平田駒のレビュー一覧
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ネタバレ着眼点は独特。
愛知県初の男性家庭科担当教員・直山杏介は困っていた。手芸部が廃部になったことで、教頭からサッカー部の顧問を押し付けられそうになっている。そこに長野かはの転校早々虫を食べたことで話題となった須賀田綴・通称スガリさんが読書感想部を立ち上げたいので顧問をしてほしいと、早速自分の読書感想文を持ってきたのだ。
主人公の杏介が遭遇する事件と、スガリさんの読書感想文がリンクしていく形の日常モノ。現実では男性の家庭科教員も珍しいが、男性の養護教諭も珍しい。しかしフィクションならまあまあ見かける登場人物像である。スガリさんも謎めいた読書美少女で、自分の世界に入ってしまうという点では、フィクシ -
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シリーズ四作目で、タイトルが斜め上ではなくなった。今回の題材作品はゴーゴリの『鼻』と江戸川乱歩の『幽霊塔』。
しかしいつものことながら、題材作品とスガリさんの感想文と本作内の事件の関連性は低い。ここがもう少しつながってくるとビブリア古書堂のような深さが出ると思う。
ミステリとしてもオチが読めてしまう展開ばかりで、特に第二話はシリーズ二作目のレビューでも書いてずっと引っかかっていたスガリさんの行動が関係しているので、謎といえるほどのものでもなかった。
ではなぜこんな文句ばかり口にして四作目まで読み進めているのかというと、スガリさんの読書感想文が気になるからだ。自分で読書レビューを書くよう -
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また新たな部員を獲得したが、その部員との交流や読書感想部としての活動が描かれなくて残念。
そしてまた文章が読みにくい。
情景描写が少ないのと、説明が下手なせいだ。
例を挙げると、事件の手掛かりとなるある店へと向かうシーン。
「薫は(中略)先導する。」という文章の後に会話文が続き、突然「薫は(中略)店へと駆けていく。」という記述へとつながる。
始まりと終わりが書かれているだけなので、道中の記述を見落としたのかと思ってしまう。
道中の街並みやお店の外観を描写するとか、「角を曲がると店が見えてきた」と記述するとか、薫に「あそこがお店よ!」と喋らせるとか、シーンの合間をもっと書くだけでスムーズに読み -
Posted by ブクログ
自分で読書レビューを書くのと同じくらい、人の感想を聞くことも好きだ。
米澤穂信の古典部シリーズで奉太郎が過去に書いた読書感想文の話や、三上延のビブリアシリーズで登場人物たちが語る本の魅力には心が惹かれた。
そんな私には、読書感想部というのはとても面白そうだ。
スガリさんが浮世離れしたキャラクターでタイトル通りの変わった視点から切り込んだ感想文を書くところもいい。
物語の形としては、スガリさんが読んだ本と彼女が書いた感想文の内容が物語内の出来事と関係していて、それらから得た知見から事件を収めるというものだ。
ただ、せっかく学校の部活動なのだから、校内の活動にもっと焦点を当ててもいいのではない