朝永理人のレビュー一覧
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ネタバレ自然公園の観覧車が営業中に停止し、ゴンドラ内に閉じ込められた6組の人々。恋人の思い出に浸る男と幽霊、父と娘、スナイパーと制服の少女、意中の女性に告白する男性、ちびとのっぽの女子高生、弟とトランシーバーでやりとりする男性…。
閉じ込められた人々はそれぞれに謎を抱えており、その行方が見どころ。自分を刺した犯人がゴンドラからどう降りたかを知りたい幽霊。様子のおかしな父に疑問を持つ娘。狙撃現場に居合わせる少女の正体。振られてしまった男性の回想。女子高生が友人を観覧車に誘った理由。弟が仕掛けた爆弾の解除コード。
それぞれの視点が交互に描かれるが、後半に向けて入れ変わる速度が加速する。最後まで読むと、実は -
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ネタバレ自然公園に建つ観覧車が突然停止した。ゴンドラ内に閉じ込められたのは6組の乗客たち。
それぞれの謎が解かれたとき、驚愕の真実が……。
安全装置の誤作動で止まった観覧車。その中に閉じ込められたのは、皆一癖も二癖もある乗客ばかり。
自分を殺した犯人がいかにゴンドラから脱出したか考えてほしいという幽霊と男、観覧車の最高地点から標的を狙撃してほしいと依頼された殺し屋と依頼人、爆弾と共にゴンドラに乗せられた男、ワケアリな雰囲気の父と娘、”イケる”と思っていた相手に告白した男と振った女、高所恐怖症の女子高生と男装させられたその友人……。
一見何の関係もなさそうに見える6組それぞれの事情と謎が繋がりながら -
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ガチガチのロジックに拠る犯人当てミステリ。動機に無理がありすぎるという批判も見かけるが、パスル性を強調するミステリではありがちなこと。クイーンの国名シリーズにも、動機についての言及が、それこそとってつけたような一行しかないってのがあった。ただ肝心のロジックが必然性にまで高まってなくて、蓋然性レベルで止まっているのは残念。あと、犯人の正体がこれだと、そもそもロジックで当てることが不可能じゃないかという突っ込みはあり得る。これはダメでしょ。けれども、本文のほとんどが探偵役によるインタビューなのだが、そこを単調にならないようにギャグを多めにしたり、読者の記憶を助けるためだろう人物のネーミングを奇抜に
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ネタバレ単純そうでちょっとややこしいミステリー。
ネタバレ全開で書くと…
・12年前の事件は、妹がお兄ちゃんに頑張って欲しくて、毒薬をオレンジジュースに入れて不慮に殺した。
・ただ、そもそも毒薬を兄が持っていたのは、少量の毒薬であれば記憶障害を引き起こせる。妹に性的嫌がらせをしていた。
・今回の事件は事故。父親が窓の外を見ていると雷で兄の分身とも言える樫の木が雷に打たれて折れたことによるショック死。
・だが、コーヒーや遺書を準備して模倣したのは姉で模倣に匿っていた泥棒を利用した。
・泥棒は10代後半女子二人で、探偵役の二人は寧ろ泥棒を追いかける方の2人だったみたい?
あんまり心理描写に納得がいかな -
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トラブルで停車した観覧車に閉じ込められた6組の乗客。
それぞれが訳ありで、謎を解こうとしたり今の事態から脱出したいと願っているらしい。
A:恋人と別れたらしい男・車田と、観覧車がトラブルで停車したときのみ現れる幽霊・ユウコ
B:父親らしい御館とその娘らしい菜々芽(ななめ)
C:プロのスナイパーらしい男と、彼に仕事を依頼したらしい少女
D:年上の女性・糸口に告白した小針と、小針を振った糸口
E:彼氏の振りをさせられている女子高生・のっぽと、のっぽに彼氏の振りをさせている同じく女子高生・ちび
F:弟・巴仁弥に爆弾をしかけられ開錠番号を解き明かそうとする兄・巴寿久
会話のやり取りや雰囲気は伊坂幸 -
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ネタバレ誤作動で止まってしまった観覧車に乗る6組のグループに関わる謎という、設定は面白かったです。面白かったですが、読み終わった現在でもちょっと時系列が分かりにくくて頭の中パンク中です。
みんな『19番のゴンドラ』に乗っているで合っているような気もするのですが、誰が先で誰が後なのかは少し分かりにくいかな。
後半にすごい勢いで場面が移り変わるので、真相を見たはずなのにイマイチ理解した気がしないです。緊迫した様子のゴンドラも少ないので、すごい勢いで場面が変わっても臨場感はそんなにありませんでした。駆け足気味で進むので物足りなさも。
もう一度読んだら理解できるかなと思いましたが、しばらくは読まない気がし -
Posted by ブクログ
ネタバレ観覧車のゴンドラの位置を示しながら、その章の間隔が狭まりながら進んでいく展開はとても独創的で面白かった。最後は予想とは違う展開で、いささかピンとこなかった。私は、全てのゴンドラの搭乗者は全て一本の線でつながっていると思っていた。また、公園の南西にあり、川があって、芝生に影が見えて、と観覧車の位置や方角に気を配っていたが、あまり重要ではなかった。いい意味で予想は外れて、「かがみの孤城」を思い出すような全く違う結末となったが、爽快感は得られなかった。でも面白い。読んで良かった。作者の他作品も読んでみたいと思う。ABCと並ばずに飛び飛びにゴンドラに名前をつけたのはなぜだろう、時系列でもなさそう、時系
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Posted by ブクログ
文化祭で主人公と同じクラスの女子が殺される、といういささかショッキングな事件を級友と推理する、という構成で物語は進みます。
犯人探しの部分はロジカルなつくりになっており、ミステリが好きな読者には楽しめる内容かと思います。主人公がそれまでに見聞きした内容が伏線にもなっており、終盤でそれらがあますところなく回収される構成も良いと思います。
ただ、解説でも書かれている通り、殺人に至る動機の書き込みが弱く、物語としての深みは今一つかも。純粋に殺人トリックを楽しむという観点で読むのが吉、でしょうか。
それにしても”そんな”経緯で殺人に至ってしまうというストーリーはちょっと非現実的ですし、殺人の舞台