三好徹のレビュー一覧
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幕末、人斬り半次郎の異名を馳せた薩摩藩士・中村半次郎―後の桐野利秋を描いた作品です。
鹿児島出身の俳優・榎木孝明さん企画の映画『半次郎』がこの秋公開されるということで、大好きなこの作品を再読してみました。
巻末解説に書かれているように、中村半次郎というと池波正太郎さんの『人斬り半次郎』の
「性粗暴、豪剣を頼りに出世栄達を望み、賊将となって以後はその傲慢さゆえに西郷に嫌われた男」
というイメージが定着していましたが、この作品では正反対。
島津久光の側近で反西郷・反桐野であった市来四郎の日記を引用すると
「廉潔豪胆・・・最も仁慈心あり。・・・実務上すこぶる思慮深遠、有識者に勝れり。
困難に甘ん -
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本日、三好徹さんが亡くなったと報道があった。享年90歳。
これを読んだらのは大学4年を間もなく終えようという時だった。卒業旅行で訪れたフランスのハイパーブランド本店内は日本の女子大生で溢れかえり、日本の未来はこれでいいのかと苦悶したものだった。
エルネストの行動力、知識は私に勇気を与えてくれた。三好さんを通じて、エルネストが目指した「誰かのために」精神を教えてくれた。
あれから10年が経ち、自分はあの時理想としていた姿にはなれていないけど、今からでも遅くはないと改めて発奮させる意味でも読んでみようと思う。
是非若い方に読んでもらいたい一冊。 -
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ジャーナリズムの力の大きさ.
虚像自身は虚像だけど,その影響は計り知れない.
自分も表現に過ぎない物をバカにする節があるが,現実はそれで大きく動くことを認識しなければいけない.
革命の地道な成果は1を2にして,2を3にすることではない.
1が10に,10が100に.100が1000になるもの(その代償として0になるリスクを負いながら)
地道に積み重ねるとが何をもたらすか起こるかを教えている.
チェにとって革命とは人としての不正を絶対に見過ごさないこと、それを命を賭してまで行動に示すことと読み取った。その敵がたまたま南米の人々に極貧を強いるアメリカの帝国主義であっただけのことだろう。
もはや -
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キューバ革命の英雄チェ・ゲバラ。名前のみ耳にして詳しいことはほとんど知らなかったので、その生涯についての本を読んでみたいとは思っていた。本書は元々は1971年刊行のものが底本となったもの。
ゲバラが特筆される人物であるのは、キューバ革命で大成功し、その中で権力を握るものの、再びコンゴ
ボリビアのゲリラ戦に身を投じた点だ。
また、カストロ政権下におけるキューバの貧困をみると、かの革命が果たして成功であったと呼べるものなのか考えさせる。しかしながら、革命後のキューバ経済についての言及は少ない。工業相であったチェ・ゲバラ。勉強家で私利私欲のない様子は強調されているが、果たしてその職責を全うできた -
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かなり淡々とした書きぶりで、どんどん読みたくなる感じではないが、彼の一生が、アルゼンチン〜ボリビアまで細かく書かれており、チェゲバラがどんな人物か知るのには良書だと思う。
私がホームステイしているパレスチナ難民家庭のパパは、チェゲバラが大好き。
よくチェゲバラは海外で目にするため、なぜ彼がそんなに支持されているのか知りたいと思い、本書を手に取った。
彼がなぜ英雄視されるのか、なぜ隊を率いたカストロよりも人気なのか、読むとよくわかった。
チェゲバラは自国のためだけでなく、全世界の苦しんでいる人のために戦った。
アルゼンチン人なのに、キューバ、コンゴ、ボリビアなど、様々な人々のために命を捧げ -
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ネタバレ映画『エルネスト』を観て、改めてチェ・ゲバラについて復習。
他の映画(『モーターサイクル・ダイアリー』『チェ 28歳の革命/チェ 39歳 別れの手紙』)で見聞きしてるけど、文章でチェの半生を辿るのは初めかな? 「チェのさすらい (ラモンブックプロジェクト No. 1)」(Ram'on Chao著)は、もっと詩的な内容だったし。
広島を訪問した時に我々日本人に向けて発した「きみたち日本人は、アメリカにこれほど残虐な目にあわされて、腹が立たないのか」は映画『エルネスト』でも描かれていたし、”ロシナンテの肋骨を感”じる話は有名で、カストロや子供たちに宛てた手紙は、『チェ 39歳 -
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「革命」という言葉からよく連想されるチェ・ゲバラ。
葉巻とベレー帽の出で立ちから、カッコいい人である印象は強い。
チェに対する僕の知識は「アルゼンチン人でキューバ革命をした人」くらいのもので、もう少し知りたいよな〜という動機で読み始めた。
本文庫は元々1971年に刊行された「チェ・ゲバラ伝」の増補版で、著者の三好徹さんが現地に取材したり、集めた資料を読んだりして得た情報をまとめた内容だ。
子供時代からボリビアで命を落とすまで、彼の闘いの軌跡をたどっているけど...
正直、長いです。
チェを崇拝している人やラテン・アメリカの地理、歴史の知識がないと、チンプンカンプンで挫折してしまうと思う。