マウリツィオ・デ・ジョバンニのレビュー一覧
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天然酵母を使い続けているパン屋の店主が早朝に銃殺された。マフィア絡みを疑う対策班と対立することになったP分署のメンバーは……。
それぞれのプライベートも大きく動くシリーズ5作目。
今作も最高!
今回も二つの事件が同時進行で語られつつそれぞれのプライベートをじっくり描いていくスタイル。
とりあえずロマーノ!!良かったなぁ。私は嬉しい。
ピザネッリが追っている事件が真相に近づいていてドキドキしたり、ロヤコーノはとりあえずそこに正座すべし、と思ったり(笑)
モテすぎやろマジで→
アレックスの成長にニマニマしながら読んでたらアラゴーナよ……ってなったり、ほんま感情が忙しい。
ラウラのラストにはびっくりやし……私はやっぱりレティツィア一択やなぁ。
次は6巻……翻訳されますように……ッ!! -
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別居中の妻への想いに悩むロマーノ刑事はP分署近くのゴミ集積所で生後間もない赤ん坊を見つける。
赤ん坊の親探しから始まった事件はとんでもない方向に進んでいき……
キャラ立ち最強のシリーズ4作目
今作はロマーノの変化がとても良い。あと、アラゴーナ!なんだかんだでいい奴なんだよなぁ……いいねぇ。
事件はなかなかヘヴィ。というか、シリーズ内で一番驚いた。
P分署メンバーがそれぞれ幸せになりたくてもがいている様がとても良い。あ、私は俄然レティツィア派デス(笑)
解説で若林踏氏も書かれているが、この作品、「現代の海外警察小説の入門書」としてマジでオススメ。
キャラが立っている&分量が少なめ&シリーズ5作目が出たところで追いつきやすい。
個人的にイタリア小説らしい(?)明るさと乾いた感じもマル。 -
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二重殺人と女子中学生の虐待問題。今作でも二つの事件が同時に起こり、P分署メンバーは二手に分かれて調査を開始する。
シリーズ通しての偽装自殺事件にも動きが見えるシリーズ3作目。→
タイトル通りとにかく作中が寒い季節で、今(2月)に読むのにピッタリだった(笑)寒い〜!!
今作は事件が起こってからの捜査だからか、わりとプライベート重視(笑)それぞれになかなか華やかな話題があって楽しい。それにしてもロヤコーノがあまりにも頑固親父なのはいかがなものかと思いつつ、
イタリアは家族第一主義だっけな?とも思ったり。いやでももうちょい娘を信用してやれ??
二重殺人事件は犯人側の理由が好み。そりゃ、ツライわ。
このシリーズ、ベースに家族問題があるので、ツライよなぁ……と感じつつ次に行こ。 -
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真昼間の美術館から十歳の少年が消えた。P分署からロマーノとアラゴーナは誘拐事件として操作を進める。一方、ロヤコーノ警部はアレックスと調べていた空き巣事件に奇妙さを感じていて……シリーズ2作目
「21世紀の87分署」と名高いイタリア発ミステリのシリーズ2作目。
前作に続いてそれぞれのプライベートがしっかりと描かれ、事件そのものよりむしろそちらが楽しみなシリーズ。
あと、今回は合間に入る詩的な表現がとても良き。好き嫌い分かれそうだけど、私は好きだなー。→
ラストは衝撃。これ、国内作品でやるとまぁまぁ批判されそうな……いや、(最近の国内ミステリあんまり読まないから)知らんけど。
海外ドラマ風で、かなーりびっくりした。
3巻に続くのかと思ったらそうではなく、あの終わり方が著者的にエンドマークみたい。なかなかすごい。余韻がある。 -
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各分署でクセツヨで持て余されていた者たちが、不祥事を起こして閉鎖間際のピッツォファルコーネ署に集められて……というシリーズ作品の一作目。
これ好き!大好き!キャラがみんな魅力的で最高!!
21世紀の87分署らしいが、87分署を未読なのでどちらかというと「はみ出し者警察小説」という文言で特捜部Q的な感じかと読み始めたら、雰囲気が全然違う!これがイタリア小説!(笑)北欧のあの重苦しいのも好きだけど、イタリアのカラッとした感じも好き!愛と情熱、とてもいい!シリーズ追いかける!
