あらすじ
後深草院の寵愛を受け、14歳で後宮に入った二条は、その若さと美貌ゆえに多くの男たちに求められるのだった。そして御所放逐。尼僧として旅に明け暮れる日々……。書き残しておかなければ死ねない、との思いで数奇な運命を綴った、日本中世の貴族社会を映し出す「疾走する」文学!
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Posted by ブクログ
両親に先立たれ、宮中に取り残された二条は居場所のない悲しみに暮れる。女中の逆恨み、望まぬ寵愛を経て、やがて宮中からも破門される。運命を恨んだ二条は西行法師の営みに憧れ、全てを捨てて出家する。
本書のテーマとは関係ないが、『武蔵野は一面萩野原だった』という文章が最も印象に残った。平安時代に東京が野原であったことは周知の事実である。しかし、著者の実体験に寄り添う事で、この事実をよりリアルにそして直情的に感じることができた。
Posted by ブクログ
おもしろい。自分の居場所はどこだろう、という現代にも通じる疑問を自分に問いかけつづけ、さまよっていく女性の物語。鎌倉時代というと、武家のイメージだが、こういう世界もあったのか。本当に日記なのかはわからない。作中に「光源氏」という表記が出てくるが、鎌倉時代は「源氏の君」ではなく「光源氏」だったのだろうか。