ジョージ・エリオットのレビュー一覧

  • ミドルマーチ1

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    学生時代、ずっと読みたかったのですが、廃版になってて読めずじまいのままでしたが、光文社が新訳を発刊してくれたおかげでようやく読むことができました。

    生きていた時代もテーマも異なるのですが、オースティンと比べてしまうところがあります。
    エリオットに出てくる人物は良くも悪くも、もっと世俗的で、複雑な人物として描写されていることが多いように思えます。
    そのせいもあって、ドロシアを含めた登場人物のそれぞれの心情や行動に対して共感できる一方で理解に苦しんだり・・・まあでもドロシアに対しては終始理解に苦しむところがあったかもしれません。

    いろんな人の人生そのものなんだなと思いました。19世紀のイギリス

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    2025年01月12日
  • ミドルマーチ3

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    ネタバレ

    物語は更に佳境になってきた。カソーボンとドロシアの1年半の結婚生活の結末は?彼が最後にかました内容は?複数の真実を知ったラディスロー、彼は全ての思いを捨ててミドルマーチを去るがその矜持は感服した。リドゲイト夫妻は金銭的窮地に。フレッドとメアリの恋愛は進展、フレッドが借金を背負わせたケイレブ氏との関係再構築、でもケイレブ氏の性格良すぎ。訳者の読書ガイドは秀逸。登場人物の関係図がやっと3巻で見れた。最初から見たかったがネタバレ含みで無理。バルストロードの偽善の処置が最終巻で語られるとのこと。読書の愉しみ満開。

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    2024年03月04日
  • サイラス・マーナー

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    「なりたかった自分になるために、遅すぎるなんてことはない」

    先日読んだ『夏の扉』がとてつもなく面白かったので、おかわりです
    ここでハインラインではなく訳者の小尾芙佐さんの方をおかわりするってところがもうセンス!

    ということでイギリス文学を代表する女流作家ジョージ・エリオットの名作『サイラス・マーナー』です

    エリオットの宗教観がどうのとか、彼女の結婚や人生がどうのとか、当時の女性の地位とか時代背景とか、あっしにゃ難しいことはさっぱり分かりませんよ
    分かりゃーしませんよ

    だけどね旦那
    正しい心を持った人たちが幸せな結末を迎える
    正しくない心を持った人も最後には改心する
    それだけで十分じゃご

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    2023年12月14日
  • ミドルマーチ4

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    感動のフィナーレをむかえる完結編。濃密な群像劇のなかでジョージ・エリオットが私たちに伝えたものとは何か。

    第7部冒頭からリドゲイトの窮状。金銭のトラブルから発生する夫婦喧嘩の描写がリアル。妻に折れざるをえなくなっていく夫の心境の変化が生々しい。

    いっぽうフレッドくんたちの三角関係に進展が。誘惑を振り切って紳士の生きざまを貫く牧師の、自らの弱さも強さもすべて打ち明ける潔さ、そしてそこからの恋愛関係の決着に心を打たれた。

    お金の相談をしたリドゲイトを冷たくあしらったバルストロードに、ラッフルズが火種を持ち込む。ミドルマーチの良心、ケイレブ・ガースが潔癖な対応をするなか、バルストロードの心に誘

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    2023年04月07日
  • ミドルマーチ3

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    19世紀イギリスの架空都市ミドルマーチ。運命によって翻弄されるいくつもの愛の模様。第5部と第6部を収録。

    個人的に共感していたカソーボン氏が悪者になってしまう第5部にガックリ。しかし、彼の気持ちにはやはり共感するものがあり、残念ではあるが仕方なかったとも思う。逆に評価が爆上がりするのが、ケイレブ・ガース。この物語世界の良心ともいうべき魅力な人物像が明らかになり、彼を通じて当時の時代社会背景も見えてくる。また、フレッドとの出来事と絡んでガース夫人の複雑な心境を見事に描き出しているのも読み応えがあるところだ。よくぞここまで微細な心理が書けたものだとひたすらに感心する。また、このガース夫妻の関係性

