しまざきジョゼのレビュー一覧

  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    売れない画家に惚れ込んだ奥さんが
    富と名声を得た主人に別れをつげるなんてあり得ない。
    しかしこの感情は意外と女性の中にある気はします。
    パッっとしない男で自分だけが必要で手を尽くしている間は愛おしく、いざ自分から離れて独り立ちした男が憎らしくなる。

    作中の奥さんは実は正直であるゆえに弱い人のように感じる。その弱さを不思議な感覚にできる作品でした。

    人間の感情って我儘だとつくづく思うけど
    その我儘さを自分なりに折り合いをつけて人と関わりを上手に形成出来るのが強い人間だと年を重ねる毎に感じます。

    内容もきちんと理解できない学生の頃
    太宰治作品を沢山読んでました。
    人間の弱さやずるさの表現の仕

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    2025年08月22日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    理想とする、人に見えない月桂樹の冠をつけたような、天使のような美しい男性に(わたしはキリストを想像しながら読んだ)、主人公がいつか出会えたらな。アリとキリギリス のキリギリスの美しさは、人には理解されづらいのかもしれないけど、わたしも信念をもった芸術家の美しさは尊いと思うので、そういう人に主人公がほんとうに出会えたらないいなと思った。

    あと主人公が貧乏暮らしを好むのは理想の男性をお支えする副産物を好むだけなのであって、夫の性格が俗にならなければ裕福な暮らしを受け入れたと思うのだけど……

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    2025年08月04日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    木綿のハンカチーフをしんみり聴きたくなる話でした。遠くで変わってしまう恋人へ変わらないでと歌う曲と、誰よりも近くで変わっていく夫に嫌いですと嘆く妻。変わった人だなあと少し思いながら読んでいましたので、私は奥様が嫌う側の人間のようです。でもね奥さん、私も人の悪口を簡単に言う人は嫌いなのですよ。

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    2025年07月22日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    これは何とも…奥さまの心が美しすぎる。
    裕福=幸せではないこと。
    人間として忘れてはならないことがあるということ。
    奥さまの心が最後まで人間として描かれていのが何とも切ない。
    絵も儚い感じがしてとても合っている。

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    2025年05月25日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。このシリーズを読むのは、これで12冊目だが、今のところ乙女でない自分にとっては、これがベスト。文章と絵のバランスがいい。太宰のこの告白体は、名人芸。絵も抑制が効いている。初老にはこれくらいがいいのだが、乙女には物足りないのだろうか。

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    2025年05月17日
  • 描きたい絵が描けるようになる本 明暗・構図・配色の知識を実力に変える方法

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    風景と人物をメインにした作者の「気づき」をまとめた本。構図、色の明暗、ラフの描き方等、自分のイラストになんかちょっと物足りないんだよなぁーの助けになるかもしれない。まず作者の絵がとても自分好みのイラストで、またいろいろなテクニックが作例を通しての発見もできて、私の中で好みの教本だった。定期的に見返したい。

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    2025年05月10日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    「乙女の本棚」シリーズ、太宰治・きりぎりす。19歳の私はとある画家の作品に魅力を感じ、この画家と結婚したいという願望に溢れる。この画家は家族の評判は悪く、身内から愛想を尽かされ、酒におぼれ、展覧会に画を出さない、左翼らしい、美術学校を本当に出ているのか?私は貧乏であるが、生活を楽しめた。しかし、夫が偉く、有名になり、人の悪口を言うようになる。妻はそんな夫と別れる決意をする。この作品は太宰自身への戒めの作品なんだろう、すなわち、清貧で、憂愁で、孤高を保ちながら創作していくことへの決意だったんだろうか。⑤

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    2025年05月04日
  • ぼくはねこの管理人 浪漫荘おもいでダイアリー

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    浪漫荘の猫、ちっちゃいのすけがとにかく可愛い!
    ヒトの言葉を理解してくれている。
    ま、猫さんゆえに、ちょっと勘違いしちゃってるところもあるんだけど、それもまた可愛くて愛おしい。
    ちえさんや、暖のために一生懸命なんだもの。
    (猫ゆえになんか違うよ?なところもあるんだけど、そこがまた、以下同文w)
    ちえさんと豊治さんのお話、暖かくて素敵だった。
    暖のかつての漫画の相棒刑樹と姉さんの話には、もう、、、
    編集のリナと夫の話も素敵で。
    浪漫荘の新しい物語が読めますように!

