ジェラルディン・マコックランのレビュー一覧
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児童図書と言っても、
私に取っては
骨太でずっしりとくるテーマでした。
所々にセント・キルダの言い伝えが
美しい言葉とともに描き出されて
とても味わい深かった。
世界のはてという絶景の様子もまざまざと
目前に広がっているように感じられ
その表現の素晴らしさは
岩島での過酷さを体感として迫ってくるようで
とてもとてもつらかった。
一体、この話はどこへ辿り着くのだろうと
恐ろしかった。
実話がベースになっていたとは驚きです。
主人公クイリアムの母の言葉に
「壺いっぱいの善意と清潔な耳があれば
どこにいたって幸せでいられる。」
というのがありました。
読んでいる途中でつらい時
私自身、その言葉 -
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孤島に取り残された子供たちの物語
その昔、実際にあった出来事だけれども詳細な資料がを残されていない事件を元にしたフィクション
以下、公式のあらすじ
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ぼくは生きる、もう一度愛する人に会うために
海鳥を獲りに無人島に渡った12人。
だが約束の日が過ぎても迎えの船は来ない。
厳しい自然の中、少年は仲間とともに生きのびるために闘う。
『不思議を売る男』の著者が実際の事件をもとに描いた勇気と成長の物語
カーネギー賞受賞作
子供9人大人3人を乗せた船が、スコットランドのヒルダ島から、無人島へと出帆した。孤島で海鳥を獲る旅が、少年達にとっては大人への通過儀礼な -
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ネタバレ・あらすじ
スコットランドのヒルタ島から鳥漁のために大人3人、子供9人を乗せた船が離れ岩へと出航。3週間で島へ戻るはずがいつまで経っても迎えが来ず、そこでサバイバルすることになる。
主人公は14-16歳?の想像力豊かな男の子。
資源や食べ物もろくにない岩に取り残された過酷な状況で心身が擦り減る日々を想像力で皆の心を和ませ、勇気づけてこの局面を脱しようとするクイリアムが良い子だった。
癖がある他のメンバー、閉鎖空間で起こる人間関係の軋轢、縋るものや信じるものがあるとはいえかなりキツイ
かなり過酷な状況だけど淡々としてる文章で読みやすかった…けど私のあんまり詩的な文章得意じゃないから所々であんま -
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15歳のメイドのグローリアは逃亡した首相(マダム・スプリーマ)の影武者になるよう首相の夫ティモールに命じられ、国の水害に立ち向かう。
国のトップは嘘付きでメディアの情報も嘘だらけで事態は悪化。嘘がどんどん溢れる中、グローリアは最初はスプリーマの振りだけだったのもなんとかしなくてはと思う様になる。
人的被害も多数出て、食べ物は無くなり、都市部の働き手は全員工場に閉じ込められ、子供の体調は悪化、不安と不満がたまる国民たちという険しい状況はどの様に収束するのか予測がつかず読み応えあった。
そんな殺伐としたなかでも登場する犬が癒し。
描かれる人物は凄く人間味が溢れてた。
グローリアとティモールが -
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長雨で洪水が発生する中、アフェイリア国の最高指導者であるスプリーマがこっそり逃げてしまう。国が洪水に飲み込まれてしまう危機に瀕し、スプリーマの夫は、本人が戻ってくるまでメイドの女の子にスプリーマのふりをさせることを思いつく。そのメイドの女の子の、冒険と成長の物語です。
小学生向けの書棚にあり、表紙のイラストが可愛かったので購入しましたが、とても読み応えがありまし
た!
