市橋伯一のレビュー一覧

  • 増えるものたちの進化生物学

    Posted by ブクログ

    ちくまプリマー新書ってプリマーの字義通り中高生を専門分野に誘うシリーズらしいですが、本書は遥か昔の中学高校の同級生に読んで感想聞かせて欲しいと薦められました。いくつになっても心はヤングアダルトな友人です。進化合成生物学というなんか凄そうな分野の研究者が「なぜ生きているのか」「なぜ死にたくないのか」「なぜ他人が気になるのか」「なぜ性があるのか」「何のために生まれてきたのか」というでっかくて根源的で、しかも10代のころ誰もが悩みがちなテーマについて生命の進化という観点から一生懸命答えようとしています。新鮮なのは著者のフィールドの進化生命学が生物と無生物の境目を「増える」という物理現象に置いているこ

    0
    2023年11月18日
  • 増えるものたちの進化生物学

    Posted by ブクログ

    哲学の話?なのかと、読みながらしばしば思いました。
    なぜ死にたくないのか、なぜ生きていると悩みが多いのか、、、科学的な問題ではなさそうだが、それがテーマにかかれている章があったり、思った内容とはちがうがこれはこれでおもしろかった。
    親はもう性別的には役目を果たした乗り物(生殖細胞を子供に託しているため)、潔く次世代に任せるしかない。
    確かに!この言葉が心に響いてしまった。子供のことは子供に任せるしかない。
    深く考えさせられる内容でした。

    0
    2023年11月05日
  • 増えるものたちの進化生物学

    Posted by ブクログ

    物理現象としての生物の進化と人間の生き方のつながりを明解に解説している。

    多くの人は、一度はなぜ生きているのか煩悶したことがあると思う。

    筆者は上記悩みに対して、研究を通じて得られた「生命という現象や人間の抱く悩みの多くは、増えて遺伝するものの末裔には必然的に生じるもの」という見解や「人間が生きていることには目的や使命がないが、価値と生きがいはある」という主張を提示する。

    上記のような見解は成人は受け入れられると思うが、筆者の提示する価値と生きがいはある程度の知的余裕、成熟が必要だと思う。

    0
    2023年09月09日
  • 増えるものたちの進化生物学

    Posted by ブクログ

    地球上の生命は増えて進化してきた。『やさしさ』を持つヒトが牛や豚などの食肉を止めるようになることや、ヒトの生殖も変わっていく可能性が高いことなど記されていた。

    0
    2023年07月23日
  • 協力と裏切りの生命進化史

    Posted by ブクログ

    生命が進化するのは、互いに協力し、時には裏切った結果である。

    細胞でも生物でも、協力することで自分にはない能力を補い、自分にある能力を伸ばそうとする。それが進化のメカニズムだ。逆に協力関係が何世代も続いていると、時にその協力をブチ壊す裏切り世代が現れる。が、その裏切行為に反発・予防しようと、さらに自分の能力を高めようとして、さらなる進化が促されることがある。

    こうした協力と裏切りが繰り返された生物進化の中、頂点を極めたのが我々人間。人間ほど協力し合う生物はいない。チンパンジーだって自分以外のチンパンジー、それが家族だとしても、無償の施しや助け合いをすることはない。

    「協力」というDNAを

    0
    2019年10月21日