あらすじ
人はいかにして他者に影響を与え、他者から影響を受けているのか?
教室や会議室といったリアルな場所からネット上のSNSまで、私たちはみな、毎日何かしらのかたちで他者に影響を与え、また受けながら生活をしています。
しかし、私たちはその重要な行為についてどれだけ自覚的なのでしょうか?
もっと上手に他人の意見を変えることはできないのでしょうか?
本書では、「客観的な事実や数字は他人の考えを変える武器にはならない」など、認知神経科学が近年発見した数々の驚くべき研究結果を示し、他人の説得しようとするときに私たちが陥りがちな罠と、それを避ける方法を紹介します。
イギリス名門大学教授が教えるとっておきの「説得の技法」、ぜひご一読ください!
*2018年 イギリス心理学会賞受賞作
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人の意見が想像以上に、誰かの意見に影響を受けている物だと思いました。
特定の誰かの意見を変えたいと思ったら、相当な労力とパッションが必要だと思いました。
コスパ的に考えて、切り捨てて、別のガチャの方が良さそうと思いました。
Posted by ブクログ
「事前の信念」「感情」「インセンティブ」「主体性」「好奇心」「心の状態」「他人」という7つの視点から人がどう考えを変えて、もしくは変えないのかを解き明かす本。
なんとなく人は見たいものだけ見る、とは分かっていたがそれを複数の視点から説明してくれる。
また心理状態に依ってはその状態に合わせて情報を扱ってしまうという非合理さが何とも人間らしい。
Posted by ブクログ
人の意見を変えるのは難しく、それは、変えようとしている自分の力量不足というより、それが普通ということを知り、それを元に、どうしようかな!と考えさせてくれました。
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話が長い
なんの話かわからなくなるのは翻訳本で良くある話なので我慢
知識としてはなるほどと頷ける話
・事前の信念 相手の信じていることを否定したり、自分の信じてることを押し付けるだけではダメ
・感情 感情は伝染しやすい
・インセンティブ 快楽で動く、恐怖では動かなくなる(変化させたくない時は恐怖が良い)
・主体性 自分でコントロールしてるという感覚が満足感に繋がる
・好奇心 知りたくない情報は目に入りにくい、心地よい情報ばかりを受け入れてしまう
・ストレス ストレスがあると正確に情報が判断できなくなる
・他人 人は真似る、他の人に流される
Posted by ブクログ
面白い。
訳者の以下の文が、この本の良さを伝えている。
「読み進めるうちになるほどと思うのは、著者シャーロットが率先して、それらのポイントを活用している点だ。簡単に言えば、読者は次第に影響されていく。事実なデータの羅列で読者の主体性を損なうのではなく、たとえば研究論文をストーリー仕立てにすることで、読み手はどんどん先を知りたくなる。著者自身の生き生きとした私生活のエピソードに惹きつけられて、いつのまにか感情が同期してしまう。随所に散りばめられたユーモアに頬も心も緩んでしまうから、著者の話を受け入れやすくなるし、自分にもできるかもとポジティブな気持ちが湧いてくる。」
自分自身も他人も、取り扱いは適切に丁寧に行なって、最大のプラスの効果を狙っていこうと思わせてくれる本。
なお。この訳者は芸術系の演劇学部出身。意外なキャリアも面白かった。
Posted by ブクログ
「自分は比較的賢くて正しいことを言う方だ」と思っている人ほど、事実を示されても意見を変えないし、逆に理論武装してより反論してくるようになる。結局は感情が先に来ていることを、人はもっと自覚したほうがいいのだろう。
Posted by ブクログ
事実はなぜ人の意見を変えられないのか?
