の試練。Bクラス人材は、Cクラス人材を採用しAクラス人材を遠ざける。
男性の未婚率は収入に反比例する。女性は比例する。
サーカスの小象と同じ。抑圧されて表面的には従順だが自己権をを抱えたまま大人になる=自尊心の低さ。

人に関心をもつ、のは、人の関心に関心をもつ、こと。

社会変革はキャンドルサービスのようなもの。一回に付けられるのは一つだが、そのチャンスはたくさんある。

学生が薄暗い教室で電気をつけないのは、とびぬけるのがいやだから。全国的な現象。余計なことはし内容がいい。

沖縄と日本と世界は入れ込構造。沖縄問題は濃縮された日本問題。

労働者の波=労働力不足によって変化が起きる。静かな大津波。
情報の流れが自由になった=2010年頃を境に、沖縄の欠点が浮き彫りになった。
本土化する沖縄経済=経営者が変わってきた。沖縄の既得権者のために獲得した経済援助は、沖縄社会を分解酢つつある。トロイの木馬現象。

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2022年12月12日

Posted by ブクログ

地元の読者として、著者の言いたいことは分かる反面、本書後半でも出てくるように、「今」の沖縄の分析としては主観的・悲観的な分析を強く出し過ぎているように感じる。私自身、人と接する機会が多いが、本書に出てくるようなウチナーンチュは、少なくはないが社会の雰囲気を決めるほど多くはないというのが個人的な感想。これを持って、沖縄の人の特性を論ずるのは乱暴だと思う。

ただ、外から来た人から見て、同調圧力に屈して現状維持を選択してしまう集団と見られてしまうことに関しては、県民として真摯に受け止めないといけないと感じた。また、地元を良くしたいという想いのある人たちも多いなかで、目に見える形で沖縄社会が劇的に変わるような変化が生まれていないことも事実としてあるように感じる。

重ねて沖縄県民の心理分析には、疑問に思うことも多くはあったが、沖縄社会の内部に焦点を合わせて、沖縄社会のあり方ひいては日本社会のあり方について問うて、それを考えるきっかけを作ってくれる本であった。

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2022年07月24日

Posted by ブクログ

沖縄のイメージというと明るい太陽と美しい海。そして「なんくるないさあ」などのおおらかな人々のイメージが強かったのですが、そのイメージの裏にあるあまりにも日本的な闇を思わされた一冊です。

美しくおおらかなイメージのある沖縄ですが、貧困率や教育の指標についてはがんばしくありません。産業構造やいわゆる子どもの貧困など表層的な面だけでなく、それ以外の問題点を著者は一章から三章にかけて指摘します。

政府からの補助金によって競争原理が働かず、保守的な営業計画を立てるようになった沖縄の企業。また政府からの補助も、長期的な視野に欠けた対症療法的なものばかり。

そしてその沖縄の企業を支える沖縄の人々は、別に地元の企業だから商品を買うわけではない。そこにあるのは同調圧力。「シマ社会」という閉鎖された環境ゆえ、変わったこと、いつもと違う選択をすると後ろ指をさされてしまう。

それは商品の選択だけにとどまらず人間関係や教育の面でも現れ、上司に意見したり、部下に注意をしたり、学校で勉強を頑張ったり、それだけでも周りと違う人と認識され、周囲から浮いてしまう。
だから沖縄の人々は周りから浮かないようおとなしく過ごさざるを得ず、そのため新たな革新的な動きが生まれない。

沖縄という外界からの影響を受けにくい、特殊環境ゆえの問題点。

その解決策として著者の体験からの提言が4章、5章で語られます。個人的にここは著者がやや独善的というかスピリチュアル的な部分が強くて、問題点とのつながりがあまりピンとこなかった。
しかし1~3章の指摘については日本についてもあてはまるし、そして自分個人にもあてはまると感じました。

社会保障も国債も、エネルギーも国防も具体的な見通しを立てない日本政府。テクノロジーや新たなデジタル産業でも、同性婚、男女別姓、移民、技能実習生など女性、マイノリティー、外国人問題に関してもあまりに動きが鈍い。こうした面がこの本で語られた沖縄の諸問題と被る。

そして同僚圧力、波風を立てたくない、目立ちたくないゆえ口を閉ざす個人というのは、自分にもまるまるあてはまってしまい、心が少しヒヤリとしてしまいました。政府や政治家に求めるだけでなく、自分も改めるべきところがあるのだと感じ入ってしまいます。

沖縄について書かれた本ですが、最終的には日本という国において、そして自分という人間においても考えさせられる一冊でした。

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2022年07月18日

Posted by ブクログ

沖縄について。同調圧力とできるものいじめ、自尊心の低さ(本土より遅れていること)から成長が妨げられ、過度な補助金が競争力を奪っている。これは、沖縄だけの問題ではない。世界から見た沖縄の問題である。最後、著者の自慢話になったのが少し残念だった

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2022年03月29日

Posted by ブクログ

読んでみて感じたことな、沖縄の人が読むと考えさせられる内容はあるが、全ての人に刺さるとは思わなかった。具体的な部分もあるが、この作者の考えがほとんとの内容を占めているので、ちゃんとした貧困の原因を知りたい人にはオススメ出来ないと思う。
悪くは無いが、人を選ぶ内容だと思う。

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2021年11月08日

Posted by ブクログ

沖縄の社会構造は私の地元にも当てはまるな、と思った。同じような話が繰り返しで長くて、解決法が自己啓発気味で期待したものと違ってたが、人に関心持つでなく、人の関心に関心を持つというのは参考になった。

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2021年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あまり鵜呑みにしてほしくない。

私の立場は沖縄生まれのナイチャー。
産まれてすぐ内地に来ているので沖縄文化には染まっていない。
親戚付き合いがあり、頻繁に遊びにいくレベル。

その自分から見たこの本の感想は・・・・
100%信じないでほしい。
あくまでもナイチャー(作者の)目線でみた沖縄。

そうなんだ・・・と思うことも、納得する部分もかなり多いが、自分の親戚などをみると全く違う。

・ブランド品を好まず横並び
 これに関して、私の親戚①であるウチナーは大のブランド好きである。
 親戚②の両親は沖縄で1台も走っていない車をわざわざ内地まで買いにきた。
 親戚③スポーツで誰よりも一番になりたいので頑張って一番になっている。
 
 はっきりいってイメージはガメついです。
 貸しをつくるといつまでもグダグダ言うし
 「やってやったさ~」と恩着せがましい。

 ただ、ナイチャー、ウチナー関係なくどこにでもそういう人はいる。

 お金に無頓着とかありえないし、人より目立たず生きる、なんて考えてもいない。
 そこらへんの人と同じように穏便に周りに合わせるのは沖縄もナイチャーも変わらない。

 この本を読んだ結論は、沖縄は日本の縮図である。

 

 
 

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2021年01月12日

購入済み

残念

結論から言うと非常に残念な本。「本当の理由」が結局、本当の理由という論証なく著者の主観で貫かれているので、非常にモヤモヤ。ある側面からの沖縄県民の特徴は描けているとは思うが、それは一面的である。典型的な木を見て森を見ずである。そもそも主題が沖縄の経済問題を論じたいのか、社会論なのか、文化論なのかがよく分からず、厳しい評価にならざるを得ない。在籍する沖縄大学のHPに書かれた「モットー: いま、愛なら何をするだろうか?」を参考にされたい。

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2020年07月29日

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