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    2023年03月27日
  • ミドルマーチ2

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    19世紀イングランドにおける架空の地方都市ミドルマーチを舞台に多彩な人間模様を描く。第3部と第4部を収録。

    複雑かつ絶妙に絡み合う人間関係が面白すぎる第2巻。主要となる人物のみならず、脇役やちょっと出のキャラクターにも魅力が満載だが、さしあたり主に気になるのは次の3つの愛のゆくえだ。
    1.ドロシアとカソーボンの夫妻、それに関わるウィル・ラディスロー
    2.リドゲイトとロザモンド
    3.フレッドとメアリ、フェアブラザー?

    男性名を使っているが作者は女性なので、不美人でも賢く、強い輝きを放つメアリという人物は作者の自己投影が色濃く反映されているのではないかと想像する(本名メアリ・アン・エヴァンズだ

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    2023年03月26日
  • ミドルマーチ1

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    本年ベストの読書体験になる予感がする!!!ヴィクトリア朝を代表する作家、ジョージ・エリオットの最高傑作。

    ミドルマーチとは、イングランド中部に設定される架空の地方都市の名前である。本作は19世紀前半、産業革命の影響により、社会に大きな変動が起こっていた時代――資本主義経済や民主体制への移行、その結果として生み出された新たな階級社会、揺れ動く人心の独特な雰囲気――のなかで、二人の主人公を軸に、多層化する人々の生活・心理を幅広く描いた作品である。それぞれの宗教・信条・階級・経済力・年齢・性格などから、当時の社会と人間精神を深くえぐり出している。

    知的で美しい人妻・ドロシアと、高潔な理想を掲げる

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    2023年03月08日
  • サイラス・マーナー

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    ヴィクトリア朝を代表する男性名の女流作家ジョージ・エリオットの代表作の一つ。寓話的な物語に心打たれる傑作。

    親友と恋人に裏切られ、信仰と故郷を捨てざるを得なくなるサイラス・マーナー。冒頭から悲劇のどん底に突き落とされる展開に引き込まれ、真面目で純朴なサイラスに愛着がわいた。不幸な境遇ゆえに彼が金貨に執着するようになってしまうのもどことなく共感できる。このまま孤独に人生を終えるかと思われた矢先に起きるサスペンスフルな事件――そこから一気に面白くなってくる。

    本作でサイラスの対比となっているのはゴッドフリーだろう。弱点はあるが決して悪人ではない彼の人生の苦悩が、サイラスとは逆の立場から物語の主

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    2023年03月01日
  • ミドルマーチ4

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    最高だった。カソーボン氏が死ぬ際、「ドロシアとラディスローが再婚した場合、財産を残さない」と遺言を残したのは、ラディスローがドロシアにふさわしい人間になろうと自分を磨くためにドロシアのもとを離れるのが、カソーボン氏の財産なしで自分の能力だけでドロシアを養うための準備になっていると考えると、伏線だったのかなぁと思う。

    「それがあなたにとって新たな苦労なのでしたら、私があなたから離れられない理由がまた一つ増えることになります」

    このフレーズを見たときにグッときました。エリオットってこんな恋愛物語書くのかと感動しました。

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    2022年12月20日
  • サイラス・マーナー

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    ネタバレ

    確か中学生の教科書に載っていて気になっていたのに今日まで読まず。人間は社会的な動物で、孤独でも一人きりでは生きてはいないし、生きてもいけない。マーナーの若かりし頃の辛さもエピーとの出逢いで幸せになっていく。我が子以上に大切に育てた子の幸せを願う父の愛の深さに涙が出そうになった。すごくきれいな物語。少し心が疲れたときに読み直したいかも。

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    2022年10月11日
  • サイラス・マーナー

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    光文社古典新訳文庫には本当に助けられる。古典を今息をしている言葉で、というコンセプトどおりだ。本作でそれを感じたのは、たしかに翻訳で田舎ことばなどは使っているが、さほど時代錯誤的ではないし、成長していくサイラスの娘エピーの言葉使いがとてもあたたかみを感じるように表現されているので、共感も強まる。だいぶ前に読んだ当時は、地主ゴッドフリーは嫌なやつでしかなかったが、今回は彼やその妻の苦悩も少しはくみ取れた。子供を育てることで変わったサイラスはもちろん、車大工一家たちや、周囲の人達の情にも胸が熱くなる。

