永田希のレビュー一覧

  • 積読こそが完全な読書術である

    Posted by ブクログ

    (01)
    さしあたり最新の読書論として愉しく読むことができる.書店で購入した後,積んでおくことなく,即,読んでしまった.
    本書で用いられる隠喩(*02)のひとつに建築的な言い回しがある.同様に建築的に譬えるのであれば,本書は,間口は広く,奥行が深い構成をもっている.タイトルに読書「術」としてあるように,読むことや積むことの技術のほかに書物がもつ魔術性についても触れているが,ハウ・ツーの体裁をもって読者に広い間口を通じて呼びかけ(*03)てくる.
    しかし,広い間口に誘われ,この書物に入り込んだところで,それなりの奥行の深さがあることに気が付き,嬉しくなる.書物の害悪をめぐってソクラテスとプラトン

    0
    2020年04月29日
  • 再読だけが創造的な読書術である

    Posted by ブクログ

    ・前作に続けて読みました
    ・表紙がなかなかにくい演出で、タイトルと表紙でさっそく再読させてくる演出にまず痺れました
    ・どこで読むのをやめても構いません。好きなときに好きなときにやめられるのが読書の本質

    ・マッチングアプリと同じように、自分にとっていい本と出会うため、より多くの本を読み捨てることは必要なこと
    ・再読とは、本と本、言葉と言葉のネットワークを再構築すること、テラフォーミング
    ・古典は時代を超えて読み続けられる価値があったもの、ある意味人類が再読し続けているもの

    0
    2025年09月27日
  • 積読こそが完全な読書術である

    Posted by ブクログ

    大量の情報があふれる現代、「積読」はうしろめたさを覚える必要などなく、むしろビオトープ的に興味のある本を積んでおくことのメリットを説くユニークな切り口の一冊。古典的な読書論などを引いてきたあたりからやや冗長に感じられて、個人的には後半は今ひとつ。

    0
    2025年06月06日
  • 書物と貨幣の五千年史

    Posted by ブクログ

    論旨が難解であまりちゃんと理解できていないが、この著者の本はいい意味でタイトルから予想した内容を裏切ってきてぜんぜん違う内容なので思わぬ発見がある。引用している本をいくつか読んでみたくなった。

    0
    2025年01月26日
  • 再読だけが創造的な読書術である

    Posted by ブクログ

    新しい分野に挑戦する際に、過去に読んだ関連する本を再読することで理解が深まる
    例:中国史を学ぶ前に三国志を読み直す

    0
    2025年01月12日
  • 積読こそが完全な読書術である

    Posted by ブクログ

    展覧会で気になる絵だけを選んで眺めるような「絵画的読書」という言葉が気に入った。
    定期的にコレクション(積読本)を入れ替えるのが楽しそう。

    0
    2024年11月10日
  • 積読こそが完全な読書術である

    Posted by ブクログ

    本を完全に理解して自分のものにする、完全な読書なんて無理だから、流し読みでも目次だけでも、あるいは積んでいるだけでもいい。情報過多の全国民総積ん読状態にあって、自分なりの積読のビオトープを作ればいい。……という積読推奨本を積読せずに読んだ。積読の山も定期的に見直して手放す、入れ替えるなどのメンテをしよう。

    0
    2024年07月30日
  • 書物と貨幣の五千年史

    Posted by ブクログ

    「書物と貨幣の五千年史」とあるが、タイトル通りの書物や貨幣についての歴史の本ではない。
    著者はブラックボックス(不可視化されたもの)について一冊を通して歴史をたどり説明していて、その代表として書物や貨幣を挙げている。

    経済、社会、文学、マンガ、物理などさまざまな分野から人類史とブラックボックスについて語られている本書は本論がわかりにくく理解する難易度はかなり高いと感じた。

    個人的に情報(書物やデータなど)はものごとを可視化してわかりやすくするものという認識だったが、そもそも「数」や「文字」がブラックボックスでありそれによって表されるものもブラックボックス(=不可視)になっていると筆者は主張

    0
    2024年07月15日
  • 積読こそが完全な読書術である

    Posted by ブクログ

    # 積読とは世界に一つだけのブックマーク群であり、情報テリトリーである

    ## 面白かったところ

    - 積読の期限や歴史、名著からの引用を元にした論理展開は凄まじかった

    ## 微妙だったところ

    - 各章の話の飛び方が尋常じゃなく、例えも高尚なものばかりで小難しい

    - 積読に対するとてもわかり易い、後ろめたい感情の1つが「身銭を切って購入したものだから」というものがあると思うが、論及がなかった点

    ## 感想

    「情報の濁流」という表現をなされていたように、我々は堰が切られた直後の流れような時代を生きている。

    情報の良し悪しを選別し、自分だけの確かな情報リソース群(ビオトープ)を作成・管

    0
    2023年10月14日
  • 積読こそが完全な読書術である

    Posted by ブクログ

    全体的な評価は星2でしたが

    バイヤールの「完全な読書は不可能な理想にすぎない」というフレーズにハッとさせられたので

    星1つアップです。(^^;;

