ポール・モーランドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「日本は少子化問題で崩壊する」と予言している事に驚愕するが頷ける。それは本書にある人口動態での重要ポイント「経済力」「民族性」「社会的エゴイズム」があり、日本の現状は経済の低迷路線の選択と単独民族(単独民族の継承・移民不可)を継続していることだ。「崩壊」の主の理由である少子化問題は既に危険レベルにあり、幾ら労働者不足を科学技術で補おうと、また女性の地位と待遇改善を図ろうと手遅れに近いという。政治政策がこのままでは、日本の経済は成長が不可能で、若い夫婦が労働しても賃金的にも時間的にも子供を育てる環境がさらに失くなっていくと言うことだ。それは国家が増税と新税を繰り返しても、高齢者負担(医療・年金・
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Posted by ブクログ
未来を予測する確実な方法の一つが人口の推移を検討することである。日本の人口は減る一方、将来どうなるかの議論はある程度見慣れているが、世界に目を向けると様々な現象があって、非常に興味深い。例えば、アメリカではいわゆるWASPは減り、ヒスパニックが増えているというのが大勢だが、一部の宗教(ユダヤ教徒やモルモン教徒)は子沢山で、このような人たちが多く住むエリアは平均年齢も生産人口も多い。子供も同じ宗教を信じることが多いだろうから、長い目で身見ると、相対的にも絶対的にも影響力を増す、とか。また、先進国では、3つの指標のどれかを犠牲にする傾向がある。それは「経済力」「民族性」「エゴイズム」であるという。
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Posted by ブクログ
ネタバレヨーロッパが植民地を作れたのは、人口急増とそれに伴う流出のおかげ。アメリカとソ連が超大国になったのも人口急増による。中国、インドが注目されるのも人口が多いから。
前近代では、妊娠出産は抑制されなかった=多産多死。多産少死で人口が急増=第一の人口転換。
少産少死で合計特殊出生率が2人強を割り込むのが、第二の人口転換。
世界は長寿低死亡率を享受し、出生率が人口の増減を左右している。
増加するグリーン=環境回復、
増加するグレー=高齢化
減少するホワイト=アフリカの急増とヨーロッパの減少
乳幼児死亡率の減少は教育の普及によるもの。
外国生まれの母親は乳幼児死亡率が下げ止まる。医療サービスにとどかな -
Posted by ブクログ
18世紀、今から3世紀前、といえば昔のことではあるけれど、たった数百年で、人口は七倍になっている。
女性が一生に生む子供の数は減っているが、乳幼児致死率の減、また、高齢者人口の増加による。
バラ色の未来でもなく、暗黒の未来でもなく、今あることを正しく理解することの必要性を痛感させる。
日本の高齢社会についてもしっかり考察がなされている。
人口転換のスタートは遅かったにも関わらず、進行が早すぎ、欧州を追い抜いた、というのだ。
日本の高齢化の進行は歴史上最も早い。
これは、私が中学受験を志した小学3年生の頃から言われていたのだが、問題解決方法はおよそ30年前とあまり変わっていない。
一体なぜだ -
Posted by ブクログ
著者はイギリス・ロンドン出身の人口学者。人口動態に影響を与えるテーマ(乳児死亡率、人口増加、都市化、出生率、高齢化、高齢者の増加、人口減少、民族構成の変化、教育機会の拡大、食料入手可能性の向上)に沿ってデータやエピソードもとに解説している。
1つ面白いと思ったのは、人口の高齢化によって世界的に暴力的紛争が減少していると指摘した点。血気盛んな若者ではなく中年が多数を占める世の中では、自分の身を賭してまで世の中を変えようとする気概が生まれないのかも知れない。
以前読んだ「2050年 世界人口大減少」も本書の中で紹介されており、サハラ南の人口増加がそれほどでもなく、世界の人口は今世紀末ではなく今世紀