ジェラルディン・マコックランのレビュー一覧

  • アフェイリア国とメイドと最高のウソ

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    ネタバレ

    表紙に惹かれただけだったけどとても面白かった。
    読み進めていくとダークなことに気づき、お気に入りのキャラクターまで亡くなってしまうのはショックでした。ボクルマ、クレム少年( ; ; )
    クスッと笑えるところも沢山あり、特に後半のグローリアとティモールの会話は楽しかったです。
    希望的な事も沢山起こり、ずっと楽しむことができました。
    デイジーとハインツの子供!ハインツは最後どこに住んでいるのだろう。
    クレム少年のオペラハウス( ; ; )

    0
    2025年12月20日
  • 世界のはての少年

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    児童図書と言っても、
    私に取っては
    骨太でずっしりとくるテーマでした。
    所々にセント・キルダの言い伝えが
    美しい言葉とともに描き出されて
    とても味わい深かった。

    世界のはてという絶景の様子もまざまざと
    目前に広がっているように感じられ
    その表現の素晴らしさは
    岩島での過酷さを体感として迫ってくるようで
    とてもとてもつらかった。

    一体、この話はどこへ辿り着くのだろうと
    恐ろしかった。
    実話がベースになっていたとは驚きです。

    主人公クイリアムの母の言葉に
    「壺いっぱいの善意と清潔な耳があれば
    どこにいたって幸せでいられる。」
    というのがありました。
    読んでいる途中でつらい時
    私自身、その言葉で励ましていました。

    瑞々しい若い頃に読んだなら
    確実に自分の価値観に影響を与える一冊になったような気がします。
    もちろん、今、瑞々しくはなくても
    大いに自分の価値観に刺さる一冊になりました。

    0
    2023年12月13日
  • ロイヤルシアターの幽霊たち

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    劇場を復活させたい少女が、劇場にいる幽霊達の生前の話を聞きつつ、交流し、協力して問題に対処するお話。
    本書での幽霊になることの解釈がとても優しくて、温かい気持ちになれるお話でした。

    0
    2026年06月28日
  • 世界のはての少年

    匿名

    購入済み

    面白かった。
    恒例のはずの航海だったのに、迎えが来ない。
    寒い、ひもじい、痛い。何が起きてるか分からない。
    ただでも辛いのに、帰れないから余計に辛い。
    団結して知恵をしぼってのりきろうにも、意地の悪いのはいるし、気力無くすのはいるし、勘違いするのもいるし、思春期だし、なんかいろいろだし。
    そんな中で、物語が子供たちを支えていく。
    その物語はきっと、島の歴史や、日々の営みに支えられている。

    ゆるい書き方をしちゃったけど、本文に描かれた痛みも寒さもとても生々しい。
    読後の印象は、冬の星空みたいにきらきらしている。

    #ドキドキハラハラ #深い

    0
    2024年12月20日
  • 世界のはての少年

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    孤島に取り残された子供たちの物語
    その昔、実際にあった出来事だけれども詳細な資料がを残されていない事件を元にしたフィクション

    以下、公式のあらすじ
    ---------------------
    ぼくは生きる、もう一度愛する人に会うために
    海鳥を獲りに無人島に渡った12人。
    だが約束の日が過ぎても迎えの船は来ない。
    厳しい自然の中、少年は仲間とともに生きのびるために闘う。
    『不思議を売る男』の著者が実際の事件をもとに描いた勇気と成長の物語
    カーネギー賞受賞作

    子供9人大人3人を乗せた船が、スコットランドのヒルダ島から、無人島へと出帆した。孤島で海鳥を獲る旅が、少年達にとっては大人への通過儀礼なのだ。だが約束の2週間が経っても、迎えの船は姿を現さない。この島から出られないのではないかと不安がつのり、皆の心を蝕み始める。そんななか年長の少年クイリアムは、希望を捨てることなく仲間を励まし、生き延びるために闘う。そして……。カーネギー賞を受賞した、感動の冒険物語。
    ---------------------