このなぜ?を実験の内容やストーリーでわかりやすく説明してくれている。
そして、どのような条件であれば人は他人の意見を聴く気になり、行動しようとするのかも載っている。
認知神経科学という切り口のためか、脳内の動きや進化心理学的な要素も多く、個人的には面白いと思った。
日常生活でも使える技術が載っているので、興味のある方は是非読んでほしい。
Posted by ブクログ
今のところ、今年の自分のベストブック。医学的や科学的に根拠のあることでも信用できないと主張する人がたくさんいることを常日頃不思議に思っていた。そう考えてしまう脳の仕組みがあるようだ。この本を読んでなるほどと思った。
Posted by ブクログ
実のところ、今日の私たちは押し寄せる大量の情報を身に受けることで、かえって自分の考えを変えないようになってきている。マウスをクリックするだけで、自分が信じたい情報を裏づけるデータが簡単に手に入るからだ。むしろ、私たちの信念を形作っているのは欲求だ。だとすれば、意欲や感情を利用しない限り、相手も自分も考えを変えることはないだろ
ハイライト (黄)位置No. 281新しいデータを提供すると、相手は自分の先入観(「事前の信念」と呼ばれる)を裏づける証拠なら即座に受け入れ、反対の証拠は冷ややかな目で評価する。私たちはしょっちゅう相反する情報にさらされているため、この傾向は両極化の状況を生み出し、それは時を経て情報が増えるたびに広がって
ハイライト (黄)位置No. 285実のところ、自分の意見を否定するような情報を提供されると、私たちはまったく新しい反論を思いつき、さらに頑なになることもある。これを「ブーメラン効果」と
ハイライト (黄)位置No. 379自分の意見を裏づけるデータばかり求めてしまう傾向
ハイライト (黄)位置No. 379確証バイアス」と呼ばれて
ハイライト (黄)位置No. 386分析能力
ハイライト (黄)位置No. 386高い人の方が、そうでない人よりも情報を積極的に歪めやすいことが判明しているの
ハイライト (黄)位置No. 408認知能力が優れている人ほど、情報を合理化して都合の良いように解釈する能力も高くなり、ひいては自分の意見に合わせて巧みにデータを歪めて
ハイライト (黄)位置No. 430新しい信念が形成されるとき、四つの要因が関与する。もともともっていた信念(事前の信念)、事前の信念に対する確信、新しい証拠、そして新しい証拠に対する確信で
ハイライト (黄)位置No. 544もとの考えを根絶やしにするのが難しい
ハイライト (黄)位置No. 544は、新しい種をまくのが正解なのかもしれ
ハイライト (黄)位置No. 830た。 自分が何かしらの気持ちを抱いただけで、人々の感情を変えられるという事実を、心にとめておくべきだろう。同様
ハイライト (黄)位置No. 831他人の感情が私たちの気持ちを変えることもある。私たちは常に相手と、そして周囲のすべての人々と互いに同期し合っているの
ハイライト (黄)位置No. 940自然は人類を苦痛と快楽という、二人の主権者の支配のもとにおいてきた。われわれが何をしなければならないかということを指示し、またわれわれが何をするであろうかということを決定するのは、ただ苦痛と快楽だけである。……苦痛と快楽とは、われわれのするすべての
ハイライト (黄)位置No. 943われわれの言うすべてのこと、われわれ
ハイライト (黄)位置No. 943考えるすべてのことについて、われわれを支配して
ハイライト (黄)位置No. 1333コントロールを失うというのは心を乱される感覚だ。 自分のいる環境をコントロールする能力が奪われてしまったら、たくさんの人がストレスや不安を感じる
ハイライト (黄)位置No. 1351コントロールすること」と「影響を与えること」は密接に関連して
ハイライト (黄)位置No. 1355他人に影響を与えるためには、コントロールしたいという衝動を押さえ込み、相手が主体性を必要としているのを理解することだ。人は自分の主体性が失われると思ったら抵抗するし、主体性が強まると考えたら、その経験を受け入れ報酬とみなすものだから
ハイライト (黄)位置No. 1540自分の人生をコントロールしていると感じられる人は、より健康で幸せだ(
ハイライト (黄)位置No. 1581コントロール感に必要なのは「感じること」なの
ハイライト (黄)位置No. 1582命令するのではなく、「主体性」を大切にしながら相手を最終的なゴールへ導く方が
ハイライト (黄)位置No. 1592イケア効果というのは、「自分が作ったものには、他人が作ったまったく同じものよりも価値を
