佐々木和歌子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
古典をほぼ読んだことないので月1冊くらいは古典を、を今年の目標に、手始めに軽く読めそうなこちらを。
厚さに「?」となったが、枕草子ってこんなにも文章量があるんだ!学校の授業で出てくる分しか知らなかったので驚いたし、ほとんどが知らない段。
短い段は知っていたが、小説の章か?ってぐらい長い段もあってびっくり。
そして清少納言自身は内々に書いたとのことだが、その目線の鮮やかなこと。その日につけた日記ではなく後年思い出しながら中宮定子のために書いたらしいが、貴公子の着ていた鮮やかな召し物の着こなし、たくさんの宮廷人とのやりとり、女官たちのおしゃべりの内容…こんなによくよく覚えてるなあ!
現代と違いゆったりとした時間が流れていたことを伺わせる。
時々中関白家の人たちが登場し、道隆や伊周の優美で快活な様子が描写された後に「あの頃は素晴らしかった」と入るのが、定子や伊周の没落を思わせて悲しい。
とは言え全体的に美しかったもの、素敵だと思うもの、もうヤダと思うもの、同僚や殿方との楽しかったやりとり、お祭りの様子など楽しく読めるものばかり。本当に今のエッセイストと遜色ない。
原文(こちらの文庫には原文はなし)自体の素晴らしさについて、あとがきに書かれていたが、「春はあけぼの」から始まる文章と音韻の美しさ、この年になって本当によく分かる。
とにかく、千年前の作品なのに、積もった雪、殿上人や女官たちの衣服、住まいの飾り、自然などの色についての文章も多くて、とても情景が色鮮やかなのが良かった。 -
Posted by ブクログ
当初はこのテーマで大丈夫だろうかと思ってた大河ドラマ「光る君へ」が、思いの外面白い。前半の名場面の一つは、清少納言が「枕草子」を書き始めるシーンだと思う。というわけで、思い切って新訳で通して読んでみた。
思いのままに書き綴ったという通り、理解が難しい場面も多いけれど、あちこちに、なるほどそこを拾いますか!という鋭い描写が多々見られるのがさすが。宮廷に仕えるイチOL(?)があれこれ綴ったエッセイだと思うと親近感も湧いてくる。
上司の中宮定子が没落し始めた頃に書き始めたのですね。明るいトーンの中にも、どことなく寂しさを含んだ場面、表現が多いのはそのせいか(と、解説にありました)。長く手元に置いて気軽にパラパラと読む。その価値、やはりある。 -
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私の目に映るキラキラした世界を見て。
多分、清少納言が同僚にいたら、お付き合いはできるけど、ちょっと遠まきにする。子どもの頃に枕草子を読んだ時、面白いことを言っているけど苦手だと感じた。何か自慢話の連発のように感じたのだ。どう? 私すごいでしょう? と言わんばかりの文章を残すなんて、自分の感覚的には恥ずかしい、と。
しかし、中高で古文を勉強して枕草子が書かれた背景を知り、今は大河ドラマ「光る君へ」を見て、運命に翻弄される定子の姿を見ていた清少納言は、並々ならぬ決意で枕草子を書いたのではと思い始めた。私の大好きな美しい世界、宮様のいるキラキラした毎日を、残さなくては、と。それには筆の力だと。
あらためて読んでみて、やはり自慢と思うところもある。でも演出に見えてくる。美しくて優しい宮様とその素敵な家族。宮様にお仕えする気が利いて賑やかな女房たち。夢のような世界はここにあったと、清少納言が全力で叫んでいる。なりふり構わない感じは、やはり鼻に付く気もするが、枕草子を書くことで清少納言は後世に定子とその周囲のキラキラした世界を伝えた。美しく、華やかで、漢文や和歌の知識を用いてウィットの効いた会話を楽しむオシャレな世界。憧れの平安時代を見させてくれている。
清少納言のように、気の利いた会話で人気を得ている芸能人等は様々にいるけれど、あまりに数多く、どんどん移り変わっていく。1000年後とは言わなくても、やはり残るには「書く」「読まれる」ことなのだろう。 -
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14歳の二条ちゃんが登場したかと思いきや、なかなか衝撃的な幕開けから始まる。
衣裳に調度品に、なんでこんな煌びやかにするの?と首を傾げるは彼女のみ。
ふと目を覚ますと御所さま(御深草院)が添い寝をしていて、動揺して泣きじゃくる二条ちゃん。
けれどいつの間にか、御所さまの寵愛にまんざらでもない二条ちゃんが私は嫌いではないです(笑)
現代から見ると異様な恋愛模様なんだけど、でも、全く理解不能!おぞましい!にも振り切らない。
二人とも、お互いにとって「長く情を引きずらない相手」に対しては軽視していて、逢うための仲介さえしては、その様子を眺めて楽しんでいる。
でも、法親王さまに対しても同様のスタンスを取っていた御所さまが、二条の応じ方を見て、急に嫉妬モードに転じる姿。
そんで「自分がいいって言ったくせに」とイラッとする二条も、よく描かれているなぁと思うんだな。
さて、そんな禁断の当て馬?法親王さまの、二条への執着がマジで怖い。
若かりし頃は修行一筋、女性なんてあわわわ、というような人なので、ほんと沼に引きずりこまれちゃったんだろうね。おいたわしい。
来世は共に地獄行きを願う!と色んなお寺やら何やらの名前が書かれた手紙なんか貰った日には、ほんと、ドン引きです。
そこまでのことをされても、御所さまのお許しをいただいて、ある種晴れやかに?再会しちゃう二人の心境もよく分からんのだけど……。
結局、都を出て出家した二条には、何も残らない。
愛憎の日々が繋いだ身分も、子供も、何もない。
その決断を二条自身がどういう思いで踏み切ったのか、肝心な所で話は途切れてしまっているので、出家してからの章がなんとなく歯切れ悪し。
現代語訳が工夫されていて、前中盤の二条ちゃんの心情が瑞々しく描かれている。
軽い感じが合わない人もいるかもしれないが、個人的には読みやすく、魅力的だった。