春暮康一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔の宇宙ものでは、未知の惑星に降り立った宇宙船の乗組員が、「酸素がある」の一言で宇宙服まで脱いでしまうという描写が結構あった。今の感覚ではとんでもないが、映像系ではやっぱり宇宙服はジャマだ。というので「危険な微生物は存在しない」とエクスキューズを付け加える場合もあった。つまり此方が汚染する方は気にもしないというわけだ。元々ある種の宇宙SFが抱えていた植民地主義的な感覚がこの辺に表れてると、告発調で言ってもいいのかも知れない。この短編集に登場する科学者たちは、そうしたことに極めて自覚的で、細心の注意を払って、異性の生態系に接触する。それでも、ややこしいことは幾らでもおきてしまう、というお話が続く