【感想・ネタバレ】幽霊たちの不在証明のレビュー

あらすじ

2020年、第18回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作品。高校の文化祭のお化け屋敷で、首吊り幽霊に扮していたクラス委員の絞殺死体が発見された。果たして、彼女はいつ「本物の死体」になったのか。被害者に想いを寄せていたクラスメイトたちが、分刻みの“時間当て”で犯人を絞り込んでいく、ロジカルな学園本格ミステリーです。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

同じ著者の『観覧車は謎を乗せて』が気になり、デビュー作も評判とのことでこちらを先に。

今っぽい。
まず、ミステリ以外の部分の話を。
文体の軽妙さが、似鳥鶏のそれにも通じる、もしかしたらより「若さ」のようなもの、現役に近いものを滲ませていて、ライトノベルではないギリギリのところを突いている感じがした(著者が意図しているかは分からないけれど)。

題材が高校の文化祭ということで、お祭り的な雰囲気も手伝っているかもしれない。
そもそも、文化祭の一日(またはその期間)に事件が起きるミステリというのはままある設定かもしれない。それこそ、似鳥鶏作品にもある。
文化祭の非日常性と、殺人事件というのは相性がいいのかもしれない。

肝心なミステリ要素について。
不可能性を厳密に厳密に精査して犯人を絞り込むところ、裏表紙の『フーダニット・パズラー』の文言に偽りなし。目立った破綻もない(と言えるほど、ちゃんと理解も出来ていないが)。
動機がやや弱いとは思うものの、逆にリアルなのかもしれない。
エピローグの最後、切なくてとても印象的。

0
2022年06月03日

Posted by ブクログ

文化祭のお化け屋敷を舞台にしたミステリーってありそうで無かったのではないないかと
クラスメイトが死んだ割にはシリアスさがない、警官とか先生とか大人がまったく出てこないのは違和感だけど生徒のキャラが濃くて個人的には好き
若手女優集めて即実写化案件だと思うのだが!

0
2024年09月01日

Posted by ブクログ

前半は登場人物の紹介が延々と続くような印象で少し胃もたれ感があったが実は随所に伏線がちりばめられており、ラストはページをめくる手が止まらなかった。
動機が弱いような感じはあるが犯人をつきとめる過程は面白いし学園ものならではの青春のほろ苦さも程度よく入っていて軽快に読めた。

0
2022年09月09日

Posted by ブクログ

似鳥さん風で好み。探偵役が皆を集めて謎解きをした後の展開も好み。殺されたタイミングはあそこだろうとは思っていたので、そこまではっきりされちゃったら浮かれてた主人公にはきつい…。

0
2020年09月27日

Posted by ブクログ

謎解きパートは面白かった。可能性と時間を詰めていくところ、なかなかワクワクします。雰囲気としては古典部シリーズに似てるけど、殺人起きるし、前半文化祭パートが軽くてキツい。ボケツッコミ満載の高校生キャピキャピトーク(死語)についていけない。そこに耐え、捜査パートを乗り越え楽しい解決パートにたどり着けた、という感じ(すみません)。動機の説明もちろんありましたが、納得できかねるかな。

0
2020年07月07日

Posted by ブクログ

誰が殺されるのかは物語の冒頭で提示されていて、それを踏まえての第一章ともいえる「非日常編」は秀逸。「非日常編」で分刻みで状況が語られている通り、とてもロジカルなミステリーです。キャラの造形や会話がラノベ寄りなところは好き嫌いが分かれそうですが、ミステリーとしての出来はとてもいいです。
ただ解説でも言及されている通り、ロジックに拘るあまり動機面の追い込みがとても浅い。そういったところまで踏み込んでいければ、いい作家さんになりそうです。

0
2020年05月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ラノベかと思ったら、エラリー・クイーン並の精緻さを整え、尚且つキャラを立たせてぐいぐいと読者をのめり込ませるなんて、新人さんにしてはお見事!先が楽しみ!閑寺クンの弱さが痛々しい。が、もっとキャラ立ちしててもヨカッタ。もっと弱い情けない男の子に(笑)

0
2020年03月21日

Posted by ブクログ

ガチガチのロジックに拠る犯人当てミステリ。動機に無理がありすぎるという批判も見かけるが、パスル性を強調するミステリではありがちなこと。クイーンの国名シリーズにも、動機についての言及が、それこそとってつけたような一行しかないってのがあった。ただ肝心のロジックが必然性にまで高まってなくて、蓋然性レベルで止まっているのは残念。あと、犯人の正体がこれだと、そもそもロジックで当てることが不可能じゃないかという突っ込みはあり得る。これはダメでしょ。けれども、本文のほとんどが探偵役によるインタビューなのだが、そこを単調にならないようにギャグを多めにしたり、読者の記憶を助けるためだろう人物のネーミングを奇抜にしたりの努力を買う。