    イギリス セント・キルダ諸島はスコットランドの遥か西に位置する
    海鳥が集う島で、春から夏は鳥達が何万羽も巣を作る。
    そこに集まってくる鳥達を捕まえ、肉、卵、油、羽毛が彼らの生命線
    大人への通過儀礼として数人の大人が引率して、子供たちが数週間「戦士の岩」と呼ばれる岩だけの島で狩猟を行う風習がある
    1727年の夏、9人の子供と3人の大人がヒルタ島から戦士の岩へと渡った
    3週間で迎えの船が来るはずが、何週間経っても船は来ない
    戦士の岩で子供たちがどんな生活をしていたか
    冬になるにつれて乏しくなる食料、怪我や病気をしても油を飲み、塗るしかない状況
    極限状態に置かれた人は、何を考え、何を頼りにし、どう行動するのか?
    船がやって来ない理由を、キリスト教の終末のお迎えから漏れたと捉える者
    宗教、妄想、役割、使命、救済
    後に9ヶ月後に船が来るが、何故船は来なかったのか?


    主要人物
    子供の中で最年長のクイリアムと親友のマード
    横暴なケネス、カラム、ラクラン、ジョン、ユアン、ニール、ディヴィッド
    大人は校長のファリス先生、職人のドーナル・ドン、教会の墓掘りコル・ケイン

    登場人物の詳細な年齢は一人以外明言されていない
    その一人は14歳だというので、全体として小学校低学年から高校生くらいまでの年齢層を想定して読んだ

    息の詰まるような閉塞感と過酷な状況

    十五少年漂流記のような冒険感はない
    どちらかというと蠅の王に近いけど、そこまでドロドロしていない
    まぁ、私は両方とも未読なんですけどね


    1727年と明らかになるのは中盤あたり
    生活レベルとして低めというのはわかるけど、離島という状況もあってどの程度昔なのか推測しにくい
    産業革命前はまだだし、日本でいったら江戸時代の中期あたり
    当時、宗教の権威がまだまだ幅をきかせていた時代背景があるのでしょうね

    宗教観が物語を読み解く上で大事な気がする
    文字も読めずに知識がないにも関わらず、勝手な解釈で宗教を利用するコル・ケイン
    それに雷同する子供たち

    人は原因がわからない出来事に対して理由が説明されれば多少は納得する
    終末の時が来て島の人達は天使のお迎えがきた
    自分たちはそれに漏れた
    しかし、天使が迎える人を漏らすわけがなく、いずれ自分たちのところにも迎えがやってくるという解釈
    これなら過酷な環境でもいずれ来るお迎えのために生き延びようとするかもしれない

    はたまた、クィリアムのように、自分の中で憧れの人であるマーディナを心のなかで恋人のように扱うか

    または、自分に課せられた役目に殉じるか

    人それぞれの信念があってもいいと思う

    要は、自分の存在意義をどう置くかという問題だろうか


    それにしても、コル・ケインは何とかならなかったのか?
    楳図かずお「漂流教室」の関谷みたいな印象を持った

    他の大人二人が何とも歯がゆい
    ドーナル・ドンは職人で腕っぷしが強いはずなので、いざとなったら力付くでなんとかなったと思うんだけどね
    途中からは骨折してしまうから仕方がないとして、それよりも前にどうして行動に移さなかったのか疑問
    ファリス先生は知識階級なんだろうし、子供たちを導くような行動をとって欲しかったなぁ


    そして、一番ツッコみたいところは、登場人物紹介のアレ
    もしミステリだったら許されない表記だぜ?

