【感想・ネタバレ】フィンランドの教育はなぜ世界一なのか(新潮新書)のレビュー

あらすじ

人口約五五〇万人、小国ながらもPISA(一五歳児童の学習到達度国際比較)で、多分野において一位を獲得、近年は幸福度も世界一となったフィンランド。その教育を我が子に受けさせてみたら、入学式も、運動会も、テストも、制服も、部活も、偏差値もなかった。小学校から大学まで無償、シンプルで合理的な制度、人生観を育む独特の授業……AI時代に対応した理想的な教育の姿を示す。

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Posted by ブクログ

昭和21年文部省は「新教育指針」というものを出した。戦争についてきちんと総括し新日本の教育の重点を教育関係者の使命として創り上げようと呼びかけている。これはなかなかの方針である。この流れが実現されていれば日本は今のような国にはなってないだろうと思う。教育の理念がフィンランドの大事にすることと重なる気さえする。これらは戦後の逆コースと言われるものの中で薄められ消し去られたのだろう。
1971年に教師になった自分は憲法には誓約したが、この「新教育指針」を研修等で示された覚えはなく、教育は国家が国民に与えるものとして教えられた。そういう考え方が日本の支配層を貫いているのだからやり切れない。
自国だけでなく世界を知らなければまたとんでもない世の中が来る。

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2025年01月26日

Posted by ブクログ

魅力いっぱいフィンランド
いつか自分の目でフィンランドの世界を見てみたい

日本の教育はこれからどう変わっていくだろう
文化的背景も踏まえると取捨選択は必要だけど、フィンランドの教育から学べることはたくさんありそう

兵役についても見識を深められた

✏フィンランドでは、教育の無償と平等が強調される

✏フィンランドには学習義務はあるが、学校に行く義務はなく、自宅などで学ぶことができる

✏フィンランドの校則は、「授業中人の邪魔をしない」「いじめない」「学校の備品は壊さない」など、基本的なことを述べている
服や髪についての校則はない

✏日本では2016年から選挙権年齢が18歳に引き下げられた。
しかし、自分の権利を充分教えられることなく、批判的思考や政治参加の訓練もほとんど受けないままでは、政治が身近な問題と直接繋がる事としては感じられないだろう

✏日本は、教育の公的負担が少ない。2018年のOECDの調査で、加盟国中の公的支出は最下位である

✏フィンランドの保護者組織は、学校生活のウィルビーイングを高めようとして、子どものために活動し、行政に影響を及ぼそうとする
日本のPTAは、子どものためと我慢して、したくもない活動に参加させられる。親同士が「ずるい」などといがみあい、入会しなければ子どもに不利益があると脅される

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2022年02月17日

Posted by ブクログ

フィンランドがPISA で読解力や科学的リテラシーなどのにおいて1位を獲得したことを知って、興味を持った。特に、「人生観の知識」という、日本の道徳にあたる科目が詳細に紹介されており、レベルの高さに驚いた。単なる知識だけではなく、思考力が鍛えられる。日本の教育にも活かせるところはあると思う。また、保育所は、朝食、昼食、おやつが無料であることに驚いた。働く母親に優しい環境が整っている。ただ、フィンランドの付加価値税は最大24%であるようだ。高福祉高負担の国と一概に比べることはできないと感じた。それでも、日本とのいろいろな違いがわかり、日本の教育について考えるきっかけになった。

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2020年12月31日

Posted by ブクログ

フィンランドの教育について、どのような教育制度があるのか、何をどのように教えているのかを制度そのものだけでなく、それを産み出す歴史や社会変化に注目しながら、自身の息子の教育経験をもとに解説。興味深かったのは、数十年前は教育制度も社会も日本とあまり変わらないというところ。その変化も描いているからこそ日本もどのように変わる可能性があるのかが見えてくる。また単純な北欧礼賛型、日本虚仮威しの論調ではなく、教育制度のなかにある、啓蒙的思想(上から目線感)、徴兵制度、軍役中のタテ社会、ナショナリズム、その根底にある母性礼賛など、フィンランドの社会のリアルが見えるのも面白かった。

しかし新書の類は、いつもインパクトの強めのタイトルがあるのだが、果たしてフィンランドが目指しているのが、世界一なのか、は大きな疑問だし、世界一を目指すというような姿勢自体を根本から見直す教育をしているのだと思う。

