あらすじ
人口約五五〇万人、小国ながらもPISA(一五歳児童の学習到達度国際比較)で、多分野において一位を獲得、近年は幸福度も世界一となったフィンランド。その教育を我が子に受けさせてみたら、入学式も、運動会も、テストも、制服も、部活も、偏差値もなかった。小学校から大学まで無償、シンプルで合理的な制度、人生観を育む独特の授業……AI時代に対応した理想的な教育の姿を示す。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
福祉国家フィンランドの教育について、日本とフィンランドで子育てをした経験から述べた本。フィンランドの教育を権利、いじめ、性教育、兵役など様々な観点から切り取っている。
この手の本によくありがちな、経験だけで「やっぱり〇〇最高!日本はダメ!」と言ってしまうタイプの書籍ではなく、
しっかりと教育基本法や客観的データなどを参照しながら科学的根拠に基づいて語っており、そこに自身の経験を肉付けするという構成になっている。
そのため、説得力があり具体性にも富んでいる。
特に重要なキーワードは「教育のシンプルさ」だ。教育改革と言うと「何をすべきか」に意識が向きがちだが、日本の教員の長時間労働を鑑みると、むしろ「何をすべきでないか」に着目すべきだと思わされた。