    これは実話をベースにしているわけで
    1927年の夏、8人の少年と3人の男がヒルタ島から戦士の岩と呼ばれるアーミンという離れ岩に渡り、そこに9か月間置き去りにされた
    この事件の詳細について、当時の記録はほとんど残っていない

    となると、物語的に追加された一人があの子という事なのでしょうねぇとも思う

    0
    2024年06月10日
  • 世界のはての少年

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    スコットランドのヒルタ島から鳥漁のために大人3人、子供9人を乗せた船が離れ岩へと出航。3週間で島へ戻るはずがいつまで経っても迎えが来ず、そこでサバイバルすることになる。
    主人公は14-16歳?の想像力豊かな男の子。

    資源や食べ物もろくにない岩に取り残された過酷な状況で心身が擦り減る日々を想像力で皆の心を和ませ、勇気づけてこの局面を脱しようとするクイリアムが良い子だった。
    癖がある他のメンバー、閉鎖空間で起こる人間関係の軋轢、縋るものや信じるものがあるとはいえかなりキツイ
    かなり過酷な状況だけど淡々としてる文章で読みやすかった…けど私のあんまり詩的な文章得意じゃないから所々であんまりピンとこなかったり。
    しかし最後がかなり衝撃的だった…所詮オーナーにとっては代えのきく取るに足らない存在なんだよな。

    ヒルタ島は今はもう無人島で、グーグルマップでみるとこんな島に人が住んでたのかと驚くレベル。
    実はこの事件は1727年の夏に実際に起こったことらしい!(記録が残ってないから詳細不明)

    ヒルタ島に伝わる「世界が終わっても、音楽と愛だけは生き残る」という言い伝え通りクイリアムの世界は一度終わってしまった。

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    2024年03月03日
  • アフェイリア国とメイドと最高のウソ

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    15歳のメイドのグローリアは逃亡した首相(マダム・スプリーマ)の影武者になるよう首相の夫ティモールに命じられ、国の水害に立ち向かう。

    国のトップは嘘付きでメディアの情報も嘘だらけで事態は悪化。嘘がどんどん溢れる中、グローリアは最初はスプリーマの振りだけだったのもなんとかしなくてはと思う様になる。

    人的被害も多数出て、食べ物は無くなり、都市部の働き手は全員工場に閉じ込められ、子供の体調は悪化、不安と不満がたまる国民たちという険しい状況はどの様に収束するのか予測がつかず読み応えあった。

    そんな殺伐としたなかでも登場する犬が癒し。
    描かれる人物は凄く人間味が溢れてた。
    グローリアとティモールがいいコンビ。

    著者があとがきで買いてある様にこれは起こり得ること。嘘に踊らされてる国民は他人事じゃないと思う。有事の際に何を信じるか、果たして自分で判断出来るだろうか?

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    2024年02月19日
  • アフェイリア国とメイドと最高のウソ

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    あとがきを読んで、この話がアメリカで実際に起きた災害をモデルに書かれていると知り、驚きました。
    成り行きで国の代表になったしまった主人公が有能ですね。

    忘れちゃいけないのが二匹の犬(チビも入れれば三匹)の存在です。
    気持ちのいいお話でした。

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    2024年02月15日
  • 世界のはての少年

    購入済み

    いい作品ではあるが…

    マコックランの作品は不思議を売る男以来二作品目でしたが、正直作品性の違いにただただ打ちのめされました…
    いい作品ではありますが、YA作品としておすすめできるかと問われると…うーん…自分が子供だったら、この結末は理解できなかったと思います…
    物語というものをテーマにしているのはマコックランらしく、むしろ大人の読者ではないとこの作品を理解するのは難しいんじゃないかなと思いました。

    #怖い #深い

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    2023年11月06日
  • ロイヤルシアターの幽霊たち

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    イギリスの海辺の町シーショーにある古びた劇場ロイヤルシアター。そこには幽霊が住み着いている。ある時その幽霊が見える女の子グレイシーがやってくる。
    静かに暮らしていた幽霊たちをグレイシーが引っ掻き回して、幽霊たちはグレイシーを腹立たしく思うものの、最後は良い終わりを迎える。
    読後は多幸感に包まれた。
    装丁が素敵。カバーを外して出てくる絵も可愛い。

