山崎聡一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本の法律をすべて記した六法全書。分厚くて難しくて、法曹界で仕事をしようという人以外はなかなか手を伸ばしたことはないのではないでしょうか。そんな六法全書を子ども向けに、勘所といえるような法律をセレクトしてわかりやすい文章で書き直したのが本書。
刑法、刑事訴訟法、少年法、民法、民事訴訟法、日本国憲法、いじめ防止対策基本法をそれぞれ章立てして、箇条書き的に書いてあります。
感想を書いていきますが、たとえば少年法のところ。刑罰よりも教育を与えようというのが少年法です。僕はこの、「教育を与える」という考え方をオトナたちにも当てはめたい人なのだけれど、オトナたちは自分が変わるなんてありえないと頑固なまでに自らを守りがちだったりします。だからこそ、何かやってしまったら刑罰が与えられる。その「刑罰を与える」というところに隙はないのかどうかを探るのは無駄だから、刑罰となるのか、と思い知らされる気分になることがあります。
これって、声をかけて情をかけて必要なケアをすれば生きにくさ由来の愚行・悪行をやめてよき方向へと顔を向けて歩き出せるような少数の人―――それはおそらくごく少数の人たちなのかもだけど、彼らを見捨てられてしまう人たちにしたくない思いが、分不相応にも関わらず自分にしっかりあるからだと感じています。少数派の弱者という社会的周縁の位置にたどり着いてしまい人の目の届かないところで苦しんでいる人。でも立ち直ったり救われたりできる要素のある人って必ずいるでしょうし、そういった人の境遇や運命に不憫さを感じるのだと思います。
それと、言葉を声に乗せること。裁判でも声に出して主張したことから判断がなされ判決が下される。話すことって重要視されている。書くのがよいタイプの僕にとっては、書くほうがちゃんと主張できるので、できることなら書いたものを声に出して読み上げたいくらい。でも、裁判に限らず世の中って声に重きを置きます。だけれど、ディベートで勝つことがいつも正しいわけじゃないし、口先だけ達者で中身がないのに声に乗せるのが上手だからうまく生きている人もいます。なかなか難しい、世の中の在りようです。
著者は子ども時分にいじめられた経験があり、その後いじめをした経験もあるという青年でした。だから、最後の章がいじめ防止対策基本法になっていましたし、子どもでも法律を知っていればそれが盾になったのに、という想いもあったことが綴られている。たとえば、人に水をかける、なんて行為は暴行罪にあたるのですが、大方の子どもはこういうようなあれこれを知らない。そんな子どもたちの助けになるものをという想いで、企画され実現された書籍だということです。
子どものいじめについて、私見を少し書かせてください。子ども社会は大人社会を見習って作られていくものだと思う。大人がこうやってるから、僕たち、私たちもこうしていいんだ、というように。だから、大人社会でいじめやいじりが無くならない限り、子どものいじめは無くならないのではないだろうか。ではどうして大人社会でいじめが無くならないのか。それは競争社会であることが大きな要因となっていると思う。人を蹴落としたりハメたりしてまで自分がのしあがったり、優位に立ったりしようとし、実際に裏側でそういう画策をして競争に勝っている人たちはいるでしょう。他者がわからなければルール外の行為を辞さないくらいじゃないと勝つことができない、という考え方は珍しくない(そこまでいかないとしても、ルール外かルール内かのグレーゾーンで、自分・自分たちが有利になるように振舞うのが資本主義の競争社会としての基本的姿勢といえるものだったりもする)。ただ、そういうズルさはサバイバルしていく上では必要なので、そういったズルさの一切合切を無くそうなんてすると、みんなの生き抜く力が弱体化してしまうことは想像に難くない。また、日本だけがルール順守の優しい国になったところで、国際的な競争で勝ち抜く力が無くなってしまうだろうことも考えられる。だからといって、そういったレベルを超えてしまえる精神性や知性を多くの人に求めるのも酷と言えば酷。ということで、子どもへの「いじめ防止対策基本法」は、あくまで対症療法的である。子どもは非力な存在なので、いじめから守るためには大人の力が必要であり、心身の成長にできるだけ悪い影響を被らせずに大人になってもらおう、という措置なのでしょう。こう考えてみると、いじめを撲滅することはとても難しいので、子どものいじめ対策は今後ずうっと行い続けていかなければいけない事案だということが言えそう。
最後に、ふたつほど引用をします。
