くぼあやこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
出だしはほのぼのした仲良し家族ものかな、と思ったら、そうではなかった。厳しい出生、生い立ちを超えて、大人になりかけてる三兄弟。寄り添うという以上に、いわば依存しすぎでもある現状からの脱皮、自立というようなものがテーマだと思う。事情はだんだん明らかにされる。読み進めてすぐに、主人公ヒロのグジグジした感じに、正直、イライラした。ハワイで生まれたという言葉の壁もあり、内向するのは仕方ないのはわかってきた。何かと力になってくれる優子さんの存在が、物語の後半になるに従って、大きくなる。血のつながりはなくても、家族と呼べて、支え合って日々を重ねていけるという確かな愛の物語だ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ親に捨てられた子供たちが一緒に暮らす物語。
一言で言うとそうなんだろうけど。。。
晴太君、ヒロと蒼と暮らし始めた時期、未成年だったのでは?出来るのかな?未成年だけで暮らすのって。。しかも蒼君は赤ちゃん?幼児だったよね??ますます分からない。。。そこでとてもモヤモヤ。そして、ヒロが自分を日本に置いて行った母親に会いにハワイに行って、ご飯食べるとこもなんかモヤモヤ。。今どき?なんだろうか?希薄さを感じてそこはあまり感情移入出来なかった。
でも出てくるご飯は美味しそうでワクワクしたり、かっこいい常連さんとヒロの恋路にヤキモキしたり、ヒロってハーフっぽいのかな?『私、日本人に見えますか?』ってあれは -
Posted by ブクログ
ネタバレコーヒーと惣菜を提供するお店「△」を営む三兄弟。仲の良い兄姉弟だけど、なんだか距離感がちぐはぐな雰囲気を感じる。
3人の生い立ちを知る頃には、その理由が明らかになるのだが、それまでのヒリヒリした不穏な空気や疾走感がたまらなく良くて、一息で読んでしまった。
仲間に入れて欲しいから、誰かを守ることを決めた。
一緒にいたいから、一緒に守ろうと決めた。
一見不純に見える動機でも、その行為が確かに蒼を守っていたのだと分かる。
そしてそれを受けての、
「3人の生活を守るために、いったん距離を置く」決意をした蒼が愛おしい。
晴太とヒロの、あの時からの決意が、ちゃんと報われて良かったと、胸が熱くなった。