    0
    2023年10月10日
  • 再読だけが創造的な読書術である

    Posted by ブクログ

    永田希(1979年~)氏は、米国コネチカット州生まれの著述家・書評家。書評サイト「Book News」を主宰し、「週刊金曜日」、「週刊読書人」、「図書新聞」、「HONZ」等でも執筆している。
    本書は、『積読こそが完全な読書術である』(2020年)の続編とも言えるものであるが、『積読~』の主張は、(私なりに要約すると)「読書において最も重要なのは、世の中にある本を手当たり次第に読むことではなく、自分なりのテーマや基準で選択し、常に中身(関係性含め)を確認しつつ入れ替えなどのメンテナンスも行う蔵書(=ビオトープ的積読環境)を持つことであり、本を読むという行為はその延長線上にあるべき」というものであ

    0
    2023年04月11日
  • 積読こそが完全な読書術である

    Posted by ブクログ

    書評家って凄い。
    こんなに文章の中に、書名を良くも詰め込めたものだ。
    しかし、脱線に次ぐ脱線で読みにくい。本の紹介がクセになるとこんな文章しか書けなくなってしまうのか。

    0
    2022年09月26日
  • 積読こそが完全な読書術である

    Posted by ブクログ

    積読をどう消化するのかという点は触れられてなく、むしろ積読を推奨する本。

    結局積読に何も悪いところはなく後ろめたさややましさも感じる必要はない。たくさん本を買ってビオトープ的積読環境を構築するということに尽きる。

    この本から色々と読みたい本をいくつかピックアップできた。後半に掲載されている参考文献もとても良い。

    0
    2022年09月11日
  • 書物と貨幣の五千年史

    Posted by ブクログ

    電子決済は現金のやり取りを、電子書籍の普及は書店で本を買うという行為を不可視化しました。現代に至るまで、技術の進歩は多くのことをブラックボックス(BB)化してきました。BB化した社会をどのように捉えて生きていくかということを論じた(哲学的な)本です。

    BBを逆に辿って解体していき(リバースエンジニアリングの手法)起源を解き明かしていく態度が正しいのか、BB化され便利になった環境をそのまま受け入れて生きていくのがいいのか、正解はわかりませんし正解はあるのでしょうか。

    超大企業の中で働いているけど自分の労働の理由がわからずクソ仕事だと思って仕方なく働いている(=ブルシットジョブの)人たちがBB

    0
    2022年07月30日
  • 積読こそが完全な読書術である

    Posted by ブクログ

    読書術というよりも現代の情報の濁流対処の指南書と言える。

    「本を読む本」「読んでいない本について堂々と語る方法」「読書について」の3冊の有名な名著から非常に多くの引用がある。

    第三章
    読書術は積読術でもある
    の、「音楽的積読」と「絵画的積読」が良かった。
    「理科系の読書術」に言及しながら、積読を音楽で比喩する。

    0
    2022年03月23日
  • 書物と貨幣の五千年史

    Posted by ブクログ

    現代人の行動や身の回りの物や手続きがブラックボックスと化していることを考察している一冊。
    書名にある書物や貨幣はブラックボックスについての取っ掛かりとして電子書籍と電子決済を例に扱われ、その後はブラックボックス全体の話に移り変わっていきます。
    書物と貨幣の歴史書かと思い手に取りましたが、内容の趣向が違っていたようです。
    前半は歴史的変遷を、後半はSF小説や漫画・アニメを取り上げて話を進めていきます。
    現代社会の仕組み全体は、大きなブラックボックスと小さなブラックボックスによる入れ子構造となっています。
    ブラックボックス一つを構成している組織や個人は複雑で、どこかでエラーや欠損が起きた場合の修復

    0
    2021年12月26日
  • 書物と貨幣の五千年史

    Posted by ブクログ

    他著書だが書物は「人類と哲学」、貨幣は「未来に先回りする思考法」で興味をもち、これら合わせたテーマなので読んでみた。

    0
    2021年09月29日
  • 積読こそが完全な読書術である

    Posted by ブクログ

    無職になって読書が捗る。哲学の劇場で読書について語られていて、それから読書のハードルが下がり、今月はよく本が読めている。この本も読書についての本で、今月になって読んでいる本とリンクスする点も多く、興味深く読めた。アドラーの点検読書というのは、ポストトゥルースの時代には一番嫌われるものだと思うけど、そこを恐れず読んだ(しかし未読)の本について語る勇気を持ちたい。

    0
    2021年06月08日
  • 積読こそが完全な読書術である

    Posted by ブクログ

    自分だけのビオトープ。積読に対する引け目は解消されるが、この本そのものが、何か積読したくなるくらい、著者の自己中毒的な論の展開のパートもあり、気になる。積読も不完全な読書の集まりなら、やっぱり不完全なのでは?

    0
    2021年01月22日
  • 積読こそが完全な読書術である

    Posted by ブクログ

     ずっと気になってはいたけど、積読しまくっている自分がこの本を読むのは自己弁護っぽすぎないか…?と思ってチラ見するに留めていたが、ついに読んだ。

     積読を2通りに大別すると、1つは大量の本、映画、動画コンテンツ、ゲーム、メール、サブスク…など「情報の濁流」に揉まれ、インプットしたいものが次から次へとあるにも関わらずそれを消化しきれない状況。2つはそうした情報の濁流の中で独立性を保った自前の積読環境を作る「ビオトープ的積読環境」。

     本書では積読について古今東西あらゆる著者の読書術から検討を進めているが、日頃から特別に意識せずともやっていることと重複する部分も多かった。
     ほぼ毎日本屋へ行く

    0
    2021年01月17日