朝永理人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
同じ著者の『観覧車は謎を乗せて』が気になり、デビュー作も評判とのことでこちらを先に。
今っぽい。
まず、ミステリ以外の部分の話を。
文体の軽妙さが、似鳥鶏のそれにも通じる、もしかしたらより「若さ」のようなもの、現役に近いものを滲ませていて、ライトノベルではないギリギリのところを突いている感じがした(著者が意図しているかは分からないけれど)。
題材が高校の文化祭ということで、お祭り的な雰囲気も手伝っているかもしれない。
そもそも、文化祭の一日(またはその期間)に事件が起きるミステリというのはままある設定かもしれない。それこそ、似鳥鶏作品にもある。
文化祭の非日常性と、殺人事件というのは相性が -
Posted by ブクログ
誤作動により停止してしまった観覧車。そのゴンドラに閉じ込められた乗客たちの抱える謎を描いた群像ミステリ。
自分を殺した犯人が消えた謎に悩む幽霊。休日を共に楽しむ父娘。スナイパーと依頼人の少女。なぜか告白に失敗してしまった男。友人の謎の行動に悩む女子高生。仕掛けられた爆弾を時間内に解除しなければならない男。それぞれの謎と思いを乗せたまま止まってしまった観覧車が動き出すまで、各登場人物たちの物語が次々と語られるのですが、それがどのように繋がるのか……それは読んでのお楽しみとしか言えません。
終盤の怒涛の「解決編」が凄い!!! 速いテンポでするすると謎が解けていくのがまさしく快感です。 -
Posted by ブクログ
最後の最後にドンッと真相が出てきました。
初めて読んだときは、頭の上に?が浮かんでいましたが、何度か読み直すとある程度理解はできました。私的には、もう少し細切れにして真相を持ってきて欲しかったかな。
話の内容的には、トリックも筋が通っていて納得したので、ミステリーとしてはおすすめします。しかし、真相の部分では少し曖昧なところがあるので、ハッキリとした真相が出てこないと モヤモヤするよという方におすすめかと言われると、うーんってなってしまうような本です。
それにしても、
「誤った前提は誤った結論を導く」まさにこの言葉通りのミステリーですね、この本…