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    2025年01月29日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    成功の光と影 
    奥さんの気持ちわかります。慎ましく必死に暮らしていたころが幸せだった。旦那さんは富と成功により変わってしまったんですね。確かに何が正しくて間違いかわかりませんが、生活に嫌気がさしたんでしょうね。

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    2025年12月07日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    周囲の反対を押し切ってまで結ばれた、うだつのあがらない絵描きとの貧しくも幸福な結婚生活から一転、妻から夫への三下り半。
    あなたは絵が売れてお金を手にしてすっかり変わってしまったわね、と。思いがけない好転と裕福さは、彼女を怯えさせた。(寄り添うようにずっとそばにいてくれる黒猫ちゃんがめちゃ可愛い。)
    別人のようになった夫の一挙手一投足にそら恐ろしさを覚える日々にいよいよ限界がきた様子で、そのときの心情が淡々と綴られていく。

    「あなたは、気違いです。」はちょっと辛辣すぎて笑ったけど、でもとても心の綺麗な奥さん。夫よ、これは失ってから気づかせるタイプの大切さだぞ……。
    読み終え、「おわかれ致します

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    2025年07月16日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    はい、というわけで47オネェは治ちゃんの『きりぎりす』ですよ

    これで『乙女の本棚』は既刊全部読んで追いついちゃったのかな?
    作品集はあるけど、それはまぁ読む(見る?)気は今のところありません

    はいはい、治ちゃんね

    これはね〜
    なんか非常にすっとした
    清貧のこころよね
    ひと言で言うと

    成功してなんか卑しくなっちゃった夫に、こんなはずじゃあとがっかりした妻が別れの決意表明!というお話です

    俗に言う「がっかりこん」ですな(初耳!)

    いやでも、うんうん治ちゃん分かるわ〜となりました

    『乙女の本棚』なので、絵にも触れたい
    絵のタッチとしては非常に好み!なんだけど、切り取り方がね
    うーん、そ

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    2025年06月29日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    独白。女々しくなくさっぱりしてた。
    素敵な女性だなぁと思った。
    男性一人称のはかなり女々しく感じるけど、女性一人称のは相手の男性が悪く見える。やはり太宰治の作品の男性登場人物はクズっぽい。

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    2025年06月15日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    太宰治の凄さかな。今読んでも古びれず。清貧な心と愛情深い人。価値観の相違は、如何ともし難いか。夫婦間で、この真逆もありかも。それは、見合いでは、見抜け辛いであろう。いやはや…。

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    2025年06月11日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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     読み終わって、ほおっと嘆息が漏れました。

     これは、19歳で風采の上がらない貧しい画家に嫁ぎ、5年間の結婚生活を経て、夫となった男の本性が少しずつ露わになる中で、その違和感に苦しんだ挙句に、別れを告げることを決意した妻が、夫にしたためた手紙です。

     「おわかれ致します。あなたは、嘘ばかりついていました。」で始まる太宰独特の語り口は、淡々と、しかし、ひりひりと妻の心情を伝えます。

     本の帯に書かれた「小説としても 画集としても 楽しめる 魅惑の1冊」という言葉そのままに、しまざきジョゼさん書き下ろしのイラストは、読解を助けるとともに、作品の風情を視覚化して空気感を画にしているかのようです

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    2025年05月10日
  • ぼくはねこの管理人 浪漫荘おもいでダイアリー

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    短編小説を読み続けているような感じ
    猫がちゃんと脇役でいた。
    みんなの青春時代をちょっと覗き見みたいな感じかな。

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    2025年03月19日
  • サトミとアオゲラ探偵

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    親の仕事の都合上、転校を繰り返して友達がいない小学生のサトミが新しい場所で出会ったしゃべる鳥たち。
    鳥たちの視点から論理的に日常の謎を解く展開が可愛らしくておもしろい。
    サトミの性格は、でしゃばらない主張しないので、特に印象に残らないのが少し勿体無いかも。
    探偵役のアオゲラだけでなく、コゲラのやかましい感じも可愛らしい。

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    2022年03月03日
  • サトミとアオゲラ探偵

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    まさかの人の言葉が話せる鳥が日常の謎解きをする話だった!人の感情の機微みたいのはわからないけど、鳥だから何かにつけてかわいく思える。しかしなぜ鳥?

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    2018年11月11日
  • サトミとアオゲラ探偵

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    探偵役が鳥のちょっと変わったお話。ライトミステリーですが、謎はなかなか面白い。鳥の推理がちょっとずれてるところも味ですね。

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    2018年10月20日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    久々の乙女の本棚シリーズ

    画家として成功した旦那様と離縁しようとする女性の独白作品。

    こんな人だったっけ。。。?って思ってしまった人と一緒にいるのって結構しんどいよね

    2025.11.30
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    2025年11月30日
  • きりぎりす(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    妻が売れっ子画家になってしまった夫に、別れの意を伝える話です。夫の反応や言葉の描写は一切無し。妻視点でしか、夫の事は分かりません。でも「いるよね、こういう人」とウンザリしたし、嫌になる気持ちに共感を覚えました。
    妻も世間知らずなのでは?別れて大丈夫なのか?と思わなくも無いけれど…。
    このあと2人はどうなったのでしょうか。何ともいえない余韻の残る作品でした。

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    2025年09月23日