ハイライト (黄)位置No. 2295人間は怖じ気づくとリスクの高い
ハイライト (黄)位置No. 2295を避け、無難な手段を選ぶ傾向があるから、チャンのような賭けに出ることはあまり
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感情に訴えたり、ダメな部分を批判せずポジティブなところを評価すると相手を説得しやすいんだなぁ、とか、まあごく当たり前の結論に行くのだけど、そこに至るまでの論理のプロセスが非常に丁寧。難点を挙げるとすればタイトルだろうか。これはちょっとネガティブな印象があるし、「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」という問いの理由に直接的にこの本は答えてはいないんだよね。変えられないよ、と言ってはいるけど。The Influential Mindから直接とって、「影響される心」としてもよかったのではないか。ワクチン反対派にリスクを説明するよりも、ワクチン接種すると子供の命が守れますよ、と言うと説得される話とか、今大事な話だと思うんだけどねぇ。
Posted by ブクログ
非常に読みやすく、人はどのように判断しているかをエビデンスと具体例でわかりやすく説明してくれている。
1.快楽で動かし(ゴー反応)、恐怖で凍り付かせる(ノーゴー反応)
人を動かしたい時は権限を与える(主体性)
2.事実では人は説得できない。共通の動機を見つけ、感情を同期させる。
感情は伝染やすい。人は他人の意見に影響されやすい。
3.バイアスを避けるためには、個人の中の「賢い群衆」を利用する。
賢い群衆:日にちをあけて繰り返し見直すことで、客観的になれる。
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他人に動いてもらいたい(行動を促したい)ときは、ポジティブイメージで伝える。他人に止めてもらいたい(行動を抑制したい)ときは、ネガティブイメージで伝える。
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取引で一番損をしているのは自分で銘柄を選ぶ人というワードに深く刺さってしまう。分かっていながら私は選択をする。私のお金だから私で選択したくて仕方ない。支配したい。たとえ損する可能性が高くてもやめられない。
他の人の選択に自分が惑わされる話はなぜだろう協調性かなと思っていたけど前の人の方が自分の知り得ない情報を持っているかもしれないから選択に倣うというのは確かに生存戦略として正しかったのだろうな。事例を挙げつつ説明してくれるので腑に落ちやすくとても良かった。翻訳も良い。
人に権限を与えると行動を促すことができるし、説得するには感情を同期したほうがいい。バイアスから逃れるには日をあけて繰り返し見直すと良い…
文明の速度に体の進化がついていかないからバイアスが時にマイナスになることもある。それを頭に入れつつうまく自分をコントロールしていきたい。
Posted by ブクログ
Twitterで見かけたので読んでみた。人の意見に影響を及ぼす要素として、事前の信念、感情、インセンティブ、主体性、好奇心、心の状態、他人がある。これら「脳の働きを決定づける中心的要素」がそれぞれどのよう影響を与えるか明快な例えを用いて解説してくれる。
なるほどと思うことや身に覚えのあることが多く書いてあった。車よりも飛行機のほうが怖いというのはわかる。飛行機の浮遊感が苦手なのだと思っていたが、それはコントロールできないからなのだろう。アンダーパスは楽しいまである。
科学が発達して人間はどんどん賢くなっている気になっているけれど、脳は槍を持って野を駆け回っていた時代からあまり変化していない。論理的な思考で行動できることは存外少なく、感情が行動の大きな指針であることは変わっていないのだろうと感じた。そこの認識と実際のギャップが大きいゆえに本書の内容が意外に感じる気がする。
本書を読むように外部から見ると人間は単純だと感じるが、他人ごとではないのだろう。その単純さは良くも悪くも利用されている。
社会の中で人として生きていく以上、すべてを拒否して生きていくことは難しい。もし仙人のように霞を食って生きていければ可能かもしれないが。それでも人生のなかで大きな決断をするとき、本書を思い出したい。
頭のいい人ほどデータを(意図せずとも)歪曲しやすいのは皮肉だなと思った。
Posted by ブクログ