女にモテモテなロヤコーノ警部と親のすねかじりスピード狂のアラゴーナ一等巡査とのコンビも最高だけど、いまんとこ良いところしか見当たらないパルマ署長とシゴデキ影ありワーママのカラブレーゼ副巡査部長とのペアもいいし、DV気質のロマーノ巡査長と意外な趣味を持つディ・ナルド巡査長補はお互いこれからいい感じで変わりそうだしピザネッリ副署長の今後に目が離せないだろ???
うわぁぁぁ!最高のメンバー!!
事件がややこしくないのもいい!事件の謎とキャラの人物造形との配分がとても好み。
いいシリーズと出会えたなぁ。これから読んでいくのが楽しみすぎる! -
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先日、久々にこの警察小説の最新作を読み終えて、気づいたのはその前の一作を抜かしていたこと。というわけで直後に、忘れないうちに本書を取りあげ二日で読み終えた。忘れないうちに、というのは一年も間が空くと確実に刑事たちの名前や特徴や関係性などはかなり忘れてしまうからだ。
87分署を読んでいた頃は刑事の特徴がけっこう際立って、ユーモラスな部分もあったり、途中で殉職したりと、まあ『太陽に吼えろ』などを思い出して頂ければよいと思うが、出版も年一度ではなく数か月に一度という形でハヤカワ文庫は翻訳を進めていたためもあるので、刑事たちの特徴や運命などはあまり忘れず前作を引き継ぐことができた。いや、それ以上に自分も若かったし、古く一作目に遡って一気にどんどんシリーズ読みをしていたということもあったから圧倒的に古いシリーズは有利だ。警部がロヤコーノで巡査長がロマーノでどちらも重要人物なのだが名前の区別がつきにくいというのも不利だ。
さてつらつらと苦情から入ったものの、出来損ないや問題児ばかりを集めた分署ものというのは、ある意味個性豊かでやはり面白い。今回はアラゴーナのごり押しな個性が相当目立ったかなと思う。若手の問題児なのだが、図々しさと前のめりな態度がネガティブになる点が多かったように思うが今作ではいい意味での責任感という形になっていて、彼のごり押しがなければ事件は終結しなかったかもしれない、くらいに思えた。
また、刑事や検察のつきあいが日本に比べて深いような気がするが、本シリーズでもある刑事とある検事の間で微妙な個人的関係が継続しており、この二人に今後どのような転機や行く末が訪れるのかも気になる。
遅くなったが、本書は、捨てられていた赤子が発端となり、その裏に移民の問題が浮かび上がる。ウクライナからの移民であるが、時代背景が現在ではないためロシアとの戦火などの問題はこの時点では取り上げられてはいない。
いずれにせよ、アメリカの警察小説と違って、日本並みの面積を持つイタリアというさして大きくはない国家の一都市にある警察分署を舞台にしていながら、近隣諸国との国際的関係を背景にして、我々があまり接する機会のない国や街(イタリアの中でも特徴があるナポリの小さな町らしい)に生きる人々をスケッチしつつ、問題児と呼ばれる刑事たちが掃き溜めのように集められ、しかもそのそれぞれの個性で活性化している本シリーズ、頑張って翻訳次第どんどん出版して頂きたいところだ。 -
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ネタバレ久しぶりに読んだ新作なので内容を思い出せるか心配だったが、それぞれのキャラクターがしっかり描き分けられているので、それは杞憂だった。
今回、真面目で正義感が強すぎるが故の怒りを暴力で発散してしまうロマーノが、職場の近くで生後間もない赤ん坊をみつけたことから話が始まる。
いい加減な仕事をすることもなく、裏に回ってあくどいことをするわけでもないロマーノが、その怒りのはけ口を求める言い分が自分勝手すぎて好きではなかった。
ロマーノの気持ちはわかるとして、だから殴られる人はその痛みを我慢しろと?