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    2023年01月06日
  • ロイヤルシアターの幽霊たち

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    イングランドの海辺の街の廃墟となった劇場を舞台にしたファンタジー。劇場に住み着く辛い死に方をした幽霊たちと人間の女の子との交流、時代と共に変わるNGワードや礼儀作法。本質を突いた描写に深く考えさせられた。

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    2021年02月21日
  • ロイヤルシアターの幽霊たち

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    ほんために紹介されてたので読んでみた。廃墟になった劇場に住んでる幽霊と少女の話。幽霊さん達の境遇が年代も様々で興味深く、劇場の行末もドキドキしながら楽しめました。 

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    2026年03月27日
  • ロイヤルシアターの幽霊たち

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    ほんタメで『あかりんのどんでん返し3選』として紹介されていて、児童文学だけどちゃんと伏線があってひっくり返されるようなので、どんなもんかと手に取った。

    イングランドのシーショーにある劇場ロイヤルシアターは数年前に閉鎖され、様々な時代の個性的な幽霊たちが棲みついていた。劇場再生のためにやってきた俳優夫婦の娘グレイシーは、なぜか幽霊たちを見ることができ、生前の話を聞かせてくれとせがむ。最初は訝しんでいた幽霊たちも、やがてグレイシーに心を許すように。そんな中、劇場を壊そうと企む者が現れ…

    ロイヤルシアターに棲む幽霊たちの身の上話に切なさを感じつつ、グレイシーとのやり取りにホッコリする。

    ただ、どんでん返しを期待して読んでいる身からすると、そうでもなかったかな… 物語としてはいいお話だと思う。

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    2026年01月31日
  • ロイヤルシアターの幽霊たち

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    ほんタメで紹介されてて読んでみた児童書。こんな機会でもないとなかなか児童書読まないから新鮮だった!
    個性的な幽霊たちの経歴や考え方にこちらが考えさせられることも。生きてるより生きてる彼らに心動かされた。
    けど、思ったほどのどんでん返しはなかったかも?

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    2025年12月31日
  • アフェイリア国とメイドと最高のウソ

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    長雨で洪水が発生する中、アフェイリア国の最高指導者であるスプリーマがこっそり逃げてしまう。国が洪水に飲み込まれてしまう危機に瀕し、スプリーマの夫は、本人が戻ってくるまでメイドの女の子にスプリーマのふりをさせることを思いつく。そのメイドの女の子の、冒険と成長の物語です。
    小学生向けの書棚にあり、表紙のイラストが可愛かったので購入しましたが、とても読み応えがありまし
    た!

    大雨で川が氾濫し、人々が避難する描写はとても緊迫感があり大人の私が読んでも恐ろしいなと感じました。小学生の時に読んでいたら、どう感じただろう。
    これは、1927年にアメリカのミシシッピ川流域で実際に起きた災害をモデルにしているそうです。
    災害だけでも悲劇だけれど、非常事態の中ではびこるウソや差別、自分だけが良ければいいという傲慢さなど、人々の残酷な面があらわになるのがショッキングだなと思います。
    そんな物語の中で、お屋敷で飼われているゴールデンレトリバーのわんちゃんの天真爛漫さに癒され、散りばめられた仕掛けを楽しみ、最後まで読むことができました。

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    2025年11月11日
  • アフェイリア国とメイドと最高のウソ

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    アフェイリア国の最高権力者のマダム・スプリーマは、長引く雨による洪水に見舞われた時、国を捨てて逃げ出してしまう。残された夫のティモールは、困ってしまいマダムが戻ってくるまでのつもりで、メイドのグローリアにマダムのふりをさせることにする。
    なんとも驚きの展開で始まるストーリーだが、状況は二転三転、次々と明るみに出る不正と度重なる水没の危機。アフェイリア国とグローリアは、どうなるのか?

