ターリ・シャーロットのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ私自身の体験で何度か事実を誠実に伝えても、納得されない人がいることを知っていたので、人はどのように事実以外を見ようとするのかが気になり、この本を手に取りました。
本書を読む前では人は感情や気分に作用されるため、事実でも通じないのだと漠然と考えていたが、本書を読むことで理解できたと感じた。
影響力の七つの鍵となる以下
①事前の信念
②感情
③インセンティブ
④主体性
⑤好奇心
⑥心の状態
⑦他人
を本書はあげている。
私の見解では②と⑥で考慮していたということだが、それ以外の項目を本書の説明を読み理解することで、とてもまとめられていて納得できた。
①に関しては価値観として感情の判断にもなり得るものと認識していたため違和感なく納得できたが、③④は結構な盲点だった。
よく考えれば環境やその人の状態で左右されれることは当たり前だが、しっかりとまとめて考えることはできていなかったので、とても勉強になりました。
影響力といえば、
影響力の武器
という本が有名ですが、
物語での例での説明などもあって読みさすぐなっているので、影響力について学びたい方は読んでみて良い一冊だと私は思いました。 -
Posted by ブクログ
p13 どうやら他人に情報を与える機会は、内的な報酬をもたらすようだ
p15 私たちの信念を形作っているのは欲求だ。だとすれば、意欲や感情を利用しない限り、相手も自分の考えを変えることはないだろう
p24 新しいデータを提供すると、相手は自分の先入観(事前の信念と呼ばれる)を裏付ける証拠なら即座に受け入れ、反対の証拠は冷ややかな目で評価する。わたしたちはしょっちゅう相反する情報にさらされているため、この傾向は両極化の状況を生み出し、それは時を経て情報が増えるたびに広がっていく
p27 だがこれは問題の半分に過ぎない。もう半分は、情報のいいとこどりが行われていることに気づかないでいる点だ。情報は人知れずふるいにかけられているため、わたしたちの目の前に提示されるのは、もともと自分がもっていた意見に即したものが多くなる。つまりこういうことだ。グーグルなどの検索エンジンに調べたいキーワードを入力すると、あなたの過去の検索やウェブ履歴に基づいて、カスタマイズされた検索結果が表示される。
検索の考慮には、位置情報も入ってくる
このプロセスは人を弱くする。自分とは異なる意見の潮流を知らずして、どうしたら合理的に真実を見分けることができるだろう。テクノロジーによる確証バイアスを最小限に食い止めるには、次のような行動が有効になる。匿名ブラウジングや履歴を無効にする。SNSで常連以外とつながる
p30 確証バイアス
自分の気に入らない意見には耳を貸さず、都合の良いところばかり受け入れる人たち
p32 認知能力が優れている人ほど、情報を合理化して都合のよいように解釈する能力も高くなり、ひいては自分の意見に合わせて巧みにデータを歪めてしまう
p34 新しい信念が形成される時、4つの要因が関与する。もともと持っていた信念(事前の信念)、事前の信念に対する確信、新しい証拠、そして新しい証拠に対する確信である。
p40 情報は事前の信念に応じて評価される。新しいデータが、すでに確立した信念とかけ離れるほど、そのデータの信頼性は低く見積もられる
p42 MMRワクチンの副作用への不安を払拭しようとするよりも、子どもたちを重病から守るワクチンの力を強調する方が、予防接種に対する意識に変化が見られたのだ。もとの考えを根絶やしにするのが難しいときには、新しい種をまくのが正解かもしれない
p44 わたしたちは本能的に、自分が正しく他人が間違っている証拠を大量に抱いて議論に挑もうとしがちだが、それでは袋小路に入り込んでしまう。
反対意見をもつ人々は頭から拒絶するが、必死になって反証を探そうとするだろう。変化をうまく導入するには、ゆえに共通の動機を見い出せば良い。共通の目的を見つけたら、次に必要なのはメッセージが伝わるように感情に働きかけることだ
p56 影響を与え合う最も強力な方法の一つが、感情を用いることだ
p61 ツイッターを利用することは、日常生活において最も感情を刺激する行為の一つ
ツイッターはインタネットの扁桃体
p82 ずっと先に起こるかもしれない悪い結果よりも、すぐにわかる良い結果を強調することが状況を一変させたのだ
p154 意見を求めるかどうかの決め手となるのあh,その知識を自分の有利に活用できるかどうか、そしてその評価に対して自分がどんな気持ちをいだくと思うのかの2点である
p155 他のすべての条件が同じならば、人は希望をもたらす情報を求め、失意を招く情報を回避する傾向をもつ
そして最終的には、あなたの発した情報が恐怖でなく希望を導き出すおう、メッセージを再構成することだ
p160 脅威にさらされると、もっているすべての力を、その瞬間を生き延びるという一つの目的に集中させるだ
p163 つまりストレスが強いほど、予期せぬ悪い知らせを聞いて自分の見解を変える傾向が強まった