おそらく著者はそんなこと考えていないと思うのだが、出版社が販売促進のための大げさなタイトルをつけていると信じたい。

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2020年03月31日

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日本の学校教育は精神主義の側面が強く、そういった部分がPTAにも表れている。また、何か問題があっても具体的な解決方法が明確にされていないため、怒りの矛先が行政に向かいにくい、というのも面白かった。前半を読んだのが結構前なので読み直したい

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

読もうと思った理由
題名のそのとおり教育が日本と何が違うのか知りたいと思ったから

気づき
・入学に際して、ランドセルや新しい服など高価な買い
 物は必要ない。教科書や教材は学校において行くので
 ちいさな子供が毎日重いカバンを背に通学する必要は
 ない。持ち物すべてに名前を書く必要もない。学校と
 保護者の間の連絡や情報交換にはメールシステムが使
 われ、学校からの手紙やプリント類はほとんどない
・教育が無償であることに加え、国が17歳以上の人に
 給付型奨学金、学習ローン、家賃補助からなる学習支
 援を行う。この中で返済の必要があるのは、学習ロー
 ンだが保証人は国なので、親や親族が保証人になる必
 要はない
・優良とされる学校や大学はあるがその順位は日本のよ
 うに明確ではない。また出身校によるエリートと非エ
 リートの区別はない。どこの学校や大学を出たかより
 も、何を学んだか、さらにどう生き、何をしていくか
 が重要になる
・フィンランドでは父親も家事育児をするのは当然であ
 る。夫はおしめ替え、お風呂、掃除洗濯など率先して
 やっていた
・フィンランドに入学式はない
・日本の道徳は権利を教えず、こどもが「進んで義務を
 果たす」ことを求める。フィンランドの教育では国家
 と親にも義務があることを教えている。こどもには
 様々な権利がある
・子供はいじめられたり、いじめたりしているとき、あ
 なたには助けと支援を受ける権利がある。対処がより
 具体的である
・フィンランドは北欧のなかでは裕福な国ではない。ス
 ウェーデンやデンマークのように植民地をもった歴史
 はなく、富の蓄積はない

教育のかなりの無償化、学校間の社会的格差が少ない、
いじめへの社会的な対処、子供に対する権利意識など目からウロコのような例がたくさんあり、勉強させられました。日本はこどもへの義務意識が多くて権利意識を持たせることが少ない、また無駄に物品にお金を払い見栄をはったり、格式ばかり求めているようにも思えます。
でも実際のところいじめとか非行とかのネガテイブなところはそれでほんとうにあまりないのかという気もします。教育は国の根幹に関わることですので自分としても諸外国の良い点は意識として持っておきたいです。

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2021年04月20日

Posted by ブクログ

この方の経歴を見ると出産は、40代。
かなり遅い方のかた。もう少し子育てのお話をお聞かせ願いたかった。

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2020年03月27日

Posted by ブクログ

フィンランドの教育がわかる本。

学習する義務はあるが学校に行かなくてもいいっていうことに、はッとさせられた。
学び方は人それぞれなので、大事なことは自分自身の考えを持ちアクティブで良識ある人として成長することであることがわかった。

教育の場を平等に提供してあげることを心がけたい。

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2020年03月08日

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ネタバレ

福祉国家フィンランドの教育について、日本とフィンランドで子育てをした経験から述べた本。フィンランドの教育を権利、いじめ、性教育、兵役など様々な観点から切り取っている。

この手の本によくありがちな、経験だけで「やっぱり〇〇最高!日本はダメ!」と言ってしまうタイプの書籍ではなく、
しっかりと教育基本法や客観的データなどを参照しながら科学的根拠に基づいて語っており、そこに自身の経験を肉付けするという構成になっている。
そのため、説得力があり具体性にも富んでいる。

特に重要なキーワードは「教育のシンプルさ」だ。教育改革と言うと「何をすべきか」に意識が向きがちだが、日本の教員の長時間労働を鑑みると、むしろ「何をすべきでないか」に着目すべきだと思わされた。

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2020年01月27日

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私は日本の教育にいくらか疑問は持っているが、抜本的な改革を、とまで強い意志はない。
しかし、世界の良いと言われている国の教育は知っておきたいと思って手に取った。