    とでもないストーリーなのだが、一気に読ませる。楽しく驚けるお話しだった。

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    2025年09月05日
  • 世界のはての少年

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    ネタバレ

    舞台はスコットランド西のセント・ギルダ諸島。3人の大人と9人の子供たちが、陸地から離れた海上の岩山で海鳥を捕まえる伝統の鳥猟を行っていたが、約束の日になっても迎えの船が現れず、何もない岩山でのサバイバル生活が始まるというお話。

    読みながらどんなところなのか気になって実際の場所の写真を見たのだけれど、こんな岩山で遭難生活を送るなんてあり得ないようなところで、しかもこれが実話ベースというところに事実は小説よりも奇なりというのを強く感じました。

    ヨーロッパのこの手の話はやっぱり信仰が重要な位置を占めるので、哲学的な深さがあるのが興味深いですよね。

    漂流した少年たちのサバイバル作品としての目新しさは正直なかったのだけど、この地域独特の風習なんかが面白い作品でした。

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    2024年12月18日
  • アフェイリア国とメイドと最高のウソ

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    アフェイリア国では大雨が2か月つづき、洪水の危険が迫っているが、指導者たちは偽りの安全安心情報を出すばかりで、ただ手をこまねいている。そんななか、最高指導者の「スプリーマ」がこっそり逃げ出してしまい、彼女の犬と夫が残された。夫は、スプリーマのメイドで15歳のグローリアに代役をさせることを思いつく。グローリアは、街に出ていって人々を力づけ、人気を博すが、だんだんそれだけではやっていけない政治の闇があらわになる……。

    むむむ……断章をつみかさね、すばやい切りかえを駆使しながらテンポよく語るというねらいなのかもしれないけど、その分、サイドストーリーも増え、話の流れが複雑になった印象。グローリアが政治的にけっこう詰んだ状況に置かれているのと、途中途中でけっこうな犠牲者や、動物の死がたくさん(でもさらりと)描かれるのも、リアルといえばリアルだけどちょっとつらい。

    「最高のウソ The Supreme Lie」とタイトルにあるけど、どれかひとつでバッチリ解決が生まれるわけじゃなく、スプリーマの振りをするといううそを皮切りに、いっぱい小さなウソを組み合わせ、そこに偶然のラッキーなども重なって大団円へ向かうという形かな。

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    2024年03月25日
  • 世界のはての少年

