マウリツィオ・デ・ジョバンニのレビュー一覧
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各分署でクセツヨで持て余されていた者たちが、不祥事を起こして閉鎖間際のピッツォファルコーネ署に集められて……というシリーズ作品の一作目。
これ好き!大好き!キャラがみんな魅力的で最高!!
21世紀の87分署らしいが、87分署を未読なのでどちらかというと「はみ出し者警察小説」という文言で特捜部Q的な感じかと読み始めたら、雰囲気が全然違う!これがイタリア小説!(笑)北欧のあの重苦しいのも好きだけど、イタリアのカラッとした感じも好き!愛と情熱、とてもいい!シリーズ追いかける!
女にモテモテなロヤコーノ警部と親のすねかじりスピード狂のアラゴーナ一等巡査とのコンビも最高だけど、いまんとこ良いとこ -
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ネタバレ久しぶりに読んだ新作なので内容を思い出せるか心配だったが、それぞれのキャラクターがしっかり描き分けられているので、それは杞憂だった。
今回、真面目で正義感が強すぎるが故の怒りを暴力で発散してしまうロマーノが、職場の近くで生後間もない赤ん坊をみつけたことから話が始まる。
いい加減な仕事をすることもなく、裏に回ってあくどいことをするわけでもないロマーノが、その怒りのはけ口を求める言い分が自分勝手すぎて好きではなかった。
ロマーノの気持ちはわかるとして、だから殴られる人はその痛みを我慢しろと?
小さな赤ん坊をその手に抱いた時、ロマーノは初めて小さくてか弱い命を愛おしむことを知った。
重篤な感染症 -
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87分署シリーズのようなものをイタリアを舞台に描きたい作者と、87分署シリーズのような安定したシリーズを懐かしむ読者との融合、といった気配漂う読書時間が嬉しい、本シリーズ新作である。もっと速いペースで次々と読ませて頂けると有難いのだけれど4年目にして三作目というのは少し間が空き過ぎの印象。せっかく印象に残る個性的刑事たちの集まりなのに、今回のように二年も待たされるとさすがにせっかくの個性も忘れてしまうというもの。
さて本書では二件の事件が同時に起こり、それぞれの事件に二組の刑事コンビたちが振られるという、刑事ものの王道みたいなスタートなのだが、87分署を思わせるように刑事たちの個性を重視 -
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ネタバレ今回も事件はふたつ。
同居する兄妹が殺された事件と、父親による中学生の娘への性的虐待。
大きいほうの事件(殺人事件)はロヤコーノとディ・ナルドが担当することに不満を募らすロマーノとアラゴーナ。
しぶしぶ虐待の事実を探りに中学校へ向かう。
ああ、また子どもが被害者なのか…と思ったけれど、それに負けないくらい後味の悪い事件だった。
しかも事件として公にしなかったので、「活躍したい」欲は満たされなかったと思うけど、アラゴーナについては、ますます隠れていた才能が顔を出してきて、面白い。
作品としてはちょっとワンパターンになってきたな。
ふたつの事件が並行して起こり、二班に分かれて捜査。
犯人または -
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ネタバレ大きな事件は10歳の少年の誘拐事件。
所長はロヤコーノに担当させたかったのだけれど、最初に通報を受けたロマーノとアラゴーナに任せることにする。
問題を抱えた刑事たちの中でも一番使えないと思われていたアラゴーナが、意外に勘が良くていい仕事をする。
ロマーノとディ・ナルドは空き巣事件を担当する。
家の中に貴重品はたくさんあったのに、それに手を出さずに金庫の中から何かを盗み出した空き巣。
しかし被害者は、金庫の中に価値のあるものはないと言う。
今回誘拐された少年が健気でねえ。
周りの大人たちがみんな自己中なのに、人を信じて、辛いことも我慢して、約束は守って…。
彼が熱を出した辺りから、気がせいて -
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イタリア版”87分署シリーズ”との触れ込み。
エド・マクベインの”87分署シリーズ”は読んだことはないのだけれど、組織のはみ出しもの達が集められるところに始まり、あちらの事件とこちらの事件を同時に扱って行くという、よくあるといえばよくあるタイプの設定。
最近でいうと『特捜部Q』とか『パリ警視庁迷宮捜査班』を彷彿とさせる。
パルマ署長以下7人の癖あり、ワケあり警官達がとっても魅力的。
基本は彼らの視点に入れ替わり立ち代わりしつつ、事件の真相を追って行く形。
ときに第三者視点の「五月を信用してはならない」というキラーワードのリフレインを含む詩的な語りで外側から緊迫感を高めたり、終盤には同様に「警 -
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21世紀の87分署シリーズなどと言う声があれば読まざるを得まい、ということで手にとったイタリアの警察小説。一応主人公めいた設定の人物はいるもののほぼ全ての警官が主人公になり得る形式の警察小説。本作品では押収した麻薬を横流しした結果、刑事の全員が逮捕、解雇され引責で署長も辞任したナポリの治安の悪い地域~いちおう架空となっている~にある警察署を舞台としている。そのような理由なので名前を聞くだけでも皆が顔をしかめるような状況。若手でやる気のあるキャリアが志願して署長として赴任してきたが穴埋めに異動してきたのは全員が曲者というか元いた署では持て余されていた者~反社勢力とつながりがあると噂され有能だが浮
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ネタバレイタリアミステリーがたくさん読めるようになってきた。
『パードレはそこにいる』がとても面白かったし、カルチョと自転車ロードレースを通してイタリア好きなのでうれしいのだが、
ミステリーとしてはどうも解決編が雑に思えるものが多く、またすぐに男女目線で相手をみて、即恋に落ちるという場面がご愛敬というか特徴的でこれは仕方ないのかと思っていたら、わりと英米北欧好きにも読みやすいものがでてきた感がある。よしよし。
署長がいいやつでよかったのと、犯人が意外性があってよかった。心情的に納得できる結論でした。
ナポリといえば荒っぽいことで有名。マラドーナは永遠のアイドル。
神父さま、おゆるしを。。
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刑事小説の金字塔として今も燦然と輝き続けるエド・マクベインの87分署シリーズは、後世の作家に影響を与えるものと想像しているが、本書により日本デビューしたイタリア人作家マウリツィオ・デ・ジョバンニはシリーズの開始にあたって、最初にマクベインへの謝辞を捧げている。
本書はイタリアはナポリを舞台にして現代の87分署とも言うべきものを意図した新しい作家による新しい警察シリーズである。実は87分署シリーズは、1956年でぼく自身と同じ誕生年となる。マクベインと直にお会いできた幸運により当時の新作『ララバイ』と『ダウンタウン』にサインを頂きお話させて頂いたのは早川書房の社屋でのことだった。なので、こ -
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はみだしっ子分署シリーズ、4巻目。
今回は分署イチの暴れん坊気質ロマーノが
ゴミ置き場で赤ん坊を見つけちゃって
しかもその子があやうく死にかけで
もうめちゃくちゃ愛情傾けて
保護者探しに奔走します。
一方、その対極のようなチャラ男アラゴーナ。
近所のガキんちょに「腕利きの刑事」なら
迷子の仔犬を探してくれよ!と泣きつかれ
まんざらでもなく捜査開始。
赤ん坊と仔犬。守られるべき存在。
どっちも問題のある刑事たちの
人としての根っこの部分の温かさがみえて
ますますシリーズに愛着湧いてきた。
隣のサイコパスがついに
本筋の事件に関与か!?と思わせて
実は微妙に平行線上の別件とか…ヒヤヒヤ。