【感想・ネタバレ】椿説弓張月3のレビュー

あらすじ

平清盛を討とうと九州から上洛中の海上で、為朝親子と主従は暴風雨に遭い遭難してしまう……。そして舞台は琉球に代わる続編。尚寧王に男子の世継ぎがいないことから王位継承争いが勃発。王妃と結託して国政を乗っ取ろうとする高官、利勇と、寧王女を盾に国を守ろうとする忠臣、毛国鼎。妖術使いの曚雲国師と詫女の阿公、毛国鼎の子ども鶴亀兄弟と忠義を尽くす真鶴など。深い因縁も絡んだ壮絶な争いを描く「琉球編」。

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Posted by ブクログ

 さて、本巻の人物紹介は割合簡単。善と悪がはっきりしている。愚昧な尚寧王、佞臣利勇によろめく寵妃中婦君、可憐な寧王女、佞臣利勇(大事な事なので、二度言う)と対立する忠臣毛国鼎とその幼き息子たち鶴と亀(が滑った、と書きそうになるじゃないか!どうしてくれる)、という、人間関係がドロドロ、ぐちゃぐちゃの琉球王朝に、少年誌から飛び出してきた豪傑為朝が参入してくる構図である。山風要素も欠かせない。妖術使いの曚雲国師とタッグを組む高名な巫女阿公。寧王女を庇う叔母真鶴と、忠義のため彼女と交際ゼロ日婚を果たした松寿。

 平清盛を討とうと九州から上洛中の海上で、為朝親子と主従は暴風雨に遭い遭難。その過程で元長刀ガール白縫は、皆を救うために海に身を投げる。

 女性が海に身を投げて荒ぶる海を鎮めるパターンは、古事記でも語られている。馬琴も王道を踏襲したわけだ。愛する妻を失った傷心の為朝は、それでも先を急ぐ。そうだ為朝先へ行け。本巻ラストに驚く出会いがあるぞ。いちおう、失うからこそ得られるものもある、的な。

 琉球王朝のグダグダ加減は、呆れるばかり、良薬は口に苦しを知らんのか。自分にとってためになる人を遠ざけ、近づけるのはその逆の人種ばかり。『新世紀エヴァンゲリオン』のヒロイン、惣流・アスカ・ラングレーの口癖を、何度言いたくなったことか。そんな体たらくだから佞臣につけこまれるんだ。

 いやあ、それにしてもいいな妖術に、伝説上の化け物・禍獣(わざわい)。いや、わざわいって馬琴、それ、当て字か、直接的というか。ネーミングライツは有効に使った方がいいよ馬琴。

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2026年01月08日

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