ジョージ・エリオットのレビュー一覧

  • ミドルマーチ3

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    心理描写等ジェイン・オースティンから多くの影響を受けているところもあるだろうが,それよりもさらに地域社会の観察に特化した書と言える。人々の変化はそれなりに大きかったが地域としての変化は少ない,と感じたことは覚えておく。訳者については,解説にある「〈分別〉と〈多感〉」という視点が興味深い。

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    2023年03月08日
  • ミドルマーチ2

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    心理描写等ジェイン・オースティンから多くの影響を受けているところもあるだろうが,それよりもさらに地域社会の観察に特化した書と言える。人々の変化はそれなりに大きかったが地域としての変化は少ない,と感じたことは覚えておく。訳者については,解説にある「〈分別〉と〈多感〉」という視点が興味深い。

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    2023年03月08日
  • ミドルマーチ1

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    心理描写等ジェイン・オースティンから多くの影響を受けているところもあるだろうが,それよりもさらに地域社会の観察に特化した書と言える。人々の変化はそれなりに大きかったが地域としての変化は少ない,と感じたことは覚えておく。訳者については,解説にある「〈分別〉と〈多感〉」という視点が興味深い。

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    2023年03月08日
  • サイラス・マーナー

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    友人に裏切られ、免罪をかけられ、婚約者も失ったサイラス・マーナー。神にも人間にも絶望したサイラスを救ったのは何か?

    金を蓄えることだけが彼の唯一の救いとなるが、そんな金も盗まれてしまう。孤独で寂しいマーナーからこれ以上何を取れば気が済むのかと言いたくなるほどの不幸。しかし、これを後に本人が、不思議な軌跡だと言う。

    エピーという1人の赤ん坊が彼の人生を救った。19世紀は科学の目覚ましい発展(ex. 進化論)によって聖書の非論理的な神話性に疑問を抱く時代であった。著者エリオット自身、もともと福音主義者だったが、22歳に聖書を合理的客観的に解釈する高等批評に触れ、宗教観が一変する。

    そんなエリ

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    2022年04月23日
  • ミドルマーチ1

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    George Eliot(1819-80)

    英国ヴィクトリア期を代表する女流作家。寄宿学校で教育を受けた後、独学で外国語やその他の学問を学び、男性の名前で小説を発表する。男勝りの冷徹な理性で、現実社会の問題を見据え、確かな構成の小説に組み立てていった。

    彼女はほとんど独学でギリシア、ラテン、ヘブライ、ドイツ、フランス、イタリア語をマスターしたが、とりわけ若い頃ドイツとドイツ思想の研究に打ち込んだ。彼女はまた、ピューリタン寄りの福音信仰で育ったが、伝統的なキリスト教信仰から離脱していく。

    『ミドルマーチ』は町の名前だが、これは彼女が若い時代過ごしたコヴェントリーをモデルにしたと言われている

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    2022年02月21日
  • ミドルマーチ3

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    ドロシアとリドゲイト、2組の夫婦の変化。ドロシアは未亡人となりラディスローとの恋の障害に、リドゲイトとロザモンドの愛のない生活に目が離せない。
    眼が離せないことは他にもあるが特に後半不穏な空気に囲まれたバルストロードにヤキモキする。
    解説の人物相関図は頭の整理に役だった。

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    2022年01月03日
  • ミドルマーチ2

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    人間性は悪くはないけれど,フレッドのいい加減さにげんなりし,うまく行っているような人々も何かしら綻びが見え,うまく行ってない人々はこれからどうなるのかと嵐の予感にはらはらする.ほんと面白い.

