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シモーヌ・ヴェイユの34年の生涯は,「地表に蔓延する不幸」との闘いであった.工場でも,戦時下でも,嘘偽りなく,ありのままに世界をみようとした.膨大なテクストを読み込み,比類なき誠実さと,その原動力となった清冽な思考の全貌をみずみずしく描きだす.第一人者によるヴェイユ研究の決定版を文庫化.
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Posted by ブクログ
人生で最良の本は?と問われたらこれを挙げる。 シモーヌ・ヴェイユを日本人に伝えられる人がいたとしたら冨原先生しかいなかった。日本でのヴェイユ研究は一旦は止まらざるを得ないだろう。 大学院に行って最初に借りた本だった。当時は中古のみ6000円台〜と学生にはなかなか手が出なかった。私は本書をリュックに...続きを読む入れて時間を見つけては読んだ。著者が亡くなったことがきっかけなのかはわからないが、いまは再販されているようで1800円ほどで買えるようだ。 私の人生という川があるなら、その河床をつくるもののひとつはシモーヌ・ヴェイユの存在、思考だ。しかしこれはあくまで冨原先生を通してである。冨原先生がいなければ私がヴェイユに触れることはなかった。シモーヌ・ヴェイユと冨原先生の影が連なるようにして私の人生の背後にある。 シモーヌの存在はいつかきっとよみがえる。 冨原真弓さんと共に。
これまでのシモーヌ・ヴェイユの評論、評伝の他、なかでも 青土社の小海永二サン訳「救われたヴェネチア」の素晴らしさを、読んだ当時を 想い返しました。
本の内容が星3つなのではない。私の理解力の問題で、理解できたとは言えないので星3つとした。とても難しい内容だった。 とはいえ、シモーヌ・ヴェイユという聡明で行動力のある女性が第二次世界大戦前後に生きたという奇跡に感動した。 第二次世界大戦のフランスについて、パリ陥落くらいしか知らなかった自分にも驚い...続きを読むた。フランス側からのパリ陥落ではなく、世界史的なドイツ側からみたパリ陥落しか知らず、その内情を知ろうともしていなかったことを恥ずかしく思う。 今年の夏は第二次世界大戦を考える本を読みたいと思っていた。でもその前に前から読もうとしてたこの本を手にしたのだけれど、全く自分の無知が恥ずかしい。めちゃくちゃ第二次世界大戦について考えられる、伝記であり、ヴェイユの思想史であった。
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