赤神諒のレビュー一覧
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購入済み
また一気読みでした
史実の合間を埋めていくストーリー、登場人物に無駄がなくやがて史実と著者が紡ぐドラマが混然一体となり感動を呼ぶ。また涙しながら読み終えた。著者には早く立花道雪の一代記を世にだして頂きたいと切に願っている。
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大友宗麟に仕える柴田治右衛門は出自の卑しさから目的の為には手段を選ばず、殺人、裏切り、盗みを行う男であったが宗麟の側室マリアと恋仲に落ちたことでマリアを連れて出奔しようとしたところ、かつて仕えた戸次鑑連に捕らえられる。
捕えられた獄中で打首の沙汰を前にこれまでの悪行を悔い、鑑連、宣教師トルレスの無常の愛に触れ、キリスト教に帰依する。
恩赦により打首を免れ、野津で蟄居となった柴田治右衛門は大友に迫る島津の侵攻を前に天徳寺リイノとして召し出され、瀕死の大友を救うべく立ち上がる。同じキリスト教を信仰しながら変われた治右衛門と変われなかった宗麟の対称性、鑑連とトルレスの人間への深い愛情が描かれており面 -
購入済み
うかつにも
唐沢山城へは何度か訪れ、その素晴らしい縄張に目を奪われてばかりいた。この本に書かれた、民衆から大英傑まで登場させてさもありなんと思わせる重厚なストーリーは相変わらず見事。赤神諒ワールドだ。感動を胸に改めて唐沢山城を登城しようと決めた。
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甲斐の武田晴信(後の信玄)、駿河の今川義元、相模の北条氏康の三者が同盟関係を結んだという出来事を巡って、本作の物語は進展する。
本作の主な視点人物、主人公は向山又七郎という武田家の家臣である。その関係で武田晴信は作中人物として登場するが、今川義元や北条氏康は存在が示唆されている、或いは作中人物達が言及するに留まっている。
戦国大名の家中には、様々な役目を担う人達が在った。或いは家中の人達は各々に様々な役目を担った。
「戦国時代」と言えば、「○○の戦い」というような合戦も重要だが、合戦以外の外交交渉も大切である。また合戦そのものに関しても、戦いの幕引きで刃を交えた相手との交渉という必要が生じる場 -
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ネタバレ時は元禄、佐渡の金銀山が水との闘いに敗れ衰退していく中、振矩師の静野与右衛門(よえもん)は、江戸から来た奉行に広間役の間瀬吉大夫(ませきちだゆう)の助手として、能面男の起こしたとされる怪事件の真相解明にあたることになる。生真面目な与右衛門はグウタラ侍の吉大夫が実は切れ者という事に納得せず、吉大夫のやる事の意味を理解できない。振矩師として佐渡を救うには水抜きをするしかない、と振矩師の師匠と決意するも、師弟は別々の仕事を割り当てられ大忙しで、与右衛門は奉行に会うことも許されない。地道な捜査で吉大夫が真相に近づくにつれ、吉大夫に魔の手が及ぶ。
佐渡の金銀山をめぐる陰謀の謎を解く時代ミステリー。あくま