事実で人の意見は変えられない。なぜなら、客観的なデータというものが出てきたのは最近のことで、脳はそれよりも古い価値基準で動いているからだ。相手の意見を変えようとして幾ら自分の意見を補強するデータを集めても無意味で、むしろ逆効果ということ。ならばどうすればいいかが実験結果とともに書かれており、とても興味深かった。脳の働きを知って、なかなか自分でも上手くコントロールできない脳を上手く使っていきたいと思う。
Posted by ブクログ
人を動かす・人に影響を与えることについて心理学と脳科学の両面から迫った内容です。以前読んだ「影響力の武器」に近い内容だなと感じました。
脳科学に関しての記述に少し難しさを覚えました。とても興味深く読み終えることができました。
個人的には、人を動かすにあたり「主体性を持たせて選択させる」という内容に関して、仕事における社内外で活用ができるかもしれないと感じました。
Posted by ブクログ
私自身の体験で何度か事実を誠実に伝えても、納得されない人がいることを知っていたので、人はどのように事実以外を見ようとするのかが気になり、この本を手に取りました。
本書を読む前では人は感情や気分に作用されるため、事実でも通じないのだと漠然と考えていたが、本書を読むことで理解できたと感じた。
影響力の七つの鍵となる以下
①事前の信念
②感情
③インセンティブ
④主体性
⑤好奇心
⑥心の状態
⑦他人
を本書はあげている。
私の見解では②と⑥で考慮していたということだが、それ以外の項目を本書の説明を読み理解することで、とてもまとめられていて納得できた。
①に関しては価値観として感情の判断にもなり得るものと認識していたため違和感なく納得できたが、③④は結構な盲点だった。
よく考えれば環境やその人の状態で左右されれることは当たり前だが、しっかりとまとめて考えることはできていなかったので、とても勉強になりました。
影響力といえば、
影響力の武器
という本が有名ですが、
物語での例での説明などもあって読みさすぐなっているので、影響力について学びたい方は読んでみて良い一冊だと私は思いました。
Posted by ブクログ
データのみでは人は動かず。一章のボリュームが丁度よく、読みやすかったし為になった。読んでいて、人間機械論を思い出した。よくできてるのか、ポンコツなのか。
Posted by ブクログ
p13 どうやら他人に情報を与える機会は、内的な報酬をもたらすようだ
p15 私たちの信念を形作っているのは欲求だ。だとすれば、意欲や感情を利用しない限り、相手も自分の考えを変えることはないだろう
p24 新しいデータを提供すると、相手は自分の先入観(事前の信念と呼ばれる)を裏付ける証拠なら即座に受け入れ、反対の証拠は冷ややかな目で評価する。わたしたちはしょっちゅう相反する情報にさらされているため、この傾向は両極化の状況を生み出し、それは時を経て情報が増えるたびに広がっていく
p27 だがこれは問題の半分に過ぎない。もう半分は、情報のいいとこどりが行われていることに気づかないでいる点だ。情報は人知れずふるいにかけられているため、わたしたちの目の前に提示されるのは、もともと自分がもっていた意見に即したものが多くなる。つまりこういうことだ。グーグルなどの検索エンジンに調べたいキーワードを入力すると、あなたの過去の検索やウェブ履歴に基づいて、カスタマイズされた検索結果が表示される。
検索の考慮には、位置情報も入ってくる
このプロセスは人を弱くする。自分とは異なる意見の潮流を知らずして、どうしたら合理的に真実を見分けることができるだろう。テクノロジーによる確証バイアスを最小限に食い止めるには、次のような行動が有効になる。匿名ブラウジングや履歴を無効にする。SNSで常連以外とつながる
p30 確証バイアス
自分の気に入らない意見には耳を貸さず、都合の良いところばかり受け入れる人たち
p32 認知能力が優れている人ほど、情報を合理化して都合のよいように解釈する能力も高くなり、ひいては自分の意見に合わせて巧みにデータを歪めてしまう
p34 新しい信念が形成される時、4つの要因が関与する。もともと持っていた信念(事前の信念)、事前の信念に対する確信、新しい証拠、そして新しい証拠に対する確信である。
p40 情報は事前の信念に応じて評価される。新しいデータが、すでに確立した信念とかけ離れるほど、そのデータの信頼性は低く見積もられる
p42 MMRワクチンの副作用への不安を払拭しようとするよりも、子どもたちを重病から守るワクチンの力を強調する方が、予防接種に対する意識に変化が見られたのだ。もとの考えを根絶やしにするのが難しいときには、新しい種をまくのが正解かもしれない
