顎木あくみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
美世さんつえー!清霞さんつえー!
おれつえー、ならぬ夫婦つえー!を楽しめる回でした。
え?短すぎ?
はい。もう少し詳細にお話させていただきます。
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以下、ネタバレを含みます。
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今回初登場の新くん。そしてまさかの美世さんの実のおじいさんまで会えるという衝撃の展開。
表沙汰こそ、家のしきたりや、古来からの慣わしに則り、対立者に侮られぬよう、秩序を守り続けるよう、まるで人格や意思を軽んじたような振る舞いを見せますが、他の誰もいない家族だけの時間になれば、それはそれは深い愛情を示してくれました。
トランプ大統領の側近である人が、これまたトランプさんの理解者である、饗庭さんに伝えた言葉の中で、印象的なものがあります。「饗庭さん、弱さは、挑発だと私は思います」と、彼は言いました。結局、永く、世の中を守り続けるためには、侮られてはいけないのです。カラスをはじめとした鳥たちが何故、餌場一つのためだけにあれだけ縄張りを争うのかといえば、メスへのアピールもありますが、それ以上に、実力を示して侮られなければ、一族を絶滅させるような争いにまで発展することはないからです。超人的な武道家を前にすると、どんなに戦いの素人であってもその気配を悟り、自ずから、その人と戦うことを諦める姿に似ています。
戦うことを諦めさせることが、平和になるのです。そのためにはどうしても相手に侮られない強さが必要です。そしてそうした強さというものは、その価値観の外からいる人から見たとき、大層、居丈高で、窮屈なものに見えてしまうのです。私は、薄刃の力が、国家を転覆させることも可能なほどの恐ろしいものであることを、誰よりも薄刃の家系の者たちが理解しているからこそ、そうした振る舞いを惜しまず続けているのであろうことを鑑みると、深く尊敬の気持ちを覚えます。
それにしても、新くん。新くんですよ。
ReLIFEのファンであることも相まって、どうも私は「あらた」と名前のつく人物に弱いです。笑 強烈に感情移入してしまいました。
歴史の視点で省みましても、日本人には貨幣経済は似合わず、また学歴秩序も似合わないことは確かです。江戸の老中になるために必要なのは、科挙のようなペーパーテストではなく、その実力を認められる機会で十分に働くことでした。家柄があってもその力が及ばなければその座には長くとどまることもできなかったのです。
そこを鑑みますと、ちょうど貨幣経済により、諸外国との軋轢の中、急速に生活を変えざる得ない状況となり、誰もが生活の中で、自分の心と周囲の環境との動きの差に追いついていけなくなり、苦しむ思いを抱えた人は多かろうと思います。新くんは、本来の姓を変え、強大な企業として生き残るための努力を続けて来ました。まさに彼の場合は、個人の自由を獲得したいという誇りと、陛下に任された家の使命があり、伝統的な価値観と変わりゆくリバタリズムを同時に抱えた人だと分かるのです。
そんな彼の一生懸命な姿を見ていると、なんとも応援したくなります。第1巻の幸次さんによろしく、彼も今後、幸せが満ちていくことを願います。・・・とはいえ、もちろん、路頭に迷ったり、まさに霊障によって実際に家族を失ってしまった人たちもいたであろうことを鑑みますと、新くんはすでに幸せではあるのですが。
また、皇太子の父、つまりは陛下が薄刃を恐れて、鶴木家の経営を傾けさせ,齋森家に美世さんの正体を知らせ、あまつさえ、清霞さんがオクツキ荒らしの悪霊によって死に至ることさえ謀略を企てていたという件は衝撃的でした。
しかしこの件も、実在の歴史、特に、室町時代や南北朝時代にまで遡ると、それほど珍しくもないことです。あるいは菅原道真さんが他界された後の、藤原家絶頂期における皇族をめぐる陰謀や、もっと前の、蘇我一族が天皇簒奪をおそらく歴史上初めて企てたこともまた、陰惨なものでした。近衛文麿もまた、皇位にとって代わろうとしたように見える行動が多かったです。※占領神話の崩壊/西俊夫 近衛文麿/林千勝 等参照
