グレンコ・アンドリーのレビュー一覧
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ネタバレロシアは約束を破るために約束をする
さらに、公職追放によって、能力の高い人が追い出され、その代わりに多くの共産主義者が公職についた。戦後日本人は、教育やメディアを通して、共産主義の洗脳を受け続けた
実際にジョージア侵略の5年半後、ロシアがウクライナへ侵略を開始したときに、多くのウクライナ人はジョージア侵略はウクライナ侵略の前触れだったと言うことをやっと理解した
つまり、ウクライナ社会はその時、完全に平和ボケしてしまったのだ。当時国民に広まっていた考えは以下のようなものであった。軍はお金がかかるだけ、これからは平和の時代だ。戦争が起こるはずがない、そもそも戦う相手がいないと
現在のロシア連邦はK -
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露も米も同じ面はあれども
これを書いている時点で米トラが露の言うままに、制裁解除へ向かっている。米は何も得ず長期では大損と私は思っているが、米国民はそこまで考えない様だ。残念ながら著者が主張する、民主主義を守り、独裁をなくすべきという考えは米国民にはない。現実の世界はそんなに単純ではないが、それでも本書のように、「正義」と自国の「立場、正当性」を言い続けることは必須であり、何より日本には欠けている。まずこのような言い続ける姿勢を、本書から学ぶべきだ。正義や悪を断言している本書には単純過ぎるとの批判もあるだろうが、そう思う人は、この世界で自分が生き延び、かつ良い世界を作るためにどういう選択肢があるか、本書に対して考えてみ
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気になっている事案を巡る論なので興味深く読んだ。
題名の中に「世界の運命の分岐点」と在る。ロシアとウクライナとの戦争の決着の如何によって、そこから先の世界の様子が大きく変わるというようなことも在るのかもしれない。そうした意味で「運命の分岐点」となるような出来事が進行しているということで「注視しなければならない」という意味を込めた表現なのであろう。
本書の著者はウクライナから来日して学んだ経過が在り、長く滞日して活動しているという方である。本書は既に3年を超えてしまっているウクライナでの戦禍を巡って、更に関連事項ということで国際情勢等を少し広く取り上げて論じている。
概ね、この3年余りのウクライ -
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このように、プーチンは自国民を大量に殺すことによって権力を握った。「やむをえない場合しか暴力を使わないプーチン」や「伝統的価値、家族、国家を守る保守主義者のプーチン」というのが妄想にすぎないことは、ご理解いただけたかと思う。 今のロシアは、大量虐殺や対外謀略を実行した残酷な組織であるNKVD─KGB─FSBに延々と支配され続けて
プーチンにとっては、NATOの東方拡大は「裏切り」行為で
当然、この認識は完全に間違っている。そもそも「NATOは東へ拡大しない」という約束はどこにも存在しないし、NATOの仕組み上、発生するはずがない。プーチンを始めとするロシアの帝国主義者の -
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ウクライナ出身で日本とも関係の深い国際政治学者の、NATO論⇒日米安全保障論です。
日米安全保障条約は軍事同盟であるが、必ずしも日本を支援してくれるかどうかはわからない
日本を米国が支援してもらうためには、同盟国としての義務を果たさなければならない。
それは、防衛費の倍増と再軍備だ。
複雑かつ危険極まりない現代の世界において、危機はいつ、どこから起きるかはわからない。
不測の事態は必ず起きる。有事にいち早く対応するためには、平時のうちに危機に備える必要がある。
気になったことは以下です。
■NATOとは
・NATOとは、欧州における相互安全保障条約であり、NATO加盟国が侵攻されれば -
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人相が悪いと思っていました
以前からプーチンは人相が悪いと思っていました。この本を読んでその理由がよく分かりました。確かに日本の政治家でも人相の悪い人はいますが、流石に犯罪者の雰囲気が漂っているというほどではないと思います。
