P.G. ウッドハウスのレビュー一覧
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ネタバレ銀製うし型クリーマー奪還、親友と従姉妹、二組のカップルのゴールインとの使命を帯びたバーティーは、かつて自分を裁いた判事の大邸宅に乗り込むと…。有閑貴族青年バーティー・ウースターと完全無欠執事ジーヴスの非凡な日常を描くシリーズ、長編。ウースター家の掟「友を落胆させるべからず」「女性の求愛を拒絶するなかれ」のために、伯母に親友に従姉妹に次々難題を吹っかけられると知らぬ顔できず、どっぷり胸までスープに浸ることに(笑)。その度にジーヴスの的確な助言が役立って狙った通りには事が運ぶんだけど、結局バーディーがいつも損な役回りをする…この愛すべきマンネリパターンがたまらなく好きだ!今回はジーヴスの(ご主人様に対する)ドSぶりは控えめで、要所要所で比較的まともなアドバイスを与えてるのが意外。今回もバーティーは散々な目に遭ってるのになんとなく物足りない(鬼!)のはジーヴスが大人しめだからか。手ごわいスポードを精神的にとっちめる魔法の言葉をジーヴスに教えてもらったのに、いざ対決する時にど忘れしたのには、爆笑!銀製うし型クリーマーに始まり、親友が未来の義父の悪口を書いた茶色の手帖、巡査のヘルメットをめぐって、各人思い思いに行動するからどんどんややこしくなるのに、最後はスッキリ収束するところはお見事。
The Code of the Woosters/
P.G.Wodehouse(Pleham Grenville Wodehouse)/1938 -
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ネタバレ腐った目から見ると、今回のジーヴスには実にドキドキさせられた。ジーヴスに、というよりは、日本語の表現に、というべきなのかもしれないし、そもそもウッドハウスがねらって表現したのかもしれない、なんて考えるのはバイアスがかかりすぎているだろうか。100ページでバーディーの唇の上に請求権を行使しようとする(という表現)なんて、まさしくそっちか!?と思わせるに十二分だ。・・・まあ、ここは思いっきり表現の問題なのだけど。
常々、バーディーはジーヴスを誉めちぎっているけれど、ジーヴスはバーディーをどう思っているのか気になっていた。いつも頼られ、利用?され、それを恭しく受けるのは、主従関係がなせる技なのか…
今回、「バーディー考えを改める」でジーヴス視点の話があり、大変納得してしまった。ジーヴスは、前から思っていた以上に腹グロで、悪魔的で、策士家で、ドSだ。でもかなりバーディーを気に入っているらしい。
なかなかおいしいコンビですねー -
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主人公バーティーやその友人ビンゴが、賭け事だの想い人への告白だのでおマヌケな行動を繰り返し、執事ジーヴスが事を収める…というパターンの短編連作。
いい意味で予定調和な作品だと思う。
パターン化された話であるがゆえに、安心してハラハラ出来ると言うか、水戸黄門を見ている時の感覚に近い。
正直、バーティーの流され体質とビンゴの調子の良さにイラッとすることが多く、オチまで読むと胸がすいた。
この話の面白さは、二人の滑稽さとジーヴスの有能さのギャップにあると個人的に思う。
ジーヴスはやたらと広い交友関係を駆使して情報を仕入れるし、密かな根回し、買収もお手の物。
全部バーティーのためかと思いきや、ちゃっかり主人よりいい思いをしたりする。
そして執事らしく、主張しすぎない。(服装に関してだけは断固とした態度で、笑ってしまったw)
なかなか魅力的なキャラクターだ。
私でさえそう思ったのだから、執事モノが好きな人はツボだろうなあ。
バーティーもバーティーで軽妙な一人称語りをしてくれるし、古き良き英国の雰囲気が出ていた。
短編を集めた本だが、とあるエピソードが後になって別の話に影響したりして、ちゃんと一冊で一作品になっているのが良かった。 -
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ギャグたっぷりで、ずっと楽しいまま読み終わった。
どんなトラブルも天才的に解決してしまう天才執事ジーヴスは絶対に間違ったことをしない。
雇い主のバーディーが友人から相談を受ける時も「お前にしてもらいたいのはこの話を全部ジーヴスにして、奴がどうすればいいのか聞いてくることだ」と言われるほど。
けど、どんな要望もこなせる天才執事でも、主人の奇抜なファッションだけは許せない。
バーディーが紫のスパッツなぞはこうもんならジーヴスの態度はどことなーく冷たくなり、バーディーがどんなトラブルに巻き込まれても知らん顔。そしてバーディーはスパッツを手放さざるをえなくなる。
このやりとりもまた可愛い。 -
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ネタバレお坊ちゃまバーティー・ウースターと頭脳明晰な完璧執事ジーヴスの普通でない日常を描いた短篇11作。今回もおおいに笑わせてくれる。ウッドハウスのふざけた序文も効いている。短篇タイトル『ジーヴスと迫りくる運命』『シッピーの列島コンプレックス』『ジーヴスとクリスマス気分』『ジーヴスと歌また歌』『犬のマッキントッシュの事件』『ちょっぴりの芸術』『ジーヴスとクレメンティーヌ嬢』『愛はこれを浄化す』『ビンゴ夫人の学友』『ジョージ伯父さんの小春日和』『タッピーの試練』ビンゴ夫人の学友を巡ってのドタバタが可笑しい。女の友情って…^^;Very Good,Jeeves!P.G.Wodehouse1930
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ネタバレバーティーの元に旧友が訪ねてきた。引きこもりのイモリマニア、ガッシー・フィンク=ノトル。いや、彼が訪ねた相手は正確には助言者としての名声高いジーヴスだったのだが。ともあれ友人の恋わずらいに尽力しようという極めて理想的な主従の会話に「英国では不適切な」白いメスジャケットが影を落とし、不穏な雰囲気に。ミスターイモリ氏の恋に、従姉妹の婚約解消、叔母夫婦家の混迷…問題が山積するブリンクレイ・コートで孤軍奮闘するバーティー。アイデア冴えわたる今回はジーヴスに頼らず自力でどうにかできるのか?舞台をロンドンからウースターシャーなるダリア叔母さんの私邸ブリンクレイ・コートへ移した長編。周りのこじれた人間関係に悪戦苦闘するバーティーの語りがメインで、彼の賢明とはいえない作戦と裏目裏目にでる結果が若干冗長で飽きもでてくるが、ダリア叔母さん(なんで妙齢の女性はみなあくが強いのか)達の強烈なキャラと毒舌と問題行動が要所要所でメリハリをつける。あの内気なガッシーにスピーチを押しつけたツケが、『マーケット・スノッズベリーの寵児』のとんでも表彰式!トム・トラヴァース氏が、名もない校長が、そして友人バーティーまでもが吊るしあげられる始末。はちゃめちゃぶりは今作一番の見せ場かもしれない。これだけでも相当な精神的ダメージを受けたであろうハーディーなのに、極めつけは『ジーヴス復活』以降ラストに至る展開。ジーヴス…絶対に、絶対に敵に回したくない男だ。恐ろしすぎ。それでも笑い飛ばせるブラックユーモアが妙味だ。