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    2021年10月21日
  • ミドルマーチ4

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     銀行家バルストロードの前に、彼の過去の秘密を知る無頼漢ラッフルズが現れ、前巻では、バルストロードの回想の形で読者にもその秘密が明らかにされ、登場人物ウィル・ラディスローとの関わりも明らかになった。  

     ラッフルズに金をせびられ、気が気ではないバルストロードであったが、ラディスローが突然倒れ、彼の元に運び込まれたことから、医師リドゲイトに治療を頼むことに。看護を任されたバルストロードだったが、適正を欠いた看護もあり、ラッフルズは亡くなってしまった。
     また、診療を依頼されたリドゲイトだったが、一旦はバルストロードに断られた借金を受けてもらえることになり、当面生活が立ち行くことになった。
     

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    2021年07月12日
  • ミドルマーチ3

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     全8部のうち本巻は、折り返しを過ぎ第5部、第6部収録の巻。
     結婚であったり遺産相続を巡るドタバタなど、それなりの展開はあったものの、ここまで登場人物たちの生活や考え方が比較的平穏に描かれ、その人物像や関係性が明らかにされてきたが、本編では、各人物に様々な変化が生じ、物語全体が大きな転回を見せる。

     先ずはドロシアとカソーボン夫婦。自分亡き後、妻ドロシアが従弟ウィル・ラディスローの意のままになってしまうのではないかと恐れたカソーボンは、自分の死後夫たる自分の希望に従うことを誓ってくれと求める。煩悶するドロシアが答えをしようと夫のところに向かったとき、もはやその答えが夫に届くことはなかった。

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    2021年07月04日
  • ミドルマーチ1

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    2019年「ジョージ・エリオット生誕200年」や、「偉大なイギリス小説100第1位(2015年BBC)」という帯に惹かれて読み始めました。
    1巻を読み終わるのに、かなり時間がかかってしまった。2〜4巻をゆっくり読んでいきたい...

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    2021年05月12日
  • ミドルマーチ2

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     全8部のうち本巻では第3部及び第4部収録。

     自分より優れている人のもとで魂の安らぎを得たいと考え、妻として我が身を捧げ、夫の生活を確固たるものにしながら、自分の生活を高めていこうと結婚生活に入ったドロシアであったが、夫カソーボンとの関係は結婚当初から違和に満ちたものとなってしまっていた。

     他方医学の発展と自己の成功の大志を抱く医師リドゲイトは、美しいロザモンドに魅せられ、予期していたよりも早い時期に結婚に向かうこととなった。

     また、ごうつくばりの老人の遺産を巡るゴタゴタや、政治に関心を示し始めた地主と周囲の者たちとの軋轢など、物語が動き出す速度が早まってきている感がする。

     人

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    2021年05月10日
  • ミドルマーチ3

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    下巻はリドゲイトの話が主であり、最後の方にドロシアが出てくる。そして、その後の話が終曲としてまとめられている。藤井元子の、訳であり、わかり易かった。

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    2021年09月07日
  • ミドルマーチ1

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    宗教や社会階級や個人の生きがいや結婚問題,生活のすべなどがミドルマーチという架空の田舎町を舞台に繰り広げられていく.誰が主人公でも面白い人物造形と丁寧な心理描写で物語世界にどんどん引き込まれていった.まだ1巻目なのでこの先の展開が楽しみである.

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    2020年04月16日
  • ミドルマーチ2

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    1巻を読み終えてしばらく経過していたので、誰が誰だか辿るのが大変だった(笑)。

    いやはやどうなるのかこの先。
    今回ドロシアのピシッとした自論の展開があったのは、やっとちょっとスッキリした。

    進行は第三者の目線で書かれていて、結構この進行役の発言も多い。遠くのものに目を向ける前に自分の足元を見よ、というようなところの例えは、今も昔も変わらない。

    さて。第3巻はいつ出るのだろう。3巻までで終わりと思ってたけど、全8部の3部と4部がこの2巻だと言うから、もしかして4巻まであるのか?と不安。
    話が長いのは一向に構わないが、出版を待つ時間が増えるのは少しばかりもどかしい。

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    2020年03月29日
  • サイラス・マーナー

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    ジョージ・エリオットが男みたいな名前だけど女の作家であることは知っていた。「サイラス・マーナー」も人の名前だとは思っていたが、何故か女の人の名前だと勝手に思い込んでいた。男の人で、しかも変り者の老人の話とは思いもよらなかった。