プーチンには気味の悪い雰囲気、例えばやくざの組長みたいな印象を受けます。この本を読むとロシアという国家自体がやくざ組織であることがわかりした。最近のウクライナの状況を見ても明らかなように、相手に隙さえあればあれば、いつでも攻めていって支配してしまえというのが本質で、まったく信頼に値しないのが、プーチンのロシアという国家だったということです。ロシアにしても中国にしても、その歴史を見るとずーっと全体主 -
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NATOについてだけではなく、よく知らなかった東ヨーロッパの国々の歴史についても学べる。ロシアのウクライナ侵攻後に読んだので、ここに書かれた警告の現実味が本当に身に染みた。
反米保守はロシアやその指導者のプーチンに対して好意的な考え方を持っている。アメリカが憎いあまりに、そのアメリカと対立するロシアのことを好きになる、といった倒錯した思考構造ではないかと推測できるが、ロシアはためらうことなく人を殺せる凶暴な侵略国家である。(p71)
日本は「中立のまやかし」に惑わされずに、自由民主主義陣営の国として外交を展開しなければならない。中国とロシアに配慮せず、2国に制裁や圧力をかける「中露包囲網 -
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タイトルを見て、思わず手に取りました。まず驚いたのが、三年前に書かれた本であることです。現在行われているロシアによるウクライナへの侵略を予言した書物になっています。ロシアは国家の謀略機関を所有しているのではなく、謀略機関の所有する国家であるとあります。ロシアという国の本質を表しています。また、プーチン政権ができた時に、FSBが、ロシアの民間のマンションを爆破し、それをチェチェン系テロリストによるテロ攻撃であると発表したということは知りませんでした。政権の基盤を強化するという目的のためなら、自国民も殺すのかと、恐怖を感じ、自分が今までプーチンに対して、本書で言われているような幻想を抱いていたこと
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この本、驚くことに出版されたのは2019年。本当はこの本を読んで驚いているようでは、著者の言う「プーチン幻想」あるいは「ロシア幻想」に侵されていたことになるが。
本書はウクライナ人による、プーチン・ロシア批判の書になるので、偏りはあるかもしれないが、自分のあまりにロシアに対しての無知さ加減、地政学上の事にも理解のなかった事に呆れた次第だ。
ロシアの横暴も許し難いが、いわゆる西側もあまりに無責任な対応をウクライナに対して独立以降つづけてきたと言わざるを得ないのが、本書を読んでわかった。その結果がロシアによる今のウクライナ侵略を許してしまった事には反省をしなければならない。
今後ロシアに対し -
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ウクライナ人である著者が見たウクライナとロシアの歴史および関連性を、日本と中ロ共産国および世界との関わりを重ね合わせて論じた良書。
前作プーチン幻想でも著されたプーチン・ロシアに日本人が抱いている良さげな印象は、本心ではなくプロパガンダにすぎないことを喝破している。
ウクライナがロシアと如何に戦ってきたか歴史を掘り下げ、日本の人と国にウクライナとの共通性を見出だした著者が、自国の反省も踏まえて日本の人と国を歴史に照らし合わせた上で、問題点と進むべき未来を著している。
日本人はお花畑から脱却しないといけない。世界を冷徹に見据えないと。ウクライナから学ぶべきことは、多いと思う。 -
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まさに、幻想を抱いていたのかもしれない。
著者の世界情勢の分析力に、ただただ感嘆するしかない。国家間の物理的な距離は、そのまま注意力の集中度合いになるのだろう。日本は中韓に対して注意をはらったり脅威を感じるのに対して、それより遠い世界情勢には疎い。
不勉強ながら、歴史的にソ連の成立から崩壊、周辺国の独立と暗躍する欧米諸国の関係ははじめて知った。もちろん、プーチンとロシア人の考えもだ。
よくよく日本人はお花畑、ドングリ民族なのだと思い知らされた。日本が押し付けられたWGIP・自虐史観を捨て国家として独立するには、確固とした国家としてのあり方、戦略、覚悟が必要なのだと思い知らされた。