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刑法第188条 礼拝所不敬及び説教等妨害
(略)
2項 説教や礼拝、葬式といった儀式や行事を邪魔した人は、1年以下の懲役か禁錮または10万円以下の罰金とします。(p37)
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→結婚式で花嫁を奪う映画ってありましたけれど、それは罪に当たるんですね。また、織田信長が父親の葬儀で「抹香をくらえ」と祭壇に抹香を投げつけたという話を読んだことがありますが、これも真似しちゃだめです。
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他人の悪口を言って心を傷つけたり、他人の噂話を流して信用を傷つけたりした場合でも、その損害を償わなければいけないよ!(p127)
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→民法第710条のところの備考的な文章の箇所です。悪口も、噂話も、ひそひそ話レベルではよくあることですよね。でも、誰が言ったか、なんてことはみんなが隠すことによって罪を免れている。これはグレーというより罪なんでしょうが、なかなか立証はされないですし、ちょっとしたことでは訴えたりもされていない感じがします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ信田さよ子さんの本を探してて出てきたやつ。ニコニコ生放送の番組を元に作った本だそうで、3人の対談やコラムで構成されていて読みやすい。ほんと、悩める子ども達に読んでほしいわ。私も学校に行きたくなかったけど、やっぱ勉強がある程度できたから不登校にならずにすんだよなとは思う。あと絶対父親に怒られるからそっちの方が嫌だったし。それでも友達としゃべって楽しいとか好きな先生とか好きな授業もあったし。高校に通うのは面倒だったけど。やっぱ何か人の役に立つことをしたいとは思うね。脳もそういう風にできているという茂木先生の言葉を読んで改めて思う。そろそろ勇気を出して動くべきか。
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Posted by ブクログ
こども六法の著者が、寄せられた批判や疑問に回答していくかたちの本。エキセントリックな批判もあるものだと驚くけれど、親世代は子世代よりも法教育を受けずに育っているからやむをえないのかもしれない。法への意識はおそらく価値観にかかわるところなので、大人のそれを変えるのはとても難しいと思う。他者の意見や解説を聞くよりも、じっくり時間をかけて課題に向きあう機会を持った方が効果的だとおもう。
著者の個人的経験に基づく箇所からはそこはかとなく視野の限定を感じるが、応報、私刑、罪刑法定主義、冤罪、厳罰化など法に関する注目ポイントに触れられているのは評価できる。 -
Posted by ブクログ
10代だけでなくとも、現状打破に苦しむ人には役立つかも。
自分の人生の突破口を見つけられるのは自分以外にはいない。どんなに前向きに着ようと思っても、辛い時は辛い。
毎日呼吸をしてご飯を食べて寝る。ただそれだけのことでも「生きている」ことに違いはありません。そしてそれを続けていればいつか「誰かのために生きたい」と思うようになる。それまでは「自分のために生きる」ことが何よりも大切です。
生きる気力がわかないのなら、無理に何かに挑戦しようとしたり、未来のことを考えようとしたりする必要は無い。
自分自身がそうだったように「いつでも死ねる」と言う覚悟を家に秘めて、1日1日をだましだまし生きていれば、いつかきっと自分の中に答えを見出せるようになる日が来る。 -
Posted by ブクログ
ななめ読み。法律の大事なところだけ子供向けの言葉で簡単に解説する本。法律のことをよく知らない大人が読むにもなかなか良い。
- 「六法」は通常、日本国憲法・刑法・民法・商法・刑事訴訟法・民事訴訟法のことを指す。(この本は子供むけということで、商法を省き、代わりに少年法といじめ防止対策推進法が扱われている)
- 「刑法」に記載されている犯罪行為を裁く刑事裁判のプロセスがまとめられているのが「刑事訴訟法」
- 「民法」に記載されているルール(主に財産に関することと、家庭に関すること)に基づいて民事裁判を進めるプロセスがまとめられているのが「民事訴訟法」
- 「憲法」はそれらの法律の上位にあたるもので、法律を作る国会や、法律を扱う裁判所、内閣を縛るための法律。