小さな赤ん坊をその手に抱いた時、ロマーノは初めて小さくてか弱い命を愛おしむことを知った。
重篤な感染症にかかっていて命の危機に瀕している赤ん坊に、ロマーノは別居している妻の名・ジョルジャをつけた。
母親と思しき若いウクライナ女性の死体が発見され、ロマーノは来る日も来る日も病院に通い小さなジョルジャの安否を心配しながら捜査に励む。
この事件については、割と早いうちに犯人はわかりましたが、とことん自分勝手でしたね。
母親のララは何の否もなくて、誰からも愛されていて、美人すぎるけれど心根のとてもいい人…だから殺されてしまったんだなあ、神様。
ロマーノは別居中の妻と復縁できるのか、ロコヤーノは父として生きるのか男として生きるのか、アレックスの失ったものの大きさと、アラゴーナの今回の事件に対する過剰な評価の行方が気になります。
しかしこのシリーズ、イタリアが舞台とは思えないくらい、いつも寒そう。 -
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87分署シリーズのようなものをイタリアを舞台に描きたい作者と、87分署シリーズのような安定したシリーズを懐かしむ読者との融合、といった気配漂う読書時間が嬉しい、本シリーズ新作である。もっと速いペースで次々と読ませて頂けると有難いのだけれど4年目にして三作目というのは少し間が空き過ぎの印象。せっかく印象に残る個性的刑事たちの集まりなのに、今回のように二年も待たされるとさすがにせっかくの個性も忘れてしまうというもの。
さて本書では二件の事件が同時に起こり、それぞれの事件に二組の刑事コンビたちが振られるという、刑事ものの王道みたいなスタートなのだが、87分署を思わせるように刑事たちの個性を重視するシリーズなので、事件そのものよりも、群像小説特有の社会派人間ドラマといったところが真の読みどころなのかなと思わせる。個性とはそのためにあるもので、それぞれが活き活きと現実に近い人生の時を過ごさねばならないし、それを本シリーズはしっかり実現させているのだ。そう、元祖87分署シリーズのように。そして読者に彼らは巻を重ねる毎に愛されてゆかねばならないだろう。そしてそれは本書でも上手に良い方向を辿っているように思われる。
87分署でもニューヨークではなく架空の大都会アイソラを舞台にしているように、イタリアで蘇ったこの警察シリーズも架空の町の架空の分署を舞台としている。87分署との違いは、P分署が、他の警察署で問題になった刑事ばかりが集められたような掃きだめのような場所であるところにある。そして隣接する警察署はこのP分署が自壊してなくなることを端から予想していることだ。
毎作のようにこの分署が潰されないように、そんな原因を本署に与えないために、問題児とされた個性的な刑事たちが力を合わせて頑張るのである。言わばダメ男ダメ女たちのそれぞれの生き残りを賭けた立ち直りと復活を賭けたドラマとしての側面が大きいところが、正統派であった元ネタの87分署とは異なる部分である。その分だけそれぞれのキャラクターは、より問題や悩みを抱えており、その内なる部分の描写に費やされる作者の志向はかつての87分署とは似て非なるものと言っておきたい。
さて、本書ではアパートで発見された兄・妹二人の惨殺死体が主たる事件である。一方で父親からの性的暴行が疑われる少女の作文について学校より真偽を確認してほしいというサブ的事件の捜査も進行する。それぞれの捜査に振り分けられた刑事たち。彼らをサポートする署の捜査官たち。虎視眈々と彼らの失策を観察しようとする市警本部や、一作目から副次的に進んでゆく犯罪に手を染める謎の黒い神父。長いシリーズならではの大小の波を継続させながらシリーズは、徐々に加速を加えつつある。
本当を言えば、毎月一冊くらいずつ読みたいシリーズである。そこまで縮めろとは言わないけれど、是非、ガンガン出してくださいますよう頑張ってください、創元さん! ちなみに87分署シリーズには『熱波』があるので、『寒波』の邦題は大変良かったと思います。 -
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ネタバレ今回も事件はふたつ。
同居する兄妹が殺された事件と、父親による中学生の娘への性的虐待。
大きいほうの事件(殺人事件)はロヤコーノとディ・ナルドが担当することに不満を募らすロマーノとアラゴーナ。
しぶしぶ虐待の事実を探りに中学校へ向かう。
ああ、また子どもが被害者なのか…と思ったけれど、それに負けないくらい後味の悪い事件だった。
しかも事件として公にしなかったので、「活躍したい」欲は満たされなかったと思うけど、アラゴーナについては、ますます隠れていた才能が顔を出してきて、面白い。
作品としてはちょっとワンパターンになってきたな。
ふたつの事件が並行して起こり、二班に分かれて捜査。
犯人または犯人と思しき人物のモノローグが差し挟まれる。
そしてP分署の署長を含めた7人の捜査班のプライベートな問題についての記述。
群像劇だから、それぞれのエピソードは必要だと思うけど、毎回毎回均等に描写しなくてもいいと思う。
結構な分量になるのよ、事件外の話が。
5日で犯人を逮捕って結構な早業だと思うけど、モノローグやら個人的エピソードが入ってくるせいで、どうも冗漫に感じてしまう。
で、結局ロヤコーノの恋は進展しないし、ディ・ナルドと父親の関係も一向に変わらない。
一番問題なのはロマーノで、なぜ妻が家を出ていったのかを理解していない。
理解できないから反省もしない。
世間の無理解で自分が辛かったんだから、暴力ぐらい受け入れろって言ってるようなものなのに、それに気づいていない。
もしほかの人がそんな事を言おうものなら、激怒するくらいの正義漢なのに。
それぞれの問題を、少しずつ解決するように話を進めてほしいと思いつつ、副署長の体調(治療拒否している進行性の癌)については、どうしたらいいのか私にもわからない。
病気だと職場に知れたら退職させられるって、イタリアってそうなの?