    しかし、こんな素敵な作家を今まで知らなかったなんて‼️最後がハッピーエンドなのはいかにもヴィクトリア朝だけど、思いもよらぬストーリー展開、人間の心の動き、人物の描き方、いずれも素晴らしい❗️

    それにしても、ジェーン・オースティン、ブロンテ姉妹、ヴァージニア・ウルフ、それにこのジョージ・エリオット、イギリスは秀逸な女性作家の宝庫だ。

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    2019年11月03日
  • サイラス・マーナー

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    親友と恋人に恵まれ幸せに暮らしていたサイラス・マーナー。2人の策略で失意のどん底に。新たな地で孤独の中、毎日機を織り、たまっていく金貨を眺めるのが唯一の楽しみとなっていたサイラス。ある日、心の拠り所の金貨が盗まれ、可愛らしい2歳の女の子がやって来たことで新たな人生が始まる。この時、知らぬ間にサイラスと運命を交差させた村の有力者ゴッドフリー。彼も運命の転換期を迎えた。大事なものを失い、新たに素晴らしいものを手に入れる2人だか、結末は驚くほど違うものだった。作者の宗教観も盛り込まれて深く読ませる作品だった。

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    2019年10月29日
  • サイラス・マーナー

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    孤独な機織りが主役ということで惹かれて読んだ。宗教観や階級のことをその当時の基準で語りながらも、どこかそれらの空疎さを辛辣に語っている目線が素晴らしい。読みながら思い浮かんだのはクイーンとデビットボウイの歌うUnder Pressure 「愛は古臭い言葉だけど、どうして愛にもう一度チャンスを与えてやらないんだ?」愛って恋愛の愛とは限らない。
    この本を書いた時エリオット41歳。
    若さと利己心、正義を求める心。老いることと許し。エリオットがこれを書いたのが、今の私の年と同年代だからこそ、その間に立って、どちらも理解できる気がした。

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    2019年09月25日
  • サイラス・マーナー

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    孤独な守銭奴サイラスが、失った金貨と引き換えに金髪の孤児エピーと出会うことで、彼の止まっていた人生が動き出すという物語。今作の面白かった点の一つは、サイラスとゴッドフリーの対比描写である。エピーを受け入れた結果、孤独を免れ幸せな人生を送ったサイラス。一方エピーを当初受け入れなかった結果、自らの秘密に怯え、子宝に恵まれない人生を送ったゴッドフリー。このような因果応報的な展開は読んでいて爽快だった。また、実の父ゴッドフリーとの血の繋がりよりも、育ての父サイラスからの愛情の方が大切であることをエピーが告白するシーンは、爽快以上に感動的である。

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    2025年10月29日
  • ミドルマーチ1

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    サイラス・マーナーの感触が良かったので、安心して手に取ってみたのだが。。。
    結構読みにくい。情報量が多いわけではないんだが、感情移入できないというか。この人の作品は姫野カオルコさんの作品にも通づる、ジェンダー縛りな世の中の生きづらさと戦うことへのアホらしさと大事さを通して「死ぬまでにどんだけ自分に対して頑張れたのかよお前」っていうのがテーマで。頭からっぽな人間に限って表面しか見えないグレーズドドーナツみたいな考えを人に押し付けるが、しかし本質を知っている人間が幸せかと言ったらそーでもないんだよな。

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    2022年06月06日
  • サイラス・マーナー

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    ネタバレ

    時代における女性云々の解説には興味がないが、キリスト教云々には感じることがある。
    サイラスが無実の罪を着せられて故郷を去り、後年そこを訪問して事実を知ろうとしたとき、そこはすでになくなっていた。神の下した罰で燃え尽きたソドムの町ように。ダンスタンにも同様である。
    パリサイ人のごとき信仰の礼拝堂は跡形もなく、苦しみの後に下された愛と思いやりという最上の恵みはキリストへの信仰を象徴するかのようだ。
    しかしながら、読書とは登場人物の悲しみや苦しみにこそ深い共感と追究心がわくもので、幸せになった彼らにはよかったね、という軽い感情程度しかわかぬものなのだな。
    喜びにこそ感動が大きくあってほしいのに、情け

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    2021年07月10日