古瀬祐気のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった。
ミュージシャンを経てウィルス学の研究をしていた古瀬はある日、WHOの職員としてアフリカで「エボラ感染予防のコンサル」に従事する。
「彼がリーダーだ」上司は告げる。担当者の一人と聞いていた古瀬は驚くがやるしかない。文化、政治、目的が違う医者、政治家、軍人、文化人類学者、祈祷師、彼らを束ねてエボラと戦うことになる話。
「昨日、何食べた?」から始めるという章が興味深い。感染症コンサルとして有力者との協力が必要だ。しかし、いきなり本題では警戒されてしまう。そのためには、まずリラックスしてもらい、ビールをおごりsimカードを奢る。研究をしたらデータをくれた同僚の名前で発表し成果を与える。 -
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Posted by ブクログ
読むのに時間がとてもかかった。
もう若くないなーと痛感した一冊、もう少し若い頃ならばこれくらい興味深い内容ならば、一気読みも楽々出来たのに……
まあ、そんな愚痴は別として、これは素晴らしい良書だった。以前から見かけていて、一読したいなあと思っていた一冊だったわけだけれど、今回満を持す感じで読めました。科学の世界はどんどこ進んでいるので、ちょっと目を離すと新しい知見が出てくるわけですが、この本は特にそれを顕著に感じました。
20名の科学者が自分の研究を紹介していくという構成で、本文が約P300ですから、ざっとひとりあたり15頁前後の配分なのですけれども……それが、ものすごく濃い。
面白い!
発行 -
Posted by ブクログ
1つ1つのエピソードには面白いものが多かったけれど、全体の流れが分かりにくかったかも。
アフリカでの話はもっと細かく知りたかったと思ったり。
驚いたことは、以下。
感染症の対策チームの中には、医療分野の人だけでなく、関係する様々な学問の人が入る。
アフリカでの感染症チームには、文化人類学や建築学。
アフリカの伝統文化を知らずに「正しい」感染症対策だけを提示しても受け入れられないので、現地の文化を知る必要がある。
日本のコロナ対策チームには、データ解析のプログラマーや地理情報システムの研究者。
感染当初は、感染者を記録した表のID番号を振りなおし(繰り上げたり)していた。それを、番号の変更を -
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Posted by ブクログ
感染症専門家の日常と活動を描いたノンフィクション。
アフリカでのエボラとの闘い、アメリカでの研究活動、日本での新型コロナ対策について。
国際医療支援の現場やコロナ禍のクラスター対策班としてのご経験が綴られています。
異国にて医療物資も知識も足りていない状況下、文化的背景の異なる外国人が支援スタッフとしてやって来て、どんなふうに現地の人と信頼関係を築き共に感染症に立ち向かって行くのかー。
日本とは全く異なるスタートからの支援で、道のりは想像以上にハード。それは精神的にも肉体的にも。
信仰や慣習が感染拡大の一要因となっていたり、必要な物資を届けるためにはインフラ整備が必要だとか、字を読めない人 -
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