しかしその度に、中臣鎌足や一条経嗣などが現れ、歴史は必ず皇位が滅ぶことを避けてきたのです。本編におかれましても、皇太子様によってそれは防がれました。世界史を学ぶと、それはそれは残酷な戦争の歴史であるのに対し、日本は水に囲まれていたこともあり、とても穏やかな時代を過ごしました。これは島国にはよく見られる傾向で、ケルト文化などと融和したイギリス国教会もまた、歴史が長いことがその証明となります。文明は基本、大陸の大国ではなく、むしろ海に囲まれた小国の長い平和によって育てられたのです。
とはいえ、そんな平和も永遠ではなく、航海の技術が進んだり、貿易、戦争を避けられなくなってくると、望まざるとも、大陸の、常に戦争をし続けるしか、裏切りと謀反に怯えて支配するしか出来なかった歴史の思想に影響され始めます。やがて日本にも貨幣経済が入ってくるに連れて、そして、からごころから始まる西洋かぶれに続いて、格差が明らかとなり、そのことを憂いたり、驕ったりする者も、現れます。南北朝の時代などはまさにその象徴ですが、本編中に見られた陛下の疑念や、鶴木家を貶める陰謀を立てなくてはやっていけないほどの恐怖というのは、まさに中国の諺の「枕を高くする皇帝は早くに亡くなる」というものに似ています。安心して眠ることが癖になると、あっという間に裏切られて死んでしまうほど、彼らは圧政を妬みながらも、誰もがその位につきたいと日頃から羨んでいるのです。
厳密にはそれとは違うかもしれませんが、少なくとも、薄刃の者も、その力も、この国を、朕(われ)とともに生きるおほみたからだ、と認めることが出来たのなら・・・こうはならなかったのです。もし、南北朝時代に「天皇は必要ですか?」とアンケートを取ったら、「いりませーん」と答える人が多数となり、歴史は変わってしまっていたかもしれません。皇族の方々も、人の心をお持ちです。繊細で、時に怯えてしまう弱さも当然にあるでしょう。
だからこそ、その弱さを認めた上で、親善と祈りに尽くされる姿に、今尚つづているその尊さに、日本人は・・・いえ、日本のことが大好きな海外の人たちも含めて、感動されるのではないでしょうか。
皇太子様が、父の企てに本気で怒っている姿は、父が敗戦を企てて、その後の占領時代でのしあがろうとしていたのに対し、ソ連に幽閉されて、毒殺されることが決まっていても、決して国への忠義を躊躇わなかった・・・近衛文麿とその息子・近衛文隆の関係を彷彿とさせます。ゾルゲ事件に深く関わっている風見章も同様で、本人とは関わりなく、その子供たちは、何を愛し、何のために生きたいかを見誤らないことも少なくないのでしょう。薄刃の秘密が明かされ、少しずつ自由になっていくにつれ、もちろん争いや、その利権を得ようとする悪意もあるでしょうが・・・少しでも、彼らの幸せを願った皇太子様の想いが、報われ、叶いますようにと祈っています。
つくづく、原作者のあくみさんは歴史に詳しくないとのことですが、見方ひとつで史実の繋がりをこうも奥深く楽しむことができますので、知らずに描いてらっしゃるとしたら、すごいことだなぁと・・・むしろ感心しきりでございます。今回も最高の胸キュンと激アツの殺陣の数々、楽しませていただきました。ありがとうございます。 -
Posted by ブクログ
お腹が痛くなってしまうほどのつらい境遇から、お砂糖何杯入れますか?あ、それとも、砂糖の箱ごとご利用ですか?ってほどに甘々になれちゃうお話です♡♡
以下、ネタバレを含みます。
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歴史に詳しくはないと、筆者のあくみさんはおっしゃいますけれども、『反・東大の思想史』尾原広之 を読んだあとですと、本作の「異能」を、実在した帝大の「特権」に置き換えれば、なるほど驚くほどしっくり来ます。特権欲しさに政略結婚させたり、そのために家の中の確執があったこともおそらくは史実に限りなく近い出来事でしょう。
