佐藤郁哉のレビュー一覧

  • 大学改革の迷走

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    大学改革の目的は一体何だったのか?大学改革ということそのものが目的になった壮大な国を挙げての「改革ごっこ」の愚かさを著者は怒りを持って吠えている!という感じ。同感するところ多く、痛快な切り口に快哉を覚える。大学改革でシラバス、PDCA,KPI,「選択と集中」、ルーブリックなどの用語があたかも万能の小道具のように文科省が主張し、それを大学に補助金、検査、自己点検などの場面において強要している。しかし、シラバスは米国のものとは似ても似つかぬお仕着せの和製・画一化されたものであるし、PDCAもまた、日本の産業界で導入されたものが、果たして大学に有効なのか、マイナスなのではないかという検証も杜撰!日本

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    2021年09月18日
  • 大学改革の迷走

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    同志社大学で教鞭を取る著者が、迷走する大学改革の実態と、文科省を主体とした行政の迷走に伴走し続けた大学自身も含めて批判的にその実態を取りまとめた一冊。

    本書の趣旨は、「PDCA、大学院拡充、EBPMといった言葉だけが一人踊りし、大学改革は実態なき運動になったどころか、かえってムダな”改革ごっこ”に大学関係者のリソースを費やさせたという点でむしろ害悪になっている」という大学行政に関する批判である。これを読むと、なんとなく改革ごっこに過ぎない運動なのだろうと思っていたことが、ここまで酷い実態になっているということが明らかになり、改めて驚かされる。

    若干、著者個人の”私怨”が見え隠れするため、そ

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    2020年01月04日
  • 大学改革の迷走

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    <目次>
    序章   大学解体から大学改革の解体へ
    第1章  Syllabusとシラバスの間~和風シラバスの呪縛
    第2章  PDCAとPdCaのあいだ~和風マネジメント・サイクルの幻想
    第3章  学校は会社じゃないのだよ!~残念な破滅的誤解から創造的誤解へ
    第4章  面従腹背と過剰胴長の大学現場~実質化と形骸化のミスマネジメント・サイクル
    第5章  失敗と失政からなにを学ぶべきか?~大学院拡充政策の破綻と「無責任の体系」)
    第6章  英雄・悪漢・馬鹿~改革劇のドラマツルギー(作劇術)を越えて
    第7章  エピデンス・エピデンス。エピデンス…~「大人の事情」を越えて

    <内容>
    6年越しの本だそうで

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    2019年11月29日