岩竹美加子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これは日本の道徳教育が、素晴らしい理念と理想を掲げて健全な若者を育もう、という見せかけのものであること、さらには耳障りの良い学習指導要領が、よく読めば子どもたちを囲い込むものだというのが見えてきて、新たな視点を得られた本でした。
最後の方にあった「フィンランドの「『人生観の知識』が広く深い知、新しい知、自分自身の知への飛翔を誘うのに対し、日本の道徳は硬い壁と天井の空間に子どもを囲うようだ。それが子どもたちから奪うものは大きい。」のくだりが印象的。
内容は、フィンランドの高校の教科書を、センテンスごとに読み解いていくもので、高校生にわかりやすく、また自分自身で考えることをベースにしている。簡単な -
Posted by ブクログ
まだ読んでる途中だけれど!!!
これはみんな読むべきです。
「はじめに」を読んだ時点で、日本の教育に答えのない問いを考える授業ってあったかな?と考え込んでしまいました。
道徳がそれ(この書で言わんとしている人生観の知識という科目)にあたると書いてありましたが、わたしには少し違うような気がしています。もっと大事なことのように思います。
人生100年時代と言われる今、もっぱら生きていると、答えのない答えを考えることばかりです。
それなのに日本の教育では、そういったことをひたすら考え、みんなで議論し、自分らしい答えを導き出してみるという教育がなされているのか疑問です。
今からでも遅くない、この考え方 -
Posted by ブクログ
昭和21年文部省は「新教育指針」というものを出した。戦争についてきちんと総括し新日本の教育の重点を教育関係者の使命として創り上げようと呼びかけている。これはなかなかの方針である。この流れが実現されていれば日本は今のような国にはなってないだろうと思う。教育の理念がフィンランドの大事にすることと重なる気さえする。これらは戦後の逆コースと言われるものの中で薄められ消し去られたのだろう。
1971年に教師になった自分は憲法には誓約したが、この「新教育指針」を研修等で示された覚えはなく、教育は国家が国民に与えるものとして教えられた。そういう考え方が日本の支配層を貫いているのだからやり切れない。
自国だけ -
Posted by ブクログ
魅力いっぱいフィンランド
いつか自分の目でフィンランドの世界を見てみたい
日本の教育はこれからどう変わっていくだろう
文化的背景も踏まえると取捨選択は必要だけど、フィンランドの教育から学べることはたくさんありそう
兵役についても見識を深められた
✏フィンランドでは、教育の無償と平等が強調される
✏フィンランドには学習義務はあるが、学校に行く義務はなく、自宅などで学ぶことができる
✏フィンランドの校則は、「授業中人の邪魔をしない」「いじめない」「学校の備品は壊さない」など、基本的なことを述べている
服や髪についての校則はない
✏日本では2016年から選挙権年齢が18歳に引き下げられた -
Posted by ブクログ
フィンランドがPISA で読解力や科学的リテラシーなどのにおいて1位を獲得したことを知って、興味を持った。特に、「人生観の知識」という、日本の道徳にあたる科目が詳細に紹介されており、レベルの高さに驚いた。単なる知識だけではなく、思考力が鍛えられる。日本の教育にも活かせるところはあると思う。また、保育所は、朝食、昼食、おやつが無料であることに驚いた。働く母親に優しい環境が整っている。ただ、フィンランドの付加価値税は最大24%であるようだ。高福祉高負担の国と一概に比べることはできないと感じた。それでも、日本とのいろいろな違いがわかり、日本の教育について考えるきっかけになった。
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Posted by ブクログ
フィンランドの教育について、どのような教育制度があるのか、何をどのように教えているのかを制度そのものだけでなく、それを産み出す歴史や社会変化に注目しながら、自身の息子の教育経験をもとに解説。興味深かったのは、数十年前は教育制度も社会も日本とあまり変わらないというところ。その変化も描いているからこそ日本もどのように変わる可能性があるのかが見えてくる。また単純な北欧礼賛型、日本虚仮威しの論調ではなく、教育制度のなかにある、啓蒙的思想(上から目線感)、徴兵制度、軍役中のタテ社会、ナショナリズム、その根底にある母性礼賛など、フィンランドの社会のリアルが見えるのも面白かった。
しかし新書の類は、いつも -
Posted by ブクログ
フィンランドの学校には「人生観の知識」という選択科目があり、小学校から高校まで選択することができるそうです。そして、フィンランドの教育庁は「人生観の知識」という科目を次のように説明しているそうです。
「人生観の知識の出発点になるのは、すでに用意されたカリキュラムではなく、生徒が生きている世界とその現象である。自分の人生観をアクティブに形成、その根拠を内省し、それに影響を与えているファクターを分別する。
同時に、政治的、科学的、哲学的、思想的、ポピュラーカルチャーや宗教など、様々な一般的な世界観を考える。
人生観の知識は多分野で、人類学、哲学、心理学、生物学、地理学、歴史、文化、アート、 -
Posted by ブクログ
大学で教育について学んだことがあり、他国の教育はどんなことをしているのか気になり読みました。
内容は、フィンランドの人生観の授業内容の紹介でした。
一部の紹介ですが、内容が広いこと、日本のカリキュラムの考え方の違いにとても驚きました。
日本では、大学に行くための授業となりますが、フィンランドでは、今後の人生の選択のための人生観について多くの時間を割かれています。
私個人的には、フィンランドの教育方針の方が人としての成長は見込めると思います。
しかし、教育システムがそもそも異なるため日本では広がることはないのか??
帯に書いている10代の頃こういうことを教えて欲しかったは、少し難しい言葉 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「子供は国の宝だ」を体現した国。この本の中で一番心に残った言葉は「その子どもも、あるがままでかけがえない」。もう素敵な言葉すぎて自然と涙が出てました。日本がいかに教育に対してしっかりと向き合っていないのか、時代遅れなのかに気付けました。選挙って大事だな、とつくづく思い知らされました。こんな日本でいいのかと。今の日本の政治は、日本人の国民性に胡座をかいていると思う。日本人も日本人で平和ボケしている。日本が素晴らしかった時代はもうとっくの昔に過ぎ去っています。もちろん、日本のいいところは他にも山ほどありますが。少なくとも教育や子育てに関する制度は他の国から学ぶことが沢山あると感じました。私たちは、