冨原眞弓のレビュー一覧

  • トーヴェ・ヤンソン ――ムーミン谷の、その彼方へ

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    "戦争という非日常が日常に入りこんだ衝撃で、「仲のよい芸術家の家族」という美しいファサードは吹っ飛んで、ガラクタや瓦礫があらわになった。だからヤンソンは、記憶のなかの子ども時代を創造的に再構築した。それがムーミン世界だったのだ。"

    面白かった……そして何より今の時代に読めて良かった。
    ファインアートを志しながら、挿絵や風刺画の世界で評価を得た画家がなぜムーミンを書いたのか。
    何よりも、トーベ・ヤンソンという人はどんな芸術家、彼女の母語で言うのなら「コンストレル」だったのか。
    芸術一家に生まれた少女が、両親から薫陶を受けながらもオリジナリティを獲得し表現の世界に飛び込む。し

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    2025年11月08日
  • トーヴェ・ヤンソン ――ムーミン谷の、その彼方へ

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    ムーミン谷シリーズの訳者によるトーヴェ・ヤンソンの生涯をまとめた評伝であり,作品の背景を知る上で必須であろう。

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    2025年09月27日
  • シモーヌ・ヴェイユ

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    人生で最良の本は?と問われたらこれを挙げる。
    シモーヌ・ヴェイユを日本人に伝えられる人がいたとしたら冨原先生しかいなかった。日本でのヴェイユ研究は一旦は止まらざるを得ないだろう。
     大学院に行って最初に借りた本だった。当時は中古のみ6000円台〜と学生にはなかなか手が出なかった。私は本書をリュックに入れて時間を見つけては読んだ。著者が亡くなったことがきっかけなのかはわからないが、いまは再販されているようで1800円ほどで買えるようだ。
     私の人生という川があるなら、その河床をつくるもののひとつはシモーヌ・ヴェイユの存在、思考だ。しかしこれはあくまで冨原先生を通してである。冨原先生がいなければ私

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    2025年08月20日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    本棚に置きたい一冊

    トーベ・ヤンソンさんの世界が大好きです。
    以前何かで、ムーミン全集をお勧めされており、拝読。
    ムーミンといえば、高校生のころ。
    今からもう22年も前のことになるのか。
    アニメにはまり、そしたら大好きな友人もはまって、今思えばそれも嬉しかったなぁ。
    あの頃はまだ、市内に出てもムーミンのグッズは少なかったけど、今はムーミングッズがこんなに増えました。
    かわいいだけではない、トーベ・ヤンソンさん描く物語。

    序文では、ちょうど戦争があっていた時に、
    風刺画を描く時に署名がわりに使っていた、
    怒った顔の生きものを主人公にしてムーミントロールという名をつけたとのこと。

    かわいい登

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    2025年07月21日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    ムーミンシリーズの第一作目。
    後のシリーズと少し設定にズレがあるようにも。
    しかし一作目からパパは結構とんだところがありますね。海へ行く、のあのパパの片鱗が。

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    2024年09月01日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    ネタバレ

    『ボーダー 二つの世界』というスウェーデン映画を見て、

    「トロールの話って他にどんなものがあるんだろう?」と気になり、

    検索した結果出てきたのが『小さなトロールと大きな洪水』(トーベ・ヤンソン)。

    今更思い出したけど…トロールって、『ハリーポッター』『ロード・オブ・ザ・リング』のイメージ強くて、

    まさかムーミン出てくるとは思わなかった!!!!!

    「トロール」とは一体何者なのか、本作を読み終えてから調べるか……と思っていたら書いてあったので抜粋。

    【「トロール」というのは、北欧の神話や民話に出てくる妖精や小鬼のことで、北欧の人ならだれでも知っています。】

    小鬼と妖精が一緒にされてい

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    2023年04月18日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    ムーミンシリーズの処女作。一番最初に作ったせいか、設定が色々とちがっているし、ムーミンママの性格もちょっと違う気がする。パパがいなくなって必死に探しているからかもしれないけど。
    でも、作者のトーベ・ヤンソンさんの作風は変わらず、読んでいる私を温かい気持ちにさせてくれました。

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    2021年01月10日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    ムーミン物語を読むのは、実はこれが初めて。
    本作は、ムーミン物語の第一作。
    戦時中の1939年に、子供達のために
    トーべが風刺画を描く際に、サイン代わりに
    使っていた怒った顔の生き物をムーミントロールと名付けて主人公に構想、1945年に物語化。

    当時トーベのフィンランドは、ドイツ軍の侵入
    ソ連の空爆を受ける。

    物語、最初はパパが不在で、ムーミンが、
    ママと二人で、暖かくて住みやすい場所を探して、暗い森の中を旅する。

    家族がばらばら、絵の挿絵もどことなく暗く、
    戦争の影響を受けていると読むと、
    最後にムーミンパパと再会できた時は、
    心から安堵の気持ちがした。

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    2025年09月15日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    ムーミン1作目ということなので、
    こちらを先に読んでみました。
    普段見かけるキャラクターより少し暗めな印象でした。
    2作目以降が普段見かけるムーミンというレビューを見かけることが多いので、どんな風に印象が変わるのか、続きが楽しみです!