本書の中で日本との違いが挙げられており、なるほどこれを日本でやるには色々大変(腰が重そう)だと感じた。
歴史や社会情勢が異なるのは想定していたが、実際に具体的なことを知ると、動ける人間は少ないだろうなと思った。

ただ、小学校から自分で考える(大学のように受ける科目や時間割も)システムはあると良いなと思った。
昭和の教育を受けてきた私は、どうしても「こうあるべき・これだけ正解」のような思考に偏りがちだ。
今はいろんな人と話、色んな文献を読み、海外で実際に見てきたので、いくらか思考に広がりは感じているが、幼い頃から訓練していれば、もっと早くに気付ける体質になれたのかなと思った。

最後に、人生観や性教育が早い時期から濃く行われている点。
特にいじめで重要なのは「謝ることと許すこと」とあり、日本の大人の世界でも必要なことだと思った。

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2025年10月25日

Posted by ブクログ

フィンランドの教育が優れているのはわかった。
国が教育に関して本気だ。
法律、制度、仕組み、すべて国主導でよい教育の土台をつくってくれている。
だから、日本でフィンランドみたいな教育をするのは難しい。
人口も大きく違うので、フィンランドを模倣することはできない。
すべてを模倣することは難しいが、日本はもっと教育に金をかけるべき。

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2025年08月27日

Posted by ブクログ

フィンランドの教育と日本の教育の違いは分かった。もっとのびのびと育てたい気もあるが日本に住んでいる以上、日本のレールを外れることはなかなか難しいことだなぁと思う。

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2024年11月11日

Posted by ブクログ

教育に関してというより国民性、歴史的背景についての考察が面白い。フィンランドに対する興味が湧いてくる。日本は特殊であると思う。特にPTAとお弁当の豪華さは異常だ。親と先生たちの思い込み、かなりあるぞ。教育現場での当たり前を見直すような動きが必要。誰がきっかっけを作ることができるか?考えさせられる。教育で成績を伸ばそうとして本書を取るとがっかりするでしょうね。

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2024年08月26日

Posted by ブクログ

学ぶことは知的で楽しいことのはず。
フィンランドの学校はゆったりしていて、学ぶ目的もねじれてなくていいなあと思いました。
徴兵制のことも書いてあり、公平にフィンランドの教育を伝えようとする著者の気持ちを感じました。

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2023年06月01日

Posted by ブクログ

「なぜフィンランドの教育は世界一なのか?」という問いに対しては、2〜5章が1番答えに近かった気がする。
個人の主張を広げられるような自由な教育制度、いじめ対策、高等教育の無料化など、参考になりそうなところがあった。
そのほかの章は、PTA加入についてや兵役についてなど、どちらかというと親目線で子供の教育に切り込んでいくところが多かった。ちょっと話が発散しすぎた気がする。

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2023年02月03日

Posted by ブクログ

2019年に発行されていて、それから日本の学校現場も変化は目まぐるしいし、ウェルビーイングを目指す部分は同じだと思った。

いじめの予防策は日本でも実施されていることもある。性教育は確かに学校で使えない言葉というのがあるが、親も関心が高くなり男女関係なく互いを思いやり自分も大切にすることを日本なりのやり方で伝えていけるんじゃないか。そしてそれを全部学校でやる必要もないんじゃないか。
服装やヘアスタイルなど校則の問題も、今まさに現場が葛藤してる部分だと思う。

東京の園との比較でフィンランドでは親がすることが少ないと書かれているが、私も東京で子育てをしたが保育園では弁当を持たせたことはないし、布団カバーも買えば良かった。国というより園や個人によって違うことなのではないかな。
カバーの付け替えも親はしないとのことだが、先生がやるのかな?仕事量と勤務時間が増えて給料が上がらない実態は同じだと書かれていたのでそこはちょっとモヤる。

兵役は確かに日本との大きな違いだが、この本の中の位置付けとしては??

