ピーター・ゴドフリー=スミスのレビュー一覧

  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    この本は、「意識」とはなにか?人類は進化のいつの時点から「意識」を持つようになったのか?なぜ人類だけがここまで「意識」を進化させることに成功したのか?という究極の問いに、人類とは全くことなる進化経路をたどってきたタコを研究することで解き明かしていくというユニークでありながらしかし真相をするどく突いた本です。

    例えば、人間は言語を操る能力を持っているけれど、その言語は単に外に向けて誰かに発せられるだけでなく、人間の意識の中で内なる自分に向けても発せられていて、それは何かを思考する上で無くてはならない能力だけど、意識の中で自分自身に向けて内なる会話をする能力を人類はいかにして手にしたのか、それは

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    2020年08月05日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    とても興味深い本。
    タコの気持ちは分からない。そもそも、タコに人間と同じような気持ちがあるかどうかわからない。
    しかし、タコには知性があるようである。
    哺乳動物とは、遥かに遠い昔に分岐し、別々に進化し、脳の在り方も違う。このように遠い存在に、人間と共通するうような気持ちがあるのではないかと感じるような振る舞いがあることが不思議なことである。
    その謎が本書の中で解き明かされる訳では無い。
    むしろ、海底で様々に色を変えるタコ、イカに対する、著者の愛の書。
    フィードバックループが脳、神経系を発達させるという指摘は、その通りと思う。

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    2020年03月08日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    ネタバレ

    異文化体験というか、異生物を推測しないことの大切さというか。つい擬人化したくなるよね。それをしないということ。

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    2020年03月08日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    ヒトとはまるで違う進化を遂げたタコの生態から、「意識」を考察した一冊。小難しい話はさておき、読むにつれてタコの魅力にハマってしまいます。好奇心旺盛でいたずら好き、日和見主義だけど時に大胆。そして、たった2年で生を終える。これ何てラノベのヒロイン?

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    2020年02月23日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    ネタバレ

    全般的に面白かったと思う……が、これほど神経系の在り方やその別などを解説してくれながら、これほど頭足類に親しみを持ってくれながら、どうして後半においては人間を賢さの特異点に置いてしまったのだろうとなんだか悲しくなってしまう。私の読み方が至らないせいだろうか。
    しかしわからないことはわからないという態度には好感が持てた。また、老化と突然変異の関連の項、自分の行動の「打ち消し」関連の項は非常に興味深かった。さらに進んだものも読んでみたい。

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    2020年01月02日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    腕で考える生き物への理解と、「老化」に対する見識は参考になった。若い頃の生存能力を優先した結果、後からようやく作動するリスクを許容してしまうことになるとは。

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    2020年01月01日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    科学哲学者の著者が、頭足類の心理について語ります。
    タコやイカは賢いと知っていましたが、全体が脳とも言えるほど神経細胞だらけであることに驚きました。
    哺乳類とは違う知的進化を選んだ彼らは、宇宙人ではありませんが別世界の知的生命体です。
    地球にはまだまだ研究余地が残されていることを教えてくれる一冊。

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    2019年11月07日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    ヒト以外の生き物がどう世界を認識しているのか、ちょっと自分の外に意識が出るような感覚を与えられる

    ヒトのような脳がないはずのタコが知性を持つ不思議が印象的。
    ちょくちょく進化生物学の話が入ってきて、知性と関係なく思えるところの詳細が多く、読むのがしんどいところも。

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    2024年07月07日
  • メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生

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    動物の意識・経験にかかわる問題を進化の道筋をたどるように追いかけていく

    前著の『タコ』に比べると、未完成のアイデアを生のまま展開していて少しわかりにくい。読むほうも気楽に読んだほうが良いのだろう

    文中で少し触れられているが、こうした議論はアニマルウェルフェアに示唆するところがあるかも

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    2024年06月30日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    科学史、科学哲学という分野。概念的な哲学ではなく、科学からスタートする意識の探索は、ある意味分かりやすくて面白い。タコを中心に頭足類の観察からの考察だ。
    他の無脊椎動物と比べても、頭足類の神経系の規模は異常に大きく、短期記憶と長期記憶に明確な区別があり、目新しいものや、食べることはできずすぐに役立つわけではないものに興味を示し、コウイカにはREM睡眠らしきものがあるなど、人間の知性との類似点も見られるのだそうだ。

    「身体化された認知」というのは面白い。脳だけではなく、身体も賢さの一部を担っていて、周囲の環境がどうなっているか、それにどう対処すべきかという情報は、実は身体にも記憶されていると考

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    2023年07月05日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    頭足類の多くの寿命は1~2年。その理由は殻を備えていない無防備さからくる淘汰圧によるもの。タコには約5億個にニューロンがあり、個人を識別できるくらい賢い。読んでるとタコが食べたくなる。

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    2021年04月17日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    現時点における進化の最終形態は人間だと思いますか?
    立派な神経系をもっているのは人間だけだと思っていますか?

    いえいえ、人間でなく哺乳類でもなく、脊椎動物でもない、頭足類「タコ」の神経系のなんと密なこと!

    タコが好奇心旺盛であること。いたずら好きで好き嫌いもあって、自分を研究する気に入らない研究者には容赦なく水をぶっかけたりすること。闖入者である自分の手を引いて海底散歩をしたことなど。
    微笑ましいエピソードと進化ツリーの話が交互に語られています。
    タコとの触れ合いに関してはとても興味深くて、カンブリア紀以前からすでに進化を着々と進めていたことなど、「へーーーー!」とワクワクしながら読みまし

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    2020年03月26日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    タコって面白い!タコは知性的だけど進化の過程は脊椎動物と大きく異なる、その事実にハッとさせられた。そして著者の専門は哲学とのことで、切り口が新鮮。興味深く読めた。
    後半の「心」や「老化」をテーマにした章はやや消化不良。

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    2020年01月05日