0
2023年09月24日

Posted by ブクログ

まず、ロジカル学園ミステリはなかなか面白く読めました。珍名だらけは趣味?とか主人公の語り手の陰鬱感とか空っぽとかいうのが刺さる部分ある。自分もこういうタイプかもってあるから…

0
2022年12月28日

Posted by ブクログ

62点:ーそもそも僕は本当に彼女のことが好きだったのか?
ラノベのラブコメ風展開からの事件→陰気同盟の調査→2人だけの解決編のリハーサル!文化祭の幽霊役の不在証明であり、推理によって判明していく主人公の空っぽさの証明。幽霊「たちの」不在証明。表紙絵がすばらしい。

0
2022年11月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

このミスには珍しく本格物で、途中読者への挑戦もあったため、それならばとしっかり謎解きを行ってみた。時系列にまとめてみると自ずと犯人や動機、被害者の行動理由などはすぐにわかってしまうが、殺害トリックがあと1ピース分からないところでギブアップし、解決編を読む。その共犯者はちょっとズルいのでは…と思いながらも、謎解きは十分楽しめたので、おおむね満足。探偵役は意外なところを狙ったのかもしれないが、ちょっと共感はできない。全体的に登場人物のキャラが魅力的じゃなかったかな。

0
2021年12月05日

Posted by ブクログ

文化祭で主人公と同じクラスの女子が殺される、といういささかショッキングな事件を級友と推理する、という構成で物語は進みます。

犯人探しの部分はロジカルなつくりになっており、ミステリが好きな読者には楽しめる内容かと思います。主人公がそれまでに見聞きした内容が伏線にもなっており、終盤でそれらがあますところなく回収される構成も良いと思います。

ただ、解説でも書かれている通り、殺人に至る動機の書き込みが弱く、物語としての深みは今一つかも。純粋に殺人トリックを楽しむという観点で読むのが吉、でしょうか。

それにしても”そんな”経緯で殺人に至ってしまうというストーリーはちょっと非現実的ですし、殺人の舞台となった教室における文化祭の催しの設えや登場人物の相関が複雑すぎて”読み込む”のが大変だったな、と個人的には思います。

0
2021年04月27日

Posted by ブクログ

久しぶりに挑戦状のあるミステリを読んだ。トリックは緻密なパズルのよう。書評にもあったが、人物描写と動機が薄いというのはそのとおりだと思う。人が殺されたという悲壮感がほとんど感じられない。
2021/3/20

0
2021年03月20日

Posted by ブクログ

「このミス大賞」優秀賞作品。高校の文化祭。二年二組の出しものである幽霊屋敷の中で起きた殺人事件。首吊り幽霊に扮した女生徒がそのまま首吊り死体となって発見される冒頭から非日常編は特におもしろく、没頭。解決編のロジカルさも好き。

切なさが深いだけに、そこに匹敵する強い動機があっても良かったな。でも、お気に入りの作家さんが増えた。嬉しい。

0
2021年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お勧め度:☆6個(満点10個)2020年第18回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。読み終えて、すっきりはしたけど、いささかこじつけみたいな気がしてくる。あまりにも論理的な展開に少し引いた。単純に言えば、高校の文化祭で起きた、「お化け屋敷」での殺人なんだが、細部に拘りすぎて、動機とかが薄くなっている気がする。殺人にいたるまでの経緯が最初にあっても良かったのではないかと思う。死亡推定時刻を中心に展開される推理は凄いけど、いまいち腑に落ちない点が多い。まあ、面白いから良しとしよう。最後はあっけない。

0
2020年10月21日

Posted by ブクログ

高校生探偵2人組が学園祭での殺人事件解決に挑む。
推理解決に至るプロセスは本格的だが、友情や恋愛も散りばめられてるのが味噌と言えば味噌。
但し中途半端。
推理は素晴らしいけど犯人が判っても『こいつ誰だっけ?』と思ってしまう。
最後の尻切れトンボなラストも、よくわからない。

0
2020年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

動機がひどい。それはないだろうと思う。パズルがうまくできたから、理由は後付けでいいやと受けとれる。学園物だけに、この動機にするならもっと納得のいくストーリーが欲しかった。

0
2020年07月17日

「小説」ランキング