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2022年12月22日

Posted by ブクログ

フィンランドの教育事情について。先日読んだ栗原類さんの本の中で、お母様が言及されていて気になったので読んでみました。
ニュース等で見聞きしたことはあったけれど、日本の学校教育とはずいぶん違う。
フィンランドの学校には、まず入学式がない。それが初回の登校というだけで、格式ばった式典など行わず、価格高騰が止まらない重たいランドセルを買う必要もない。
校則もない。そしてテストもない。一人ひとりの子どもの関心や目指すものは異なり、子どもが自分らしく発達していくことが大事なのであって、それはテストで測ることはできないから。不要なのだ。
日本で公立小学校に通わせていると、集団行動と義務や伝統を重んじるような学校教育のあり方が正しいのだとバイアスがかかってしまう。そのあり方に自分も適応していってしまう。
フィンランドの教育の柱は、「ウェルビーイング」と「権利」。一人ひとりが日常生活の中で体感し、社会と国家のあり方連続する心地よさを、小学生のうちから培っていく。
本書を読んで、目が覚めた思いでした。
とはいえ、いち保護者でしかない(長いものに巻かれがちな)私が、PTAを退会したり、学校という権威に異議を唱えたりはちょっとできないので、まず自分の理解、家庭での行動から意識して変えていくようにする。
なにが本当の「子どものため」なのか。生涯を通して、学ぶことを楽しんでいけるように。

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2022年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本では、道徳で子どもの権利について教えていないといったことが一番印象に残った。
フィンランドの教育についてかなり深く知れることができた。

で・・・?

もう少し学校教育(特に義務教育)に絞って、深さが欲しかった。でも、フィンランドの教育が短期間で様変わりしたんだったら日本でも頑張ってほしい!!

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2022年02月22日

Posted by ブクログ

フィンランドと自国日本の教育の違いを知るために読んでみる価値はある。ところどころ主観的な意見もあるのは愛嬌と思い読めばいい。

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2021年05月15日

Posted by ブクログ

フィンランドの教育情報を羅列しているに過ぎないと言ったら辛辣かもしれない。

情報の中でも、電子が発達していたり、教育の自由さなど日本にないフィンランドの教育の考え方が示されており勉強になった。

この情報をもう一歩踏み込んでもらえたら嬉しかった。

私も一教育者として、教育のあり方を考えていきたい

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2021年01月24日

Posted by ブクログ

フィンランドの教育は国際比較でもかなり高い水準なのですが、日本のアプローチとはまったく異なります。日本でそのまま当てはめるのがいいかというとそうではないんですけれども、教育制度を再考するきっかけにはなると思います。

◆シンプルな教育
まず、フィンランド教育はとてもシンプルです。入学式や運動会などの行事はありません。
校則も制服も部活もない。授業時間が少なく、テストも受験もなく、だから当然塾もない。日本だとちょっと考えられません。超絶ゆとり教育です。
また、一斉卒業、一斉就職という概念もなく、仕事も有期雇用から入って、そこで合えば正規雇用という感じです。
日本の仕組みは、就活から逆算して大学受験、高校受験、中学受験、、、がありますから、そこを気にせずのびのび勉強ができるわけですね。
ご存知のとおり、フィンランドは北欧型の福祉国家ですから、小学校から大学まで教育は無償で、教科書ノート給食も無償です。これは、財政の考え方によりますから、ここは違って当然ですが、それ以外の違いは興味深い。

◆ウェルビーイング
フィンランドの教育では、ウェルビーイングの考え方を大事にしています。ウェルビーイングは、「福祉」と訳されることが多いですが、以下のような幅広い意味を持ちます。
「健康。体に不調がなく心地よい。日々の生活の快適さ。生き生きとしている。気分が晴れやか。自尊心を持てる。自己肯定感がある。他人も尊重できる。人と心地よく繫がっている。性的充足。不安がない。脅かされていない。差別やいじめ、虐待がない。障がいがあっても、支援や保護を受けられる。諸権利が侵害されておらず、護られている。経済的、精神的に安全で安心して暮らしていける。貧困、紛争、戦争からの自由。」
これは、権利教育とともに教育の柱になっています。

