【感想・ネタバレ】沖縄から貧困がなくならない本当の理由のレビュー

あらすじ

沖縄には、謎が多い。圧倒的な好景気が続く中、なぜ、突出した貧困社会なのか。「沖縄の人は優しい」と皆が口をそろえる中、なぜ、自殺率やいじめ、教員の鬱の問題は他の地域を圧倒しているのか。誰もなしえなかったアプローチで、沖縄社会の真実に迫る。「沖縄問題」を突き詰めることは日本の問題を突き詰めることであり、それは、私たち自身の問題を突き詰めることだ――。「コロナ後の世界」のありかたをも問う、鮮烈の問題作。

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Posted by ブクログ

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沖縄県民には是非手に取って欲しい一冊。

米軍基地がある事の“見返り”として国からの援助で作られた施設、観光地の多さに驚いた。
国の過度な支援がもたらした沖縄企業の行末等。沖縄に住んでいても知らない、習わない事を沢山教えてくれた。
県民に対する偏見とも取れる文も多々あったが、 自分や周りと照らし合わせるとどれも妙に納得してしまう。
経済事情だけでなく自己啓発本としても良い作品。
ここまで核心に迫る本は県外出身者である樋口さんにしか書けないであろう。

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2024年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

沖縄旅行へ行った時、本屋さんで目につくところに置いてあったし、予てから関心あるテーマだったので、買いました。
沖縄に対する見方や考察、筆者なりの考えや分析が、大変参考になりました。
(特に「沖縄社会は現状維持が鉄則で、同調圧力が強く、出る杭の存在を許さない」というは参考になりました)

また、「他人の関心に関心を持つ」という考えも大いに共感できます。人に無関心な人が増えているように思えるからです。

ただし後半は、事実(ファクト)や数字とエビデンスが薄い中、ご自身の意見や主張を何度も繰り返している為、少し食傷気味になったのが残念です。
誤解を恐れずに自らの意見・考え・主張をズバズバと書いていますが、愛という言葉を多用しすぎている感があり、愛があればなんでも解決できる、とお考えか?と思ってしまいました。

募る思いを伝えたかったのだと思いますが、終盤はヤヤ共感しづらいところもありましたので、1点減点の4点とさせて頂きます。

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2024年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

沖縄で生きている上で腑に落ちる点が幾つもあった。
目立つくらいなら何もしないでいようという雰囲気は小さい頃から常にある。
高校卒業後から10年ちょっと県外に居たが、地域性の違いがこんなにもあるんだなと実感したのを覚えている。
貧困がなくならない理由にこんなにも根深い理由があるなんて考えもしなかった。
沖縄から米軍基地が無くなったら生活困窮者は爆発的に増えるんじゃないかと感じていた部分がこの本を読んで明確化された。
これからの沖縄はどうなっていくのだろう。

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2022年08月25日

Posted by ブクログ

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観光地として大好きな沖縄のリアルな姿を知ってビックリ。しかし、これは、著者が書いてるように沖縄だけの話ではなくて日本全体に言える話なのだと感じた。

自分を信じてない人にこの国を任せてはいけない。
人の関心に関心を持つこと。

沖縄の話ではなくなるが、
著者が記述していた、「自分の関心のパズルに妻の人生をはめ込んでいた。実のところ、彼女が本当はどんな人間か真剣に彼女の関心に関心を持って向き合ってなかった…」
これは、多くの人に当てはまることだと感じたし、実際、私の両親はお互いの関心はないのではないか、と感じた。
自分の本心を「なんくるないさ」と自ら麻痺させずに、自分と自分の大切な人への関心の関心を向き合いたいと感じた。

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2022年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

沖縄は謎が多い。
経済成長が続き、活況。しかし県民所得は最下位。
沖縄人は優しい。しかし自殺率、依存症、教員の鬱、不登校は全国の中でも多い。

基地依存度は5%の嘘。軍用地料、軍雇用者所得、米軍への財サービスの提供、の合計は5%だが、沖縄への新興予算、税制優遇、など基地があるゆえの援助は算定外。
リオンビール、泡盛の税率は安い。オリオンビールの県内シェアは44%。しかし以前は90%だった。泡盛の売上も下がっている。

1995年の米兵少女暴行事件を境に、基地問題が浮き彫りになり、援助が増えた。
1997年に観光振興のために、那覇空港の使用料などが下げられた。第2滑走路の建設、など。
基地依存度は25%~50%にもなる。

所得の低さは非正規の多さによる。43%が非正規。
沖縄は、でき混率、若年出産率、離婚率が全国一。
シングルマザーは若く、賃金が低い非正規にならざるを得ない。那覇の繁華街には、一晩数千円で子供を預かる無認可保育園がたくさんある。
沖縄のコールセンターは、人件費が安い。非正規雇用率が高い。

