葛飾北斎のレビュー一覧

  • 椿説弓張月1

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    さて、物語は崇徳院と後白河天皇(後に法皇となり絶大な権力を持ち大天狗と綽名される)の対立から始まる。この二人、父親は同じ鳥羽法皇である。しかし鳥羽法皇は、祖父白河法皇に寵愛される崇徳院を煙たく思っており、自身が院政を敷いて後、崇徳院に速攻で譲位を迫り、わずか3歳の近衛帝を即位させた。近衛帝が17歳で病死した後、崇徳院は、当然自分の息子が帝位につくと期待していた。ところが、次の天皇についたのは、お気楽三昧で暮らしていた後白河帝だった。後白河帝の乳母だったのが、信西。乳母子が帝位につき、我が世の春を謳歌していた信西を、快く思っていなかった少年為朝。信西が弓の名手として挙げた清盛と頼政を一蹴。
    博学

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    2025年10月19日
  • 椿説弓張月2

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    滝沢(曲亭)馬琴は、映画にもなった里見八犬伝の原作『南総里見八犬伝』で知られるが、最初のヒット作はこちらだ。当時は『八犬伝』の馬琴ではなく『椿説弓張月』の馬琴だった。そしてテッパン葛飾北斎とのコンビ作である。

     主人公は源為朝。源為義の八男で、頼朝の父・義朝の弟にあたる。大河ドラマ『平清盛』では橋本さとしさんが演じていた。乱暴者で父の為義に持てあまされ、九州に追放されたが、手下を集めて暴れまわり、一帯を制覇して鎮西八郎を名乗る。そのため、鎮西八郎為朝ともいう。

     保元の乱では、父・為義と共に、崇徳上皇方につき、強弓と特製の太矢で大奮戦するが敗れ、伊豆大島へ流される。配流先でも国司に従わず、

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    2025年09月21日