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    ・ジェラルディン・マコックラン「世界のはての少年」(創元推理文庫)を読んだ。所謂ファンタジーかと思つて読み始めたのだが、どうも趣が違ふ。読んでゐるうちに、結局、ファンタジーとは全く関係のない作品だと分かつた。カバーには「YAの名手が実際の事件をもとに描いた、勇気と成長の物語。」とある。最初にこれを読んでゐればと思ふ。たぶんYAだらうが何だらうが買つたはずである。ただ、ファンタジーとして読み始めるのと、「実際の事件をもとに描いた」物語を読み始めるのとでは、言はば、意気込みが違ふ。その意味ではいささか迂闊であつた。その「実際の事件」はいつ、どこで起きたのかといふと、1727年 に、スコットランド西岸沖のヘブリディーズ諸島、その西の果てにあるセント・キルダ諸島のヒルタ島で起きた。子供9人と大人3人が島に取り残されて冬を越さねばならなくなつたのである。日本では享保年間、八代将軍吉宗の時代である。これで分かるやうに、この物語は所謂無人島ものである。実際にはヒルタ島と呼べるやうな場所ではなかつたやうで、「こちらの舞 台は『島』ではなく、草木の一本も生えぬ『岩』であって」(「訳者あとがき」301頁)とある。その記録があるかと言へば、「彼らがそこで何を考え、いかにして生き残ったのかは、歴史に埋もれてしまっている。だれもそのときの記録を残さなかった。」(「著者あとがき」293頁)とある。つまり何があつたかは分かつても、具体的な記録はないのである。そんな中からこの物語は作られた。「一度ページをめくったが最後、途中で本を置くことはまず無理だらうが」(「訳者あとがき」 304頁)といふのはいささか言ひすぎだが、後半はそれに近くなる。ファンタジーとは全く違ふ物語であつたが、それとは別のおもしろさがあつた。
    ・実話に基づく無人島ものであるが、この事件の記録は残つてゐない。名前が記録されてゐるのかどうか。物語の登場人物には名前がある。大人3人は職業を持つ。子供達に職業がないのは当然だが、その代はりそれぞれに豊かな性格が与へられてゐる。作者としては何が起きたかを想像することも大変だつたであらうが、同時に子供や大人の性格付けもまた大変であつたらう。これが一人一人実にくつきりと描かれてゐる。一人の大人は教会の墓掘りだつた。「牧師の代理が務まるとは、だれも思っていない」(39頁)のに、いつの間にか牧師然とし始める。たかが墓掘りのくせにと思つても、なかなかそのやうにはできない。しかも火の管理をしてゐるのである。例へばこの一事だけでも11人の動きは違ふ。それだけでもおもしろい。そして鳥、何種かの鳥が出てくる。最後にまとめてある。「セント・キルダの鳥たち」(295〜297頁)である。これを見ると絶滅した鳥もゐる。オオウミガラスである。飛べないし陸上では不器用、無防備だが、代はりに「水の中では敏捷に泳ぐ。」(295頁)そんな鳥である。たまに姿を見せる。これを食ふことはなかつたらしく、人の近くに平気で行くやうであ る。その他の鳥はどうなのであらうか。フルマカモメはランプ代はりらしい。食ふのはカツオドリらしく、その幼鳥のグガは 御馳走だつた。このやうな鳥達も豊かに描かれてゐる。カツオドリの見張り役が王である。「このカツオドリさえつかまえてしまえば、あとは」(23頁)獲り放題である。それを最初につかまへれば「カツオドリの王として仲間内で君臨できるのだ。」(同前)さうして子供達の中心になつたクイリアムが主人公となる。鳥と子供達の豊かな個性で読ませる物語と書いて おかう。12人ゐるが11人になつた物語である。

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    2023年02月10日
  • 世界のはての少年

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    ネタバレ

    実話を元にしたサバイバル小説。
    (実際は子供8人・大人3人で、全員無事帰還)
    信仰から雲行きが怪しくなってきた。



    大人(校長)でさえロープのせいにして自殺を図ろうとしたり、いじめっ子の足の指が凍傷て壊死してしまい切断したり、針の番人に拘る余り死んでしまったり、無事帰還したものの住民の殆どが天然痘で死んでおり、12人が帰ってきたことでようやく人口が倍になったり。
    ウイリアムの〜の番人とそれぞれに名ずけてやる気を与える考えは素晴らしいし、自身の物語の番人っぷりも凄い。音楽の番人、時間の番人、ロープの番人など。
    同じく、ウイリアムはマーディナの空想に救われている部分が強く、他の人から魔女だ妖女だと言われるも(ジョンも女と発覚してから色々言われたが)、信頼のおける空想の喋り相手を作るというのは、考えの整理にもなるし、緊急時は真似てみたいものだ。
    ジョンは生理すら母親に教えてもらっておらず、いくら男として育てるにしても、極端だと思った。ウイリアムはマーディナと結ばれるが、ジョンもウイリアムのことを想っていたのもあり、苦楽を共に過し生き抜いた仲間という意味でも、女と初めて見破ったという意味でも、ウイリアムとジョンに結ばれて欲しかった。
    ジョンは女というだけで、やはり帰還後は、誰かと結婚して子供を作らざるおえないのだろうか。

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    2023年01月30日