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    2024年12月15日
  • シモーヌ・ヴェイユ

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    これまでのシモーヌ・ヴェイユの評論、評伝の他、なかでも 青土社の小海永二サン訳「救われたヴェネチア」の素晴らしさを、読んだ当時を 想い返しました。

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    2024年06月26日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    ムーミンに最近はまって小説が読みたくなったので読んでみた。
    全集では9だけど1作目ということなのではじめにこの作品。
    ムーミン、ムーミンママ、スニフと小説版でもそのままの人(?)柄。大人になって読むとより好きになると思う。スナフキン、ミー、フローレンなんかは出てきてないのでシリーズ全部制覇したい!

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    2024年04月24日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    ムーミン物語の第1作とのこと。なんでも出てくるママのバッグ、心強いなあ。パパははじめから放浪癖があったんだな。そして巻末の解説。本作が書かれた時代背景を読むと、今とあまりにも通じるところが多くてびっくりする。と同時に、ムーミンシリーズにただよう、楽しいながらもどこかうっすらと影のある感じも納得がいくのだった。

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    2022年12月15日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    ムーミンを一度も読んだことがなかったので、作品を書かれた順に読んでみようと思い立った。
    全体を通して不安・薄暗い感じのストーリーなのは、書かれた当時が第二次世界大戦の真っ只中であったということから納得できた。
    また、パパに放浪癖がある事を知らなかったし、ママも強気な所があるので、創造の生物でも意外と人間に近い感性なんだなと思った。

    全ページ通して挿絵がふんだんに使われているので想像もしやすく、新装版とあって装丁が美しかった。
    チューリッパが可愛らしいなぁと好みだった。

    他の作品はもっとほのぼのしているのか、気になるところ。

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    2022年12月13日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    子供の時にテレビアニメで放送されていたムーミン。この本はなんと、1945年に出版された「ムーミン」の記念すべき1作目!ストーリーは、行方不明となったムーミンパパをムーミンとムーミンママが探しに行くという感じ。100頁ちょっとなので1時間も掛からず読めちゃうんですが、「哲学的」というと凄く大袈裟なのですが、「何とも言えない深さ」を感じてしまいました。というのは、埼玉県飯能市にあるムーミンパークに行った際に作者であるトーベ・ヤンソンさんの生立ちを知ったからだったり、久しく童話を読んでいなかったせいかと思うんですが。。。気になる方は読んでみて下さい♪

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    2021年03月17日
  • シモーヌ・ヴェイユ

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    本の内容が星3つなのではない。私の理解力の問題で、理解できたとは言えないので星3つとした。とても難しい内容だった。
    とはいえ、シモーヌ・ヴェイユという聡明で行動力のある女性が第二次世界大戦前後に生きたという奇跡に感動した。
    第二次世界大戦のフランスについて、パリ陥落くらいしか知らなかった自分にも驚いた。フランス側からのパリ陥落ではなく、世界史的なドイツ側からみたパリ陥落しか知らず、その内情を知ろうともしていなかったことを恥ずかしく思う。
    今年の夏は第二次世界大戦を考える本を読みたいと思っていた。でもその前に前から読もうとしてたこの本を手にしたのだけれど、全く自分の無知が恥ずかしい。めちゃくちゃ

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    2025年08月10日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    初めて読んだムーミン物語のゼロ巻。ここから始まったんだと感慨深い。
    パパじゃなくてママと冒険。パパは自分勝手に出て行って自分の正義に酔って押しつぶされている。
    ママはしっかり者だけど強くはない。ムーミンが支える。
    短い中にも、子ども心をくすぐる冒険と少しの不穏が詰まっていて良い本だと思った。

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    2025年08月03日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    他の作品と比べても不安の強い作品だった。書き始めた時が第二次世界大戦中だったというから納得だ。それでも最後には幸せになってくれるから、ホッとする。ママは今作では少し感情の波が大きいけど、他の作品に繋がるところも見える。ムーミンは泣いたり甘えたりしていて少し子どもらしい。パパはだいぶ勝手だけど、それは「ムーミンパパ、海へ行く」でも感じた部分だし、家族の事を思う気持ちは強いから、通じるところがあるな。最初の一作から、キャラクターはしっかりできていたんだな。
    最後の解説も読み応えがあった。ムーミンの童話全てに通じている、個人の個性を尊重するコミュニケーションの取り方や、大人も子どもも成長する存在とし

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    2024年11月04日
  • ムーミン全集[新版]9 小さなトロールと大きな洪水

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    ヤンソンが、最初に書いたムーミン物語。シリーズの他の作品とは、絵柄や設定が異なるので、出版が遅れたそうな。
    パパは最初行方不明で話が始まり、最後になって一家が揃って、ムーミン谷に行き着く。暗くて面白みはない。

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    2022年10月05日