廃藩置県によって生活を追い込まれた者たちは、その多くは、日本の誇るべき精神性によって、慎ましくも立派に努めていらっしゃいましたが、当然、人間ですから、徳高く目指す人もいれば、落ちぶれば僻み卑しくなる人もいます。本作の斎森家、辰石家はそうした人たちだったのでしょう。
そんな中でも、自分の臆病さを自覚し、恋した人が愛する誰かを妬むよりも、より望ましい自分でありたいと目指した幸次さんは立派だと思えました。いえ、きっと、本当は羨ましいですよね……その気持ちはあるはずです。それでもその、「自分本位“しかない”感情」の醜さを、彼は斎森と辰石の家で、そして自分の臆病さのために、何度も見てきたはずです。だからこそ、変わりたいと望むなら、心から羨ましいと思いながらも、その自分本位に依存し、愛した人に禍根は残さないと決めたのでしょう。
「神無月の巫女」の大神ソウマくんが好きだからか、愛した人の恋路を助ける間男くんにはどうしても感情移入してしまいます……彼の名の意味が、己の幸せは二の次、というものではなく、幸せへの次(みちすがら)という、やまとことばの于多-うた-であって欲しいと願います。
それにしても、清霞さん、ツンデレかと思わせて、惚れたら露骨に好意しか見せないし、好きな人に酷い目合わせる人には激おこですし、美世さんが体当たりしても壊さなかった立派な建物をあっさり落雷でぶち壊しますし、何もかも、爽快というか、読者の心を揺さぶる気持ちよさですね/// これはひょっとすると男性の読者でも「なにこの人かわいい、かっこいい」と好きになること間違いなしでしょう。笑
美世さんのお母さんの血筋が大層なものだと扱われているのも、人の心や記憶に作用できる能力だとされているからと記されてありました。
形見の桜に彼女が手を触れたとき、少しの痛みと「何か」が脳裏をよぎったとのことでしたが、果たして彼女に悪夢を見せているのは誰なのでしょうか。恐れている自分自身が、母から受け継いだ力を無意識に使ってしまっているのか、それとも実は母は生きていて、その力を悪用させられているのか。はたまたその悪夢の存在によって、自分が利用させられていることを伝えようとしているのか……あるいはもっと違う、他の誰かの仕業なのか。
一瞬の伏線でしたが、さまざまな予想が立ちました。どのような展開となっていくのか、これからが楽しみです。
また、近しい時代を扱い、かつ異能の名家の歴史という視点においても重なる作品として、「暁からすの嫁探し」という作品があります。本作を気に入ってもらった人にはこちらも併せてお楽しみ頂ければ幸いです。
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ネタバレ 購入済み
彼女の幸せな未来
幼い頃から周りの人達に特に妹や両親にしいたげられて生きて来て、訳有の素敵な彼とお見合いして何故か断られる事なく家にいさせてもらいどうにか生きていけるような生活に付けて、彼にも段々と打ち解けて行けて自分なりに幸せだと感じてきたりして、穏やかな生活になってきているように思っていても、色々な自分の過去が分かってきて、彼にも迷惑がかかり申し訳無いと思ったり、全て自分の我儘と思い相談できなかったり彼が、旦那様になっても、頼れなかったり切なく感動する事も有り、最初から読んでいると本当に呑み込まれてしまう様になって泣けてドキドキハラハラワクワクしてきます何回読んでも引き込まれていき自分が、主人公になって来ますね。これからほのぼのと生活してゆっくり楽しく進んでいくのかな思いますね時々実家の妹や父の悪いはからいで、危険な事が有っても彼が助けてくれたし、この人なら安心して自分を預けられると思い読んでいて安心した。幸せになってね。応援しています。
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匿名
無料版購入済み虐げられてきた生活、を経て、
結婚により慣れない生活にオドオドしている
美世にゆりえが優しく寄り添ってくれ、
徐々に旦那様との距離が縮まっていく様子にホッとします。
美世に愛情溢れる日々が来るといいなーと思いながら読んでいます。