p44 わたしたちは本能的に、自分が正しく他人が間違っている証拠を大量に抱いて議論に挑もうとしがちだが、それでは袋小路に入り込んでしまう。
反対意見をもつ人々は頭から拒絶するが、必死になって反証を探そうとするだろう。変化をうまく導入するには、ゆえに共通の動機を見い出せば良い。共通の目的を見つけたら、次に必要なのはメッセージが伝わるように感情に働きかけることだ
p56 影響を与え合う最も強力な方法の一つが、感情を用いることだ
p61 ツイッターを利用することは、日常生活において最も感情を刺激する行為の一つ
ツイッターはインタネットの扁桃体
p82 ずっと先に起こるかもしれない悪い結果よりも、すぐにわかる良い結果を強調することが状況を一変させたのだ
p154 意見を求めるかどうかの決め手となるのあh,その知識を自分の有利に活用できるかどうか、そしてその評価に対して自分がどんな気持ちをいだくと思うのかの2点である
p155 他のすべての条件が同じならば、人は希望をもたらす情報を求め、失意を招く情報を回避する傾向をもつ
そして最終的には、あなたの発した情報が恐怖でなく希望を導き出すおう、メッセージを再構成することだ
p160 脅威にさらされると、もっているすべての力を、その瞬間を生き延びるという一つの目的に集中させるだ
p163 つまりストレスが強いほど、予期せぬ悪い知らせを聞いて自分の見解を変える傾向が強まった
p170 生命に関わる状況下では、危険を回避することがまさに最善策になり得る。しかしより良い決断がくだされる場面でも、人は本能的に安全な道を選んでしまう
p174 わたしたちは自分の心の状態を意識的に変えて、本能的なパターンを打開することができる
p228 このとき意思決定につかわれるのがヒューリスティックという方法で、素早く単純で直感的なこの方法は思考の近道と呼ばれる。
p238 言葉、l文字、印刷技術、ラジオ、テレビ、インターネット
技術発展が加速し、環境が急速に変化したこの数千年であまり変わらない存在 人間の脳
p250 人に影響を及ぼすには、命令するより自分でコントロールさせたほうがずっと効き目があることを思い出してほしい。悪いことよりも良いことが起こる可能性を強調したメッセージのほうが、人々の注意を引きつける力をもっている
Posted by ブクログ
データのみにて人は動かないし、そもそも自分にとって都合のいい話を積極的に受け入れかつ強化するというのは確かに身に覚えもある。
事実はともかく、主体性を持ってる感というのはなかなか応用が利きそう。
Posted by ブクログ
反対意見は受け入れられず、同調意見は拾われる。これは、一般的な人間の脳の反応だということ。
トランプ支持の極端な思想の持ち主に、事実を持ち出して間違っていると言っても、受け入れられる可能性は低いと言わざるを得ない。
相手が受け入れられるところから合意を得ながら進めたい方向に近づけていくしかないようだ。なかなか難しいことだ。
もっと身近なところで活用していこう。
Posted by ブクログ
「とても重要なメッセージを持つ人や、最も役に立つ助言のできる人が、必ずしも絶大な影響力を持つわけではないように私は感じる。怪しげなバイオ技術に数十億ドルを投資できるよう説得できた起業家がいる一方で、地球の未来のために取り組むように国民を説得できなかった政治家もいる。」(7p)
著者が「わかりやすい例」として取り出したのは、2015年9月大統領共和党候補者の決定に寄与した討論会のTV番組である。カーソン候補は「知性」を狙ってきたのに対して、ドナルド・トランプ候補はその他全ての部分に訴えたのである。結果、ドナルドが大統領になった。
現在、大量の情報が個人に押し寄せている。そのことで、かえって自分の信念に固執するようになっている。彼らが意見を変えるのは、「意欲や感情に訴えかけられた時」である。この本は脳科学者らしく、その事やその他の要因を一冊かけて詳細に述べてゆくだろう。
以下私的メモ(これは、私に有用だと思える事柄を羅列したメモであって、皆さんに分かりにくい書き方もある。読み飛ばしても構わない事柄です。もし、以下の事柄があなたにも有用だと感じられたとしたら、それはあなたが主体的に感じ取ったからです)
・事前の信念を持つ人に対して、間違いを証明しようとすると拒否感が出る。共通点に基づいて話をすることによって、相手の行動に影響を与える。
・アイデアを伝える最も効果的な方法の一つは、気持ちを共有すること。感情はとりわけ伝染しやすい。
←芸能人のコロナ死は、だからあの時最も効果的だった。