あと、前作を読んだときにも思ったのだけど、イタリア寒すぎ。
ナポリで凍死者のイメージないわ。
昼過ぎにようやく零℃を超えるって、寒すぎやろ、11月に。
ネットで調べたけど、さすがに平均気温はそんなに低くはないらしい。
多分記録的な寒波がやってきた年、ってことなのだろうけど。 -
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ネタバレ大きな事件は10歳の少年の誘拐事件。
所長はロヤコーノに担当させたかったのだけれど、最初に通報を受けたロマーノとアラゴーナに任せることにする。
問題を抱えた刑事たちの中でも一番使えないと思われていたアラゴーナが、意外に勘が良くていい仕事をする。
ロマーノとディ・ナルドは空き巣事件を担当する。
家の中に貴重品はたくさんあったのに、それに手を出さずに金庫の中から何かを盗み出した空き巣。
しかし被害者は、金庫の中に価値のあるものはないと言う。
今回誘拐された少年が健気でねえ。
周りの大人たちがみんな自己中なのに、人を信じて、辛いことも我慢して、約束は守って…。
彼が熱を出した辺りから、気がせいて気がせいて、早く助け出してあげてと祈るような気持ちで読んでいた。
子どもが被害者って、ほんと嫌。
事件の真相は救いのないもの。
結果の救いのなさよりも、発端の救いのなさに愕然とする。
ネタバレになるから、これ以上書けないのが辛い。 -
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イタリア版”87分署シリーズ”との触れ込み。
エド・マクベインの”87分署シリーズ”は読んだことはないのだけれど、組織のはみ出しもの達が集められるところに始まり、あちらの事件とこちらの事件を同時に扱って行くという、よくあるといえばよくあるタイプの設定。
最近でいうと『特捜部Q』とか『パリ警視庁迷宮捜査班』を彷彿とさせる。
パルマ署長以下7人の癖あり、ワケあり警官達がとっても魅力的。
基本は彼らの視点に入れ替わり立ち代わりしつつ、事件の真相を追って行く形。
ときに第三者視点の「五月を信用してはならない」というキラーワードのリフレインを含む詩的な語りで外側から緊迫感を高めたり、終盤には同様に「警官に訊くと、こんな答えが返ってくるだろう」のリフレインで結末までの駆け込み感を盛り上げる趣向あり。
本作はシリーズ2作目だが、解説に掲載されている作品リストを見ると原作は10作品ほど出版されている模様。
後の作品への展開を大いにちりばめており、ともすると三角関係に発展しそうな恋模様あり、百合色あり、DVの影あり、へらず口若手警官の身の上の謎あり、相次ぐ自殺者の謎を追う副所長と親友の神父(実は犯人ということまで最初に明かされている)との行方への不安ありと未解決エピソードがてんこ盛り。
とっちらかり感も感じなくはないのだが、それよりもキャラクター達の魅力が勝っているため、次作以降へ期待が高まるシリーズ。
川出氏の解説にもあったが、本書で扱っているタイトルにもなっている誘拐事件そのものの結末がなんとも言えない。
続きがあるのか、あえての象徴的シーンでの締めくくりだったのか次作でのフォローも気になる。