大雨で川が氾濫し、人々が避難する描写はとても緊迫感があり大人の私が読んでも恐ろしいなと感じました。小学生の時に読んでいたら、どう感じただろう。
これは、1927年にアメリカのミシシッピ川流域で実際に起きた災害をモデルにしている -
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ネタバレ舞台はスコットランド西のセント・ギルダ諸島。3人の大人と9人の子供たちが、陸地から離れた海上の岩山で海鳥を捕まえる伝統の鳥猟を行っていたが、約束の日になっても迎えの船が現れず、何もない岩山でのサバイバル生活が始まるというお話。
読みながらどんなところなのか気になって実際の場所の写真を見たのだけれど、こんな岩山で遭難生活を送るなんてあり得ないようなところで、しかもこれが実話ベースというところに事実は小説よりも奇なりというのを強く感じました。
ヨーロッパのこの手の話はやっぱり信仰が重要な位置を占めるので、哲学的な深さがあるのが興味深いですよね。
漂流した少年たちのサバイバル作品としての目新し -
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アフェイリア国では大雨が2か月つづき、洪水の危険が迫っているが、指導者たちは偽りの安全安心情報を出すばかりで、ただ手をこまねいている。そんななか、最高指導者の「スプリーマ」がこっそり逃げ出してしまい、彼女の犬と夫が残された。夫は、スプリーマのメイドで15歳のグローリアに代役をさせることを思いつく。グローリアは、街に出ていって人々を力づけ、人気を博すが、だんだんそれだけではやっていけない政治の闇があらわになる……。
むむむ……断章をつみかさね、すばやい切りかえを駆使しながらテンポよく語るというねらいなのかもしれないけど、その分、サイドストーリーも増え、話の流れが複雑になった印象。グローリアが政 -
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YGの旗手たる筆者の最新作の文庫化。
YGの筋から少しそれている感がしたのは私だけだろうか。
英国の厳しい環境にある島で実際に有った事件をもとにフィクションで膨らませて行った技巧は評価できるものの 起きた現実を具に検証すると、果たして未来の大人になる摂台に『勇気と希望を与えるものか』と首を傾げざるを得なかった。
英国は欧州の中でもつとにファンタジーモノが得意、人気もあり 高いレベルを誇っている(個人的に、余り好みではないのだが。日本では変にマスコミのあおりがってか キャッチコピーが踊っている感が強い)
ファンタジーという予測で読んでいくと半ばで気持ちがねじれて行くと思う。
子供9人と大人3人 -
Posted by ブクログ
・ジェラルディン・マコックラン「世界のはての少年」(創元推理文庫)を読んだ。所謂ファンタジーかと思つて読み始めたのだが、どうも趣が違ふ。読んでゐるうちに、結局、ファンタジーとは全く関係のない作品だと分かつた。カバーには「YAの名手が実際の事件をもとに描いた、勇気と成長の物語。」とある。最初にこれを読んでゐればと思ふ。たぶんYAだらうが何だらうが買つたはずである。ただ、ファンタジーとして読み始めるのと、「実際の事件をもとに描いた」物語を読み始めるのとでは、言はば、意気込みが違ふ。その意味ではいささか迂闊であつた。その「実際の事件」はいつ、どこで起きたのかといふと、1727年 に、スコットランド西
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ネタバレ実話を元にしたサバイバル小説。
(実際は子供8人・大人3人で、全員無事帰還)
信仰から雲行きが怪しくなってきた。
大人(校長)でさえロープのせいにして自殺を図ろうとしたり、いじめっ子の足の指が凍傷て壊死してしまい切断したり、針の番人に拘る余り死んでしまったり、無事帰還したものの住民の殆どが天然痘で死んでおり、12人が帰ってきたことでようやく人口が倍になったり。
ウイリアムの〜の番人とそれぞれに名ずけてやる気を与える考えは素晴らしいし、自身の物語の番人っぷりも凄い。音楽の番人、時間の番人、ロープの番人など。
同じく、ウイリアムはマーディナの空想に救われている部分が強く、他の人から魔女だ妖女 -
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ネタバレどんでん返しもの、という前情報があって
手にとった一冊だったので
どんなどんでん返しがすぐにわかった。
伏線もところどころ出てきていたから。
明るい話かな?と思いきや全然違う。
幽霊たちのさまざまな過去にページを巡る手が重い。
でも、あとがきにてこれは本当にあったことを練り込んで
かかれた本だと書いてあり、重みに意味があることを知った。
中盤、どんでん返しがあってからは
どんなふうに物語が進んでいくのかが気になって
スムーズに読み進められたと思う。
登場人物がカタカナのものは慣れておらず読みにくく、
何度も誰だっけ、、と見直すこともあった。
幽霊たちの悲しさや寂しさによる黒いカビが、
最後