・電光掲示板に「現在の手洗い率」をリアルタイムで示すことで、10%から一気に90%に跳ね上がった。
←3、4月に都内の駅や交差点の人出率を毎日テレビで映したのは、だから最も効果的だったということなのだろう。実際一気に人出率が下がった。
・恐怖や強制によって行動させ影響を与えることは難しい。反対に、選択肢を与えて主体性を高めると、相手は話を率直に聞く。大切なのは、認識であり、客観的事実ではない。「今日は◯◯の日よ」と思い出させる、というやり方で行動に移させるという認知症老人への呼びかけもある。
・映画「サイドウェイ(2004)」で主人公マイルスが「メルローなんて俺は死んでも飲まないぞ」と言ったために、メルローの売り上げかガタ落ちした。反対に彼が好んだピノノワールはうなぎ登り。両親や影響力のある人を真似るのは、本能。
・ヒトは言葉を発して数万年経ち、5200年前に書き言葉が現れ、600年前に印刷技術、20世紀初頭にラジオ、50年代に一般人向けテレビ、90年代からインターネット、現代では誰もが情報を共有して他人に影響を与えるようになった。しかし、数万年間、脳の基本的な組織に著しい変化は見られない。
←つまり、「昔ながらのやり方」で大量の情報を処理しきれない大衆に影響を与えることは、実際可能なようだ。コロナ禍後の世界が心配だ。
←しかし、脳から脳へ、直接影響を与える実験は既に始まっているらしい。「第四間氷期」のように死人の脳から犯人を見つけるのはもう直ぐなのかもしれない。
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おもしろい感じ。ワクチン恐怖の話からはじまってる。
まあ意見にまっこうから反論しても対立がふかまるだけなので、いろいろ手段考えてチェンジしましょう、みたいなの。
Posted by ブクログ
止める人の言葉より電話の相手の言葉に従ってしまう特殊詐欺の被害者。
家族より教祖の話を聞いて献金をする身内。
既存の科学よりニセ科学を信じて啓蒙する隣人。
事実や正論、正しい情報を伝えても、なぜ彼らはそれを受け入れられないのか。それは、事実を伝える "だけ" では人の心を動かせないから!
近年の科学が明らかにした、相手を自身の意図に従わせ動かす、説得力と影響力の本質とは。脳科学が解き明かす〈人の動かし方〉の極意が本書の中に!
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原題を直訳すると『影響力のある心』。本書でまず解るのは、人は自身が自覚しているよりずっと深く、他者の影響を受けていて、それが自身の行動や決断・判断に影響を及ぼしていることだ。そして、影響を与える側は自覚してか無自覚かを問わず、本書で解説されている技術を行使している。つまり、相手の行動に影響を与えるには、その相手を騙し洗脳するくらいの技術と覚悟が必要なのだ。
一方で、本書で解説されている事項は、もちろん悪用もできるが、目的が正しければ、他者に正しい道を歩ませたり誤った道から戻したりすることもできる。そして、育児・子育てにも応用できる!
親の背を見て子は育つ、という諺があるが、実際は言動から表情まで、全てを見て子は育つものということが本書で解る。子の健やかな成長を願うなら、認知科学や脳科学の知識も仕入れることを選択肢に含めるのもいいだろう。例えば、本書のような。
Posted by ブクログ
身も蓋もない言い方をすると
「『何を言うか』よりも『どう言うか』が大事」
ということを述べる一冊なんだな。
穏当に丸めたが、『誰が言うか』も大事だということであろう。
なのでサブタイトルになっている「説得力と影響力の科学」のほうが本の内容に即している。
原題は「THE INFLUENTIAL MIND:What the Brain Reveals About Our Power to Change Others」
著者は認知神経科学の人だというが、認知心理学よりも脳に関する実験寄りってことかな。現在では両者の境界線は薄くなっているのだろうけど。
Posted by ブクログ
色々学びがあるけど、1番面白いと思ったのは、人は皆、他の人ととても違っていて個性的でありたいと思っているが、ほとんど差がないことが述べられているところ。そう考えると、お互いに理解し合えることはたくさんあるはずで、このことを知るだけで自分とは別の人「他人」との付き合いがもう少し上手くやれるような気がする。
Posted by ブクログ
評判ほどの本ではなかった。どうでもいい例示ばかりで頁数を稼いでいる割には、読んでても当たり前のことしか書かれておらず。まあ読まなくてもよかったかな。