対症療法は問題解決にはならない。正しく問う。
やる気にさせるのはどうするか、は正しくない。本来はやる気があるはずだ。それを削いでいるのは何か、を考える。
沖縄の根本原因は、日本の根本原因でもある。

クラクションを鳴らせない状態=同調圧力が強い。鳴らすと加害者になる。出る杭の存在を許せない。
お誘いを断れない。模合という頼母子講が残っている。

昇進昇級を望まない労働者=同僚から浮き出たくない。
弱い者いじめではなく、できる者いじめ。なにもしないほうがいい。文句を言う人がいない=優しい社会、に見える。リーダーシップを発揮することの難しさを身に染みている。何もしない部下の方が強い。

定番商品が売れる=選んでいない。自己主張しない。
最上級ではなく、次のクラスの車を買う。
外食は知人の店。昔からの付き合いのある店。地元や知り合いの店を優先する。
不良品でも文句を言わない。
競争が少ないから、他の店に行けない。商品やサービスで差をつけても結果に繋がらない。一流を目指す人は力を発揮しにくい。補助金でスポイルされる=生産性が低いまま。

貧困に支えられている。
イオンは、地場スーパーサンエーに勝てない。メガバンクは琉球銀行に勝てない。4大紙は、沖縄タイムスに勝てない。日経新聞は0.88%。JTBは沖縄ツーリストに勝てない。スカイマークは南西航空に勝てない。キリンはオリオンビールに勝てない。
変わらないことの合理性=保守的な消費者、良い商品でも価格を上げられない。労働生産性は最低水準。人件費を削るが、それに怒らない。低い人件費が企業利益の源泉。身内優先。
経営革新は至難の業。出る杭になる経済合理性が乏しい。有能な人材を排除する仕組み。
都会から帰ってきた沖縄出身者が活躍しにくい。
昇給を望まない、イノベーションに乏しい、現状維持、更なる低賃金を生む。
貧困であることに合理性がある。

自尊心の低さ。利己主義とは違う。できるものいじめによって、能力がある人も発揮できない。部下は上司の呼びかけに対して無意識で無視する。自殺率の高さの原因になる。
「なんくるないさ」は人事を尽くして天命を待つ、の意味から、何もしなくてもOkという意味になった。現状維持が麻薬。
長男問題。失敗が許されない。現状を変えようとしない。沖縄の男性は働かない。長男がダメにしている。女性がクラクションを鳴らせない。
2代目の試練。Bクラス人材は、Cクラス人材を採用しAクラス人材を遠ざける。
男性の未婚率は収入に反比例する。女性は比例する。
サーカスの小象と同じ。抑圧されて表面的には従順だが自己権をを抱えたまま大人になる=自尊心の低さ。

人に関心をもつ、のは、人の関心に関心をもつ、こと。

社会変革はキャンドルサービスのようなもの。一回に付けられるのは一つだが、そのチャンスはたくさんある。

学生が薄暗い教室で電気をつけないのは、とびぬけるのがいやだから。全国的な現象。余計なことはし内容がいい。

沖縄と日本と世界は入れ込構造。沖縄問題は濃縮された日本問題。

労働者の波=労働力不足によって変化が起きる。静かな大津波。
情報の流れが自由になった=2010年頃を境に、沖縄の欠点が浮き彫りになった。
本土化する沖縄経済=経営者が変わってきた。沖縄の既得権者のために獲得した経済援助は、沖縄社会を分解酢つつある。トロイの木馬現象。

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2022年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あまり鵜呑みにしてほしくない。

私の立場は沖縄生まれのナイチャー。
産まれてすぐ内地に来ているので沖縄文化には染まっていない。
親戚付き合いがあり、頻繁に遊びにいくレベル。

その自分から見たこの本の感想は・・・・
100%信じないでほしい。
あくまでもナイチャー(作者の)目線でみた沖縄。

そうなんだ・・・と思うことも、納得する部分もかなり多いが、自分の親戚などをみると全く違う。

・ブランド品を好まず横並び
 これに関して、私の親戚①であるウチナーは大のブランド好きである。
 親戚②の両親は沖縄で1台も走っていない車をわざわざ内地まで買いにきた。
 親戚③スポーツで誰よりも一番になりたいので頑張って一番になっている。
 
 はっきりいってイメージはガメついです。
 貸しをつくるといつまでもグダグダ言うし
 「やってやったさ~」と恩着せがましい。

 ただ、ナイチャー、ウチナー関係なくどこにでもそういう人はいる。

 お金に無頓着とかありえないし、人より目立たず生きる、なんて考えてもいない。
 そこらへんの人と同じように穏便に周りに合わせるのは沖縄もナイチャーも変わらない。

 この本を読んだ結論は、沖縄は日本の縮図である。

 

 
 

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2021年01月12日

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