◆倫理教育
フィンランドでは、道徳、倫理教育が手厚くなっています。権利教育とその裏返しとしての義務、つまり、みんなにこういう権利があるから、それを守るためにはこうしなくちゃいけないよね、ということが教えられています。また、教科書のなかの「正しいと判断する基準」というテーマでは、アリストテレスやカント、功利主義に触れながら、哲学史の異なる視点を示して考察を促すかたちがとられています。
ここから私見ですが、日本の教育で善悪を議論することはなかったと思います。教育の問題というよりは、文化の問題かな?日本文化では、善悪は最初から決まっているもので、ふつう議論の対象にはならない。でも、子どもの頃から哲学する、自分で考えるというのは大事なことだと思います。

◆日本の教育は、、、(感想)
日本は、新卒一括採用で学歴(どの大学か)が重要視されますから、そこの比重がとても大きいです。いい大学に入るために、いい高校に入る、いい中学に入る、そのためにはテストでいい点をとって、、、と逆算されていく。また、努力や規律が重要視されていて、部活動とかも盛んに行われています。逆に、ウェルビーイングとか倫理とかは重視されてきませんでした。
確かに高度成長期とか、バブルの手前まではそれでよかったのかもしれないけれど、ITがこれだけ進んだ現代において、画一的で自分でモノを考えられない人間を大量生産し続けていいのか。それで幸せになれるのか。参考にすべきところは多いと思います。

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2021年01月01日

Posted by ブクログ

フィンランドでは兵役があるというのが意外だった。兵役以外にシチズンサービスといって介護施設でのお手伝いなど別の国家奉仕へ置き換えることも可能。

フィンランドの教育はもちろん素晴らしいが、日本も必ずしも悪くはないのではと思った。
例えば学校行事。入学式や卒業式で節目をお祝いしたり、運動会や発表会などの練習して集大成を披露する場があること。賛否両論あるが、こういう行事はある意味強制で学校がリーダシップを張ってやらないと実現しなさそう。
そういう意味では日本もいいところある。
ただこのコロナ禍で、日本の教育の良さが体現しにくくなってしまっている。非対面、非集団に弱い。

また、給食も日本だと栄養バランス整っているが、フィンランドではそこまでなのではないか?


『フィンランドの教育』も勿論素敵だが、一度アメリカ(ソルトレイクシティ)での赤井先生の経験した教育を聞いてると、必ずしも『フィンランド』であることが『良い教育』『子供に自由に創造性を身につける教育』なのかは分からないと思った。

つまり、フィンランドでなくても極論日本やアメリカでも同じような教育方針やスタイルの学校に入ればいいだけということ。

いじめが教育大国といわれるフィンランドでもあるのは驚いた。いじめは根が深く、子供(特に小学校から中学にかけて)の希求的欲求なのではないかと思った。
自身の経験上、高校になった途端に周囲も含めていじめはとんと見当たらなくなった。
年齢に起因するものなのか、あるいは学力・家庭環境に依存するのか、その両方な気がするが、フィンランドであろうと世界のどこでも、いじめは起こっている。

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2020年08月16日

Posted by ブクログ

 フィンランドでは、12歳から様々な権利が与えられており、早い段階で自ら選択する体制が整っている。また、小学校の時点で第二外国語を選択でき(選択しなくても良い)好きな科目を作るチャンスが多いな、と感じた。良いな、と思ったのは「人生観の知識」という科目である。幼い頃から考える習慣が身につき、学びへの姿勢を体得できる教科だと思う。ただ、フィンランドの教育はなぜ世界一なのか、という問に対する答えは記述されていない。
 では、日本の教育のどういった点が問題でどうしていけば良いか、という点について記述されているとより良かった。

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2020年07月25日

Posted by ブクログ

義務を果たすことを求められる日本と違い、小さな頃から徹底して権利の教育がされているのは素晴らしいと思った。兵役制度には驚いた。全体的にあまり感情なく事実が淡々と書かれていて、読んでておもしろくはなかった…

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2020年07月04日

Posted by ブクログ

御子息を日本とフィンランドで育てた経験を主軸に、日本とは大きく異なるフィンランドの学校制度や教育方針等を紹介し、同時に日本の諸問題を問う本。

社会人という概念が無いのはなかなか想像し難いですし、色々と驚かされました。

世界一かどうかは、書ききれなかった向こうの問題もあるでしょうし何とも言えず(一冊で判断もしかねる)言い切りは本の方向性ともあまり合っていないようにも感じますが、タイトルで呼び込みたかったのでしょう。
どうあれ、とても学びがあるし先鋭的だと良い刺激を受けました。示された日本の問題は想像の範疇だったり痛感する事が多いですし、是非あちらを、真似るではなく(それは無理)参考に、より良い教育を国に目指して欲しいし自分でも考えたい所です。

