関野吉記のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
批判的な感想を書いている人もいるが、個人的にはすんなりと腹落ちした。
非常に分かりやすい良本と思う。
企業のブランディングの話を取り掛かりとして書いているが、実際は社内(ここではインナーブランディングと言っている)のこと、人事制度のこと、企業のビジョン・ミッションのこと、そもそも企業の10年後20年後を見て経営しているか、などなど。
単なる「ロゴ作ります」「CM作ります」的な話からはドンドン飛躍していく。
ただし、ここで著者が言っている事は、本当に今日本企業が抱える課題そのものだ。
海外を渡り歩いた著者だからこそ言える「日本の違和感」。
謙遜さは確かに日本の美徳ではあるが、「伝えること」の努力を惜しんでいるのは確かだ。
「社長、それ伝わりませんから!」
この本を読んで、確かに!と思った。
東京オリンピックの招致でもこの辺は散々言われてきたことだ。
良い物を作れば、相手に良さが自動的に伝わる訳では決してない。
先ずは興味を持ってもらわないと話にならない。
そこに気が付いていないのだ。むしろ気が付かないフリをしているのか。
こんな話は何年も前から言われ続けているのに、国内では今でも同じ事が繰り返されている。
この話一つを取っても、昔より社会が複雑化しているのを感じる。
一昔前であれば、ブランディングなんて気にする必要はなかったのだ。
もし気にしたとしても、CMだけ作っておけばよかった。
ロゴだけ変えておけばよかった。
(もちろん当時でもそれはダメだったのだが、結果をあまり気にしなかっただけだ)
それが今ではまったく成立しない。
あらゆる方向から一気通貫して考えに考え、そして骨の髄まで実践してこそのブランディングなのである。
もちろん企業としてこれらを実践できれば、自動的に業績も良くなっていく気がする。
もはや「ブランディング云々」ではない、経営まで踏み込んだ話だからだ。
著者の言うことはすごくよく分かる。
一番面白かったのは著者の生い立ちであるが、この著者の経歴だからこその説得力だ。
「言葉」じゃダメなんだ。
むしろ言葉では2割しか伝わらない。(英語が喋れる、という話ではない)
だから「物語」として伝える。
ストーリーとして語る。
これについても、どのビジネス書でも言われていることだ。
しかしながら実践している企業は少ないだろう。
実践派の著者からすると、歯がゆく思っているはずだ。
行動して実践することは、決して無鉄砲なだけではない。
飛び込む段階は無鉄砲でも、突き進むうちに戦略を立て、試行錯誤をし、戦術を変更し、そして最後には勝利する。
この著者の行動力はスゴイ。(まったく自分にはない経歴だ)
「大した努力もしないで、傷つかないで、それで美味しい思いがしたい」
今の日本人は、そして企業も、そういう守りに入っている事が多いのではないだろうか。
しかしそれでいいのか?
それで世界と戦えるのか?
この著者は、単純にそう我々に問いているのではないだろうか。
(2020/11/16) -
Posted by ブクログ
ネタバレ1.好きと思ってもらうためには、企業は何をしなければならないのか、考えてみたくて読みました。
2.ブランディングをする目的は、「顧客が自社を好きになり、継続的に利用してくれること」です。日本では、表現することをあまり教わってこなかったため、欧米に比べて下手です。そのため、世界でも高品質の製品を作っているのに、競争で負けてしまいます。これの大きな原因がブランディングの失敗だと主張しています。ブランディングをするにあたり、決まった公式はなく、「顧客がどうなったら好きになってくれるかをひたすら考える」ことが原則だと主張しています。
3.会社に共感してもらうにはどうしたらいいのかを考える力が足らないというのは本当のことだと思います。「いいものを出せば売れる」というだけでは努力不足です。大切なのは、顧客がどうやったら好きになるかを考えるということです。
自分の立場でのことを考えると自分の認知度を上げる→信頼を構築→お客さん同士でのネットワークを構築するという流れが理想です。つまり、自分が営業せずとも、お客さんが紹介してくれる形を作らなくてはなりません。そうすることで、より自分を利用する顧客が増えます。一般企業のブランディングとは少し異なりますが、好きになってもらうことには変わりないのだなと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書は、管理職の役割を「現場のまとめ役」ではなく、業績・採用・育成を担う中核機能として再定義しており、原則理解の入門書としては十分に価値があります。管理職教育をこれから整備する組織にとって、何を基準に任せ、どこまで期待すべきかが整理されている点は有用です。
一方で、示されている内容は比較的“理想的な管理職像”が中心で、実務に落とし込むための仕組み設計(評価制度との接続、育成プロセスの標準化、採用基準の運用など)はやや抽象的です。すでに管理職制度を運用している企業や、スケール段階にある組織には、もう一段の具体性やプロセス論が不足する印象があります。
また、管理職が結果を出すための行動基準は整理されていますが、実際の現場で起こる“ズレへの対処”や“マネジメントの失敗例”の深掘りは限定的で、経営者視点では物足りなさが残ります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ理念を表面的な標語としか捉えておらず、徹底的に理解させる教育ができていない企業が多いから、思考を停止させてルールにただ従う社員が増殖してしまう。
自分の未来像である管理職にまったく魅力を感じることができなければ、この会社にいても自分が成長していくと思えないのは当然だ。逆に、魅力的な管理職の存在は、その企業にとって有力な採用ツールとなり得ることがわかる。
受け取る姿勢によって選択が変わり、本人の可能性が広がる。だからこそ、その研修が自分にとってプラスになるのかを伝えることが重要だといえる。新人教育では、学ぶ意味を理解させ、学ぶ姿勢を正し、その先にどんな将来が待っているのか、までを教えていくことが大切なのだ。
OJTといえば聞こえは良いが、要するに先輩のやり方の踏襲だ。上に立つ先輩や上司の色に染まることが、企業における「学び」だった時代だったが、今後は成り立たなくなってきている。
「自分はこの組織にいても学べない」「古い世代の慣習を叩き込まれるだけだ」と感じれば、若者はさっさと別の企業に転職するのだ。若者の学びへの意欲に向き合うことの重要性に気づく必要がある。
いつの頃からか、日本企業は管理職と担当者の境界線をなくしてしまい、管理職に実務を兼務させるようになった。その結果、管理職は多忙になり、部下に仕事内容やその意義を説明し、部下の業務を管理する手法について学ぶ機会を持てなくなってしまった。
管理職は企業ブランドの体現者でなければならないし、企業ブランドを確立するためには、まず管理職から教育する必要があるのだ。