p170 生命に関わる状況下では、危険を回避することがまさに最善策になり得る。しかしより良い決断がくだされる場面でも、人は本能的に安全な道を選んでしまう
p174 わたしたちは自分の心の状態を意識的に変えて、本能的なパターンを打開することができる
p228 このとき意思決定につかわれるのがヒューリスティックという方法で、素早く単純で直感的なこの方法は思考の近道と呼ばれる。
p238 言葉、l文字、印刷技術、ラジオ、テレビ、インターネット
技術発展が加速し、環境が急速に変化したこの数千年であまり変わらない存在 人間の脳
p250 人に影響を及ぼすには、命令するより自分でコントロールさせたほうがずっと効き目があることを思い出してほしい。悪いことよりも良いことが起こる可能性を強調したメッセージのほうが、人々の注意を引きつける力をもっている -
Posted by ブクログ
一言結論:
事実やデータに基づいた言い方、考え方、生き方を考え直させるアプローチは必読。日本語訳のタイトルの付け方には若干疑問が湧く構成かも。
感想:
研究者でなくとも、客観的事実やデータはもっとも説得力のある根拠だと信じる人は少なくありませんし私もそのひとりでした。しかしこの本は、なぜそのアプローチでは人が変わらないのか丁寧に解説してくれます。実際そのアプローチが有効だという幻想は数々の争いを生んでいますから、今一度人間とは何なのか多くの人が考え直すべきだと思います。
こういう、相手が人間であることを強く意識させてくれる本はもっと広まるべきだと思います。
しかし日本語タイトルから想起される章は5章までです。それもそのはずで、原文タイトルは「The Influence Mind」大きく影響について述べている本なので、タイトルに釣られて読み始めた私が言うのも変なのですがタイトルの付け方は今流行りの手法かなと。ただそれを差し引いても日常に活かせる良本だと思いました。
脳科学者がいろんな実験結果をベースに語ってくれる本は面白いですね。私の意見はそれでは変わりませんが。 -
Posted by ブクログ
止める人の言葉より電話の相手の言葉に従ってしまう特殊詐欺の被害者。
家族より教祖の話を聞いて献金をする身内。
既存の科学よりニセ科学を信じて啓蒙する隣人。
事実や正論、正しい情報を伝えても、なぜ彼らはそれを受け入れられないのか。それは、事実を伝える "だけ" では人の心を動かせないから!
近年の科学が明らかにした、相手を自身の意図に従わせ動かす、説得力と影響力の本質とは。脳科学が解き明かす〈人の動かし方〉の極意が本書の中に!
-------------------------------------------------------------------------
原題を直訳すると『影響力のある心』。本書でまず解るのは、人は自身が自覚しているよりずっと深く、他者の影響を受けていて、それが自身の行動や決断・判断に影響を及ぼしていることだ。そして、影響を与える側は自覚してか無自覚かを問わず、本書で解説されている技術を行使している。つまり、相手の行動に影響を与えるには、その相手を騙し洗脳するくらいの技術と覚悟が必要なのだ。
一方で、本書で解説されている事項は、もちろん悪用もできるが、目的が正しければ、他者に正しい道を歩ませたり誤った道から戻したりすることもできる。そして、育児・子育てにも応用できる!
親の背を見て子は育つ、という諺があるが、実際は言動から表情まで、全てを見て子は育つものということが本書で解る。子の健やかな成長を願うなら、認知科学や脳科学の知識も仕入れることを選択肢に含めるのもいいだろう。例えば、本書のような。 -
Posted by ブクログ
身も蓋もない言い方をすると
「『何を言うか』よりも『どう言うか』が大事」
ということを述べる一冊なんだな。
穏当に丸めたが、『誰が言うか』も大事だということであろう。
なのでサブタイトルになっている「説得力と影響力の科学」のほうが本の内容に即している。
原題は「THE INFLUENTIAL MIND:What the Brain Reveals About Our Power to Change Others」
著者は認知神経科学の人だというが、認知心理学よりも脳に関する実験寄りってことかな。現在では両者の境界線は薄くなっているのだろうけど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
プロローグ試される自由の価値
1アンデシュ・ハンセン デジタルツールが蝕む心身
2ロルフ・ドベリ ワクチンの普及で世界は団結せよ
3ジャック・アタリ 国民の命を真央る経済へ
4ネイサン・シナイダー 地域間の雇用を守る協同組合のあり方
5ダニエル・コーエン 経済的な基盤を失た人たちの怒り
6ダグラス・マレー 移民は有史以来、最大の複雑問題
7サミュエル・ウーリー 無秩序な陰謀論がなぜ拡散されるのか
8ターリ・シャーロット ポピュリストは人々にコントロール感を与える
9スティーウブン・マーフィー 困難を乗り越えるハートフルネスの力
全体主義・非科学の暴走を止められるか
p78多くのビジネスは協同組合モデルからうまれた
雑誌voiceの連載記事まとめ本
エピローグ