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2020年06月23日

Posted by ブクログ

教育こそ、昔からの流れで変えられないものはない。
それが既得権益という部分もあるだろうが、やっぱり何年かすると卒業してしまうために、顧客の声が反映されづらいという点が大きいのではないだろうか。
「そもそも今でもこんなことやっているの、おかしくない?」
そんな意見があっても、敢えてここをアップデートしようという力が働きにくいのだ。
フィンランドは、人口や経済規模こそ小さいが、一人当たりGDPを見ると豊かで自由な民主主義国として知られている。
これだけでも日本とは大きく異なる。
日本は世界の中で相対的に比較すると、豊かで自由ではあるだろう。
しかしフィンランドとは何かが違っていると思われる。
なぜ日本はこんなに閉塞感があるのか。
教育制度が大きく影響していると思うのは、私だけだろうか。
フィンランドの授業時間は日本の半分らしい。
日本では詰込み型の受験勉強を強いられるが、フィンランドでは「学びたい時に学ぶ」が基本。
入学や卒業というセレモニーは簡易で、社会人になっても大学に入り直すなども普通のことである。
確かに今まで気にしてなかったが、日本であんなに勉強しても、大して頭がよくないというのはどういうことなのだろうか。
根本的に頭が悪い民族なのか?
勉強方法のシステムが悪いのか?
これは当然に後者だろう。
やはり目的と手段をはき違えているとしか思えない。
「なぜ勉強するのか?何のために勉強するのか?」
決して「受験戦争を勝ち抜くため」ではないはずだ。
何かが間違っている。
(根本的に日本はそういうところがある)
この辺を正しく軌道修正しないと、次の世代が育たない。
どんどん日本が弱い国になってしまう。
国力を高めるならば、教育からだ。
真剣に考えるべきことと思う。
(2019/11/18)

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2020年04月25日

Posted by ブクログ

大学の研究に活かせそうなくらい、かなり具体的に書いてあった。とにかく羨ましくなる文化、風土。読んだら日本がいやんなることまちがいなし。日本もどうにかして、こんなふうに合理的で健全な社会にできたらいいなあ。

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2020年04月18日

Posted by ブクログ

フィンランドの教育という題にもかかわらず,1/3以上は,フィンランドの社会倫理やフィンランド人の考え方の話題である.
何でもフィンランド式が良いとは思わないが,参考になる点としては,自由度が認められていること,義務と同時に権利が明確なこと,ウェルビーイング(福祉とはちょっと違い,良く生きられること),など.

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2020年03月31日

Posted by ブクログ

子どもの権利、人権について、具体的に考えたことがなかった。権利は具体的に記述、共有されることで、効力が出てくると感じた。具体的な権利に応じ義務も具体的になる。自分の権利を認識することで、自己肯定でき、他社権利の重要性も理解できる。
道徳とは漠然としたものではあるが、日本の道徳教育のアプローチより、フィンランドのアプローチの方が具体的で、論理的で、効果もあるように思えた。

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2020年02月23日

Posted by ブクログ

幸福度だけでなく教育も世界一。15歳の学習到達度で読解力や科学的リテラシーなどで1位だが、学力テストなし、受験なし、偏差値なし、当然塾もない。小学校から大学まで無償の上、小中では教材も無償支給、高校まで給食も無償。少ない授業時間で教員の長時間労働もない。人生観を育む独特の授業、'いかに学ぶかを学ぶ'ことに力点が置かれた教育。日本とフィンランドと両方の国で子育てをした著者の経験から、両国の教育の違いが語られている。学校の視点から教育を管理する日本、子供の視点から教育を考えるフィンランド。印象的な言葉として、日本語での登校と下校。学校を頂点に見据えた発想が垣間見える。フィンランドの教育も一朝一夕で、今日のスタイルに到達した訳ではない。歴史的経緯を理解する中で、日本でも参考にすべき発想転換のヒントが浮かび上がる。賛否両論の議論を通して、日本の教育が再構築されていくことを期待したい。

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2020年01月16日

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