シェリー・ケーガンのレビュー一覧
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序盤の「宗教的に考えません」って所でもう心を掴まれてたんだけど、形而上学的な考察が長くてって言うか終始それなんだけど中弛みがありはした。
ただ、やはり、死の考察はそれぞれがやるべきだけど「宗教がこういうからこう思う」で済ませる人を否定も出来ないなと改めて思った。
結局、この本の言ってる事を踏まえた上で抽象化すると、身近に例えると「人=細胞」かな。システムではあるんだけど、それを悪性や良性に分けたり、殺す意味や細胞の適齢を伸ばす意味、生まれ変わりとしての代謝、自浄作用などを自分の体内で起こってる事なんだけど俯瞰で見るとこういう言い方にもなるのかなとも思いながら。
ただ、私の死に対する恐怖は単 -
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死とは何か、死はなぜ悪いのか、人生の価値をいかにして測定するか、といった死にまつわる諸論点の哲学的説明を試みる本。
機会費用的な考えを応用した剥奪説に対してエピクロスやエピクロスの再解釈、ルクレーティウスをぶつけ、さらに反論を加えたあたりはなかなかエレガントだったように思う。
また著者の主張の本流ではないかもしれないが、カート・ヴォネガットの著作の一節から引用した考え方が素敵だった。
死に向き合おうとするときの適切な反応は、生への感謝であるという。起き上がることを許された我々「幸運な泥」たちは、多大なる幸福に浴している。
一つの論点に網羅的な可能性を提示し平易な言葉で十分な検討を加えてく -
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死とうまく向き合えば成功するかも
成功するには具体的な目標を立て、イメージしろとはよく言われている。
そして、7つの習慣では自分が弔事を読んでもらうイメージを持てと書いてあった。
人生の最終目標は死ぬことである。ということは死をイメージしておけば人生は成功するのかもしれない。死については怖いイメージしかなく、ある本には怖いのは情報が少ないからだと書いてあった。
この本を読んで、死に対する怖さの原因、死のイメージを変えてうまく向き合って利用の2点を学ぶことができた。
・死んだところで、世界は大して何も変わらない
・死んだあとは無になる。夢見ずに寝てるのと同じ。いつも経験してるし怖いことなんて -
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「死」とは何か?この深遠なる謎に対して、まったく未知の、あるいはこれまで抱いていた概念がガラリと変わるような、そんな知識を授かることを期待していましたが、その期待は外れました。著者はドラスティックに断言します。「人は機械である」と。機械は壊れてしまえばもうおしまい。つまり、魂など存在せず「死」は一巻の終わりであり、その後は無であると。私も、もとよりこの考えでしたが、それでは救いがない。どこかで永遠不滅の魂というものが存在することに期待を寄せていました。けれども、本書を通じて、そもそも「死」を深遠なる謎などと見なすことが不適切である、と考え直しました。そこには「死」に面と向き合うことを避ける心理
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講義調でやや冗長ながらも、死と徹底的に向き合う全750ページ超は、人生を再考する恰好の機会と視点を与えてくれる。
死といかに向き合うべきかは、すなわちどう生きるべきかと同義であり、ゆえに死とうまく向き合うことは、うまく人生を生きるために欠かせないことなんだと改めて。剥奪説の考察など、なるほどと膝を打つ論考も随所に。
"人生は、何もしないには長過ぎるが、何かをするには短すぎるーーあまり時間はない。人生は、二、三度のやり直しをするには十分に長いが、その機会はそれほど多くない。だから私たちは注意を払わなければならない。人生で何をするべきか、人生をどう満たすべきなのか、何を目指すべきなのか -
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他の方の感想にあるように私も難しいと感じてしまったので読みたい内容のところだけかいつまんで読みました。
私は死というものに関して恐れていると言うよりは死んだ時どうなるのか気になるという好奇心の方が強い気がします。しかしながら人はいつか死ぬため、そこがゴールと捉え、日々の生活をどのように過ごすかを考えるべきだと思いこの本を読みました。その点で言うと私が知りたかった情報や治験も得られたので良かったです。
もう少し年齢が上がり死というものに関してもう一度考えるきっかけをこの本で得れるとまた違った学びがあると思います。今は大事に本棚に入れておきます。いつか再び手に取る日まで。 -
Posted by ブクログ
誰もが知っているようでいて、突き詰めて考えるとわかっていないような、「死」をテーマに、イェール大学で長年行われているという哲学の講義をまとめた本です。宗教的な考えは一切排除して客観的に善か悪か、外堀を少しずつ埋めていくように一歩一歩これでもかとあらゆる可能性について検討して、結論へと向かっていく様は、途中なかなか進まないので読むのに苦労した箇所もありましたが、さすがの内容でした。この著作(講義)は大きく二部からなっていながら、日本語版では前半部分をザバッと削ってしまい後半の論理的なところだけを収録するという荒ごとをやってのけています(収録されなかった経緯については最初にページが割かれて説明があ