岩田清文のレビュー一覧
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著者のひとり兼原信克氏の話をラジオで聴き、興味を持ち本書を手に取った。日本の安全保障の状況がよくわかる内容だった。
陸海空の元自衛隊の最高幹部と元内閣官房副長官補の4人での座談会という形で本書はまとめられている。令和3(2021)年4月に発行されているので、ロシアのウクライナ侵攻の1年前の話である。危機はすでにはじまっていたのだと思い知らされる。北朝鮮中国そしてロシアの核保有国に接する日本はもっとも危険な場所に位置する。
安全保障にかかわるトップクラスの地位にいた人が必要と感じてきた法整備や予算確保さえ進まないことに不安が募った。
最後の「日本の安全保障に対する10の提言」に希望を持ちたい -
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【総括】
陸海空自衛隊の元最高幹部クラスが、日本を取り巻く安全保障環境と安全保障政策上の課題について比較的率直に議論していて興味深い。
【興味深かった個別論点】
◯特に海自は装備品の修理・管理を民間企業に依存しており、企業人員を動員できる制度を作らないと継戦能力に支障をきたす。
◯台湾有事、朝鮮有事の際の日米協力・事態対応シナリオが詰まっていない。
◯軍事技術・研究にかける予算が日本は少なく、学術会議はじめ学界が自衛隊等との協働を忌避している実情が軍用技術の発展を阻害している。大抵デュアルユースなので専門的にフォローするポストが政府内に必要。
◯装備協力・移転促進のためには、セキュリテ -
Posted by ブクログ
外交官出身の元内閣官房副長官補である兼原氏が司会となり、陸海空最高幹部との座談会を文字にしたもの。兼原氏の題材設定が的確で、いま日本の安全保障が抱える課題が浮き彫りになっている。参加者は皆、安全保障の仕事に携わった経験を持ち、今でも深く研究を進めている方々なので、有意義な議論となっている。勉強になった。
「(武居)2003年度から第二次安倍政権まで10年間連続で防衛費が前年度割れする予算状況が続いた中で、正面装備の維持を優先してきたしわ寄せが後方分野にきて、後方分野が何年にもわたって機能不十分なままに置かれている。現役当時には見えなかったものが、自衛隊を辞めて一人の企業人となって初めて見えた -
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外務省・国家安全保障局の戦略家の兼原氏が、陸海空の戦略家である、岩田元陸幕長、武居元海幕長、尾上元空自補給本部長が国防上の問題点について議論。
入口としての日本の戦略環境は真新しくはない議論だが、台湾危機への対応、朝鮮半島の核問題と核抑止の議論、科学技術と軍事研究の乖離の問題、総理への軍事情報のアクセスと総理の資質などの根深い問題について専門的議論を行っていて興味深い。
最後に、議論のまとめとして10の提言を出しているのは言いっぱなしでなく面白い。
1. 日米首脳会談で核問題を取り上げよ
2. 総理決裁の統合軍事戦略を策定し、防衛大綱を防衛戦略に格上げせよ
3. 台湾有事への対応を始めよ
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ネタバレ陸海空のそれぞれ最高階級の経験者の対談ということで、貴重な書籍となっている。
<おススメする人>
・日本の安全保障環境に興味があり、自衛隊の幹部がどういった問題認識を持っているか興味がある人
・組織や社会が持つ普遍的な問題についての洞察を自衛隊という切り口から気づきを得たい人
<本書を読んだ個人的な気づき>
・第5章 科学技術政策と軍事研究より
ニーズとシーズがマッチしていないことや、運用構想⇒開発の順になっていないことが問題として挙げられていた。
このあたりの問題点は日本社会が抱える既存ITシステムの失敗であったり、DXを推進できない理由として挙げられている経営層とステークホルダー間の「対 -
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平和安全法制「在立危機事態」
中国と仲良くするためには対等でなければならない。
日米安保6条 極東を守る 韓国 台湾 フィリピン
日本は基地を米軍に使わせ、自衛隊は日本防衛 集団的自衛権へ
国連は機能しない 同盟の重要性 政軍関係
力には力 核による恫喝 情報戦 国民の愛国心
人権や民主主義は一致したムーブメントにならない
経済力は抑止力にならない
合理的ではない戦争
アメリカの国益、ロシアとは戦争をしない
東風 空母キラー 射程1500km
目に見えない戦力 どうやったら勝てるのか?を考えるのがアメリカ
自衛隊サイバー部員500人
サイバー民間防衛組織が必要(例: -
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