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    2022年10月09日
  • ミドルマーチ4

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    ついに完結感無量。
    類まれなる心理描写、些細な事実の積み重ね、善意と好奇心がもたらす予期せぬ出来事などミドルマーチは4巻になってざわめく。でも落ち着くところに落ち着いたのでは。フィナーレでホッとしました。

    「私たちにとって物事が思ったほど悪くないのは、人知れず誠実に生き、誰も訪れることのない墓に眠る、数多くの人々のおかげでもあるからだ。」

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    2022年03月11日
  • ミドルマーチ4

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    最後の文章に感動を禁じ得ない。
    「世の中がだんだん良くなっていくのは、一部には、歴史に残らない行為によるものだからである。そして、私たちにとって物事が思ったほど悪くないのは、人知れず誠実に生き、誰も訪れるこのない墓に眠る、数多くの人びとのおかげでもあるからだ」

    中産階級の女性に光を当てた本作の独創性はいくら強調してもし過ぎることはない。

    心根がよいところに、最後は派手ではないが、一つの幸福が訪れることを伝えてくれる。傑作だ。

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    2021年05月14日
  • ミドルマーチ3

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    物語は激しく動き始める。突然の死、職業の変更、過去の所業の大きさ。

    それにしてもこの時代のイギリスの身分というものをここまであからさまに感じられたことは、大きな収穫である。

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    2021年05月08日
  • ミドルマーチ2

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    本作は、副題に「地方生活についての研究」と銘打ったとおり、狭い人間関係の中で、右往左往する人びとの心理が精緻に描かれている。ドラマチックな場面は少ないが、それが人生と達観させる説得力がある。

    解説の当時の政治状況と職業観は参考になる。

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    2021年05月06日
  • ミドルマーチ1

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    古い作品だからこそかもしれないが、新しい感覚を覚える。
    人生への警句と洞察が、物語と一体となって綴られていく。

    解説を読んで、作者の宗教観、社会観が作品に反映され、一筋縄ではない大作であることを予感する。

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    2021年04月27日
  • ミドルマーチ2

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    主人公ではなく、周囲の人のひとりひとりのエピソードである。その出生、死亡、といろいろな出来事を会話で進行させていく。特別な偶然は設定されていないが、ひとりひとり丁寧に説明している。

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    2020年10月08日
  • サイラス・マーナー

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    ドリーさんに会ってみたいなあ。
    終わり方も好きだ。古典によくあるように、とても深い。ドリーなんだな。

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    2019年09月21日
  • サイラス・マーナー

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     わたしはなあ、賢いお方とはちごうてねえ、神さまいうもんが、ほんとうはよう分からんのよ。
    サイラスはなあ、故郷のランタン・ヤードで神さまのことを信じておったのに親友の裏切りで「盗人」にされてしまうたんよ。本当の盗人ではなかったのに牧師さんの前で「御神籤(おみくじ)」で盗人に決められてしもうたんよ。
     そいでサイラスはなあ、なんもかんものうなってしもうて、とぼとぼと町を出て、ラヴィローいう村の片隅の砕石場の近くに小屋を建ててひっそりと機織り屋になったんよ。村人たちに「変人」とからかわれても何も言わんと、ただもう、真面目に機を織っとったと。サイラスの織った亜麻布はしっかりして美しもんじゃったから、

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    2025年04月13日
  • ミドルマーチ4

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    心理描写等ジェイン・オースティンから多くの影響を受けているところもあるだろうが,それよりもさらに地域社会の観察に特化した書と言える。人々の変化はそれなりに大きかったが地域としての変化は少ない,と感じたことは覚えておく。訳者については,解説にある「〈分別〉と〈多感〉」という視点が興味深い。

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    2023年03月08日