マウリツィオ・デ・ジョバンニのレビュー一覧
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今回、同時並行するのは
兄妹が惨殺された殺人事件と
児童虐待疑惑の解明事件のふたつ。
めっちゃ頑張って事件に対応してるのに
いつまでたってもお偉方は
P分署を取り潰そうとネチネチ言ってくる。
確かにそれぞれ問題児ではあるけど
警官としての矜持だけは持ち合わせてる!
3冊目ともなると
そんな彼らの人生が幸せな方へ
向かって欲しいと思うようになるわ。
読者だけが知っている
隣のサイコパスも心配ですが( ̄▽ ̄)
もちろん謎解きの方の要素もしっかり。
刑務所帰りの父親とか、DV疑惑の妹の彼氏とか
何人かいる容疑者の
どの動機も決定打に欠ける中…
とはいえやっぱり引き金になった
出来事はあったわけ -
購入済み
はみ出し者の寄せ集め
こういう設定、好きな人多いよね。まさに、そんな人うってつけ。でも、なんか解き明かすって感じじゃない。結末への持ってきかたも今ひとつで盛り上がらない
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Posted by ブクログ
警察小説。
87分署(読んでない)の流れをくむ?謝辞に「とても真似のできない理想像 エド・マクベイン」とある)
同じ系統の作品とされるマルティン・ベック シリーズに比べると、あっさり。日本の小説雑誌に連載で掲載される警察小説の風味。軽くて読みやすかったが、メインとなった殺人事件の結末はちょっと物足りなかった。
主人公のロヤコーノが魅力的な女性たちにモテているところはいい。中国人みたいなアーモンドアイというのも、想像するとかっこいい。
ナポリが舞台というのもいい。イタリア好きとして、風景・情景描写、人物描写、人物の心理描写、つまりどこを読んでも心ときめく。
英語版からの重訳。ときどきイタリ -
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<P分署捜査班>シリーズの2冊目。
今度は、前作とはペアが異なり、メインとなる誘拐事件にロマーノとアラゴーナ、奇妙な空き巣事件をロコヤーノとディ・ナルドという組合せで捜査が進む。
前作で彼らを含めた分署のメンバーの人となりや事情は分かっているが、新しい組合せでちょっとした別の一面が見えてくるのが一興。副署長がこだわり続ける一連の自殺案件にもちょっとしたサスペンスあり。今回も結構面白く読んだ。
前作同様、彼らの個人的な事情や悩みを読んでいる内に事件は解決していった感じだが、“問題のある警官たち”ではあるが、皆、警官としてはなかなか有能なのである。 -
Posted by ブクログ
「おすすめ文庫王国2022」の「冬休みに読みたい!おすすめシリーズ(ミステリー)」で推されていたので買ってみた(とっくに冬休みは終わっているけどね)。
ナポリでも治安最悪の地区にあるピッツォファルコーネ分署で、汚職により捜査課に大量欠員が発生。そこで各地から腕利きだが問題のある警官たちが送り込まれ、急造で捜査チームが結成される…というところから始まるお話。
敏腕であるが独自の捜査方針を貫いて左遷されたロコヤーノ警部、暴力衝動を抑えられないロマーノ巡査長、度を超えた銃器好きのディ・ナルド巡査長補、コネ就職でスピード狂のアラゴーナ一等巡査という面々に、新任のパルマ署長、不審な自殺を調査し続ける -
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今回も、同時並行する2つの事件を
それぞれのチームが捜査して
別々に解決するんですね。
でも、誘拐事件の方が時間との勝負だから
空き巣事件担当のロヤコーノたちが
あっちは大丈夫か…なんて
頭の端で心配しながら動いてるのが
群像刑事部屋っぽいな。
1巻でサラッと紹介されていた
各キャラの私生活の悩みも
ぐっと掘り下げられているし。
…すごい近くにサイコパスいるし…
そっちも気になる。
軽くネタバレになるけど
誘拐の方の真犯人がつい口にした
「犯人しか知り得ない情報」
あとから読み返して悔しかったです〜。
ほんまや〜。スルーしてたわ〜。
ちょっとモヤモヤする結末なので
また続きも訳してほしい -
Posted by ブクログ
マウリツィオ・デ・ジョバンニのイタリア警察P分署捜査班シリーズ第2段(邦訳版として)です。2013年(邦訳版2020年)に''集結''が刊行され本作も2013年(邦訳版2021年)刊行です。
ナポリにあるピッツォファルコーネ署のP分署は、イタリア各地の警察署から訳あり捜査官を寄せ集めた除け者集団で、それぞれが問題を抱えている。
・副署長ピザネッリの妻カルメンは自殺したが自殺者の急増にピザネッリは疑問を抱き独自捜査をしていたが、犯人は友人の修道院の院長レオナルドなのだ。(今回の事件とは関係有りません)
・ロヤコーノは、離婚し別居。今は母親と仲 -
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イタリア市警のロヤコーノ警部は、単独捜査だが凄腕刑事で上司から疎まれ閉鎖寸前のナポリ、ピッツォファルコーネ署、通称P分署に飛ばされた。捜査班の面々は、スピード狂で市長の縁故アラゴーナ・拳銃マニアの女性刑事アレックス・不祥事を起こした刑事の元同僚でコンピュータに詳しい女性刑事オッタヴィア・暴力的なロマーノ刑事と定年間際の副署長ピザネッリだ。
早速事件発生、公証人フェスタの妻が自宅で殺された。妻のコレクションのスノードームで殴り殺された。
一方で半身不随の老婆から不審な家が有ると P分署に通報が入った。不審なアパートは老婆の向かいで女性が監禁されている様だと。
本作は、イタリアではP -
Posted by ブクログ
21世紀の87分署。そんなシリーズが始まって二年目。最初の頃の本家87分署シリーズは、確か年間に三作ほどのハイピッチで出版もスタートしていたが、徐々に年二作となり年一作となってゆく。しかしページの厚みは時代の流れとともに増して行った。生活スタイルの推移や、世相や思想の変化などが、取り扱う事件にも徐々に変容を強いてきた感がある。
でも人間の罪業に、きっとあまり変化はないのだ。愛、嫉妬、憎悪、物欲、激情、その他。人間の愚かさも誠実さもひっくるめて、都市に営まれる悲喜こもごもの愚かな人間たちのやりとりも誠実な人間の人生も、そんなには変わらないのだ、きっと。
無論、捜査手法には科学技術の進歩