【感想・ネタバレ】人口で語る世界史のレビュー

あらすじ

人口を制する者が、世界を制してきた──

ロンドン大学・気鋭の人口学者が“人口の大変革期”に当たる直近200年を叙述。全く新しい教養書の誕生。

・産業革命のもといち早く人口を増加させた英国は、植民地政策のもと世界の覇権を握った
・猛追するドイツとロシア。人口膨張への脅威が各国を戦争へ駆り立てる
・ヒトラーによる優生学。人口増との大いなる矛盾のゆくえ
・日露戦争に勝利した大日本帝国は、世界の人口大国へ
・超大国アメリカの出現。人種・移民問題を端緒とする翳りとは
・戦後の復興も遂げた日本が、世界に先駆けて少子高齢大国へ陥った本当の理由
・王者・中国の14億人パワー。だが一人っ子政策の後遺症が。インドはいつ追い抜くか

「人口」に対して、「技術革新」「経済」「地政学」「為政者」「戦争」「宗教」「イデオロギー」「移民」「医療の進歩」「女子教育」「自己決定権」などの様々なファクターを掛け合わせ、アカデミックな裏づけのもと一般読者向けに書き下ろした決定版。

解説・堀内勉

※この電子書籍は2019年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

18世紀くらいから現在までの人口動向と世界の動きをその関連に着目しつつ読み解いていく。歴史の本を読んでると、この頃のイギリス人は何人いたんだろうとか、オランダは小さな国なのになんで植民地を持てたんだろうとか、ロシアはどうして広い国土を保てたんだろうとかの疑問が湧くことがあったから面白く読めた。この本のすべてを鵜呑みにはできないけれど、人口が軍事力であり経済力だというところは納得できる。

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2025年08月23日

Posted by ブクログ

18世紀、今から3世紀前、といえば昔のことではあるけれど、たった数百年で、人口は七倍になっている。
女性が一生に生む子供の数は減っているが、乳幼児致死率の減、また、高齢者人口の増加による。

バラ色の未来でもなく、暗黒の未来でもなく、今あることを正しく理解することの必要性を痛感させる。
日本の高齢社会についてもしっかり考察がなされている。
人口転換のスタートは遅かったにも関わらず、進行が早すぎ、欧州を追い抜いた、というのだ。
日本の高齢化の進行は歴史上最も早い。

これは、私が中学受験を志した小学3年生の頃から言われていたのだが、問題解決方法はおよそ30年前とあまり変わっていない。
一体なぜだ。

人口と国の運命が一心同体ならば、我々はどのように人口減少を乗り越えていかなければいけないのか。
それはこの国に生きるすべての者が考えるべき課題である。
考えを放棄するな、未来を諦めるな。
いつだって、明日のほうが今日より賢いはずだ。
人は愚かだが、バカではないし、私にも、あなたにも、どんな人にも、その力はあるはずだ。

歴史とは人口。
この新たな、しかし昔からある視点を契機として我々は未来を考え作っていくべきなのだ。

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2023年11月19日

Posted by ブクログ

各地域ごとの発展と人口の歴史。
産業革命がそれにより起こったという説明にはならないし、それが唯一の原因ではないとしているが、基本産業革命以降に国、経済が発展する際には、人口の要因があり、死亡率の減少、若年人口の増加、経済発展、出生率の低下/人口増(寿命の増加による)、経済の安定、というサイクルをたどる傾向があるとしている。
また、戦争や紛争は男性若年層が多いユースバルジが要因となり、今後はイスラム、アフリカの紛争は継続する可能性が高いとしている。

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2023年11月11日

Posted by ブクログ

人口から見た世界史。ヨーロッパが世界を制した理由が人口という切り口が斬新です。

武力や技術をあるけどある程度の人口の規模がなければ世界を制圧できない。

UKが拡大したのは移民の多さと繁殖力「人口置き換え」点を超えたから。

マルサスの人口論を超えた所と産業革命で拡大した。日本もそうだけど、移民が多く、人口増加がないと植民地は維持できない。

岸田首相が人口問題として少子化をとらえた初めての首相なのかな?

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2023年06月23日

Posted by ブクログ

純粋な人口増加だけではなく、生活の質を向上させる為の環境負荷の拡大も今後人口を語る上でのメインテーマになって来る。

中国は生活の質の向上の段階に入っているし、アフリカ諸国の多くは人口増加が加速する段階、インドはその中間、といった所か。

著者はロンドン大学の学者なので、イギリス、ヨーロッパそして欧米を始めに取り上げるが、それでも世界中を比較的まんべんなく俎上に載せている。欲を言えばもう少し南アジアにスポットを当てて欲しかったか。

ジュンク堂書店天満橋店にて購入。

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2023年05月27日

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