中島隆博のレビュー一覧

  • 世界哲学史2 ──古代II 世界哲学の成立と展開
    第1章 哲学の世界化と制度・伝統
第2章 ローマに入った哲学
第3章 キリスト教の成立
第4章 大乗仏教の成立
第5章 古典中国の成立
第6章 仏教と儒教の論争
第7章 ゾロアスター教とマニ教
第8章 プラトン主義の伝統
第9章 東方教父の伝統
第10章 ラテン教父とアウグスティヌス
  • 世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ
    序章 世界哲学史に向けて
    第1章 哲学の誕生をめぐって
    第2章 古代西アジアにおける世界と魂
    第3章 旧約聖書とユダヤ教における世界と魂
    第4章 中国の諸子百家における世界と魂
    第5章 古代インドにおける世界と魂
    第6章 古代ギリシアの詩から哲学へ
    第7章 ソクラテスとギリシア文化
    第8章 プラトン...続きを読む
  • 世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて
    世界哲学は中世に突入した。副題に『超越と普遍に向けて』とあるが、主役は西洋ではなく東洋である。

    東洋哲学は500年から1000年、西洋哲学を先行していると言っても過言ではない。インドでは6世紀にはバラモン教と仏教の間で普遍論争が繰り広げられる。また、日本では空海がソシュールの言語論を先取りし、それ...続きを読む
  • 全体主義の克服
    お二人とも現代を代表する知性の方。とても消化しきれないので、今後のためにいくつかメモ。

    欧州の知的世界にあっても、いまだに拭えないナチズムの負の遺産
    デジタル技術を駆使した新しい全体主義の到来
    資本主義、消費社会の倫理的な再構築
    多様性、複数性、偶然性の哲学的回復
    東アジア哲学の可能性、西欧哲学と...続きを読む
  • 世界哲学史2 ──古代II 世界哲学の成立と展開
    本巻ではローマに入った哲学からキリスト教父たちの登場を扱う。西洋哲学の他には仏教、ゾロアスター教やマニ教が取り上げられた。
    章ごとに筆者が異なることから内容の質に差があるが、マニ教と東方教父の章が大変参考になった。
    マニ教では筆者がユーモアを交えながら解説するためスッと頭に入ってくる。中でも教祖のマ...続きを読む
  • 全体主義の克服
    私は以前から世の中には何か一つの真理があり、それをひたすら追い求めていた。その思考がロジカルであり、その最たるものが自然科学だと思っていた。
    しかし、この自然科学だけを信じる思想は全体主義といって、その他の価値観、例えば宗教などを一切受け付けなくなってしまう。
    実際に私は宗教を全否定していたし、空想...続きを読む
  • 世界哲学史 別巻
    これまでの哲学を根幹から揺さぶる世界哲学史のまとめ編に相応しい内容。特に冒頭の鼎談。後の各論は、小論集なだけに、刺激には乏しいが示唆には富む。
  • 世界哲学史8 ──現代 グローバル時代の知
    世界哲学とは、哲学の広がりと感じた。哲学とは改めて他者との出会いである、と感じた。とりわけ最後のアフリカ哲学のアクチュアリティに震える。

    安藤礼二の批評論も素晴らしかった。
    「どのような人々の集団でも聖なるテクストをもっている。そのテクストは文字を用いて刻み込まれている場合が多い。しかし、そこで用...続きを読む
  • 世界哲学史6 ──近代I 啓蒙と人間感情論
    理性偏重に感情の価値を認める。このテーゼの元、西洋とイスラム、中国、日本をなぞっていく。なかでもイスラムが興味深い。また、西洋哲学はその時代の問題意識の解説に理解が深まる。
  • 世界哲学史7 ──近代II 自由と歴史的発展
    知っているつもりがあまり理解していなかったことのオンパレード。ベルクソンと近代インドが刺激的だった。
  • 全体主義の克服
    新しい全体主義は科学や技術から来るのかもしれない、という指摘はすごく腑に落ちる。
    行き過ぎた相対主義からもう一度普遍性を見出せす取り組みこそ、新たな全体主義を防ぐ方法なのかもしれない。
  • 世界哲学史8 ──現代 グローバル時代の知
    世界哲学史シリーズの最終巻。12月に別巻が出るらしいが、一応、本巻でおしまい。

    シリーズの掉尾を飾る第8巻では、「分析哲学の興亡」、「ヨーロッパの自意識と不安」、「ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理」「フェミニズムの思想と「女」をめぐる政治」、「哲学と批評」、さらには「現代イスラーム...続きを読む
  • 悪の哲学 ──中国哲学の想像力
    近年、性善説、性悪説というのが気になっていた。

    そもそも人間の本性は善か、悪かという議論は、なんだか、古いテーマな感じで、利己的か、利他的かというのと概ね同じ議論ではあるんだけど、多分、利己、利他という表現を使うと、進化論とか、脳科学とか、心理学とか、ゲーム理論とか、その辺を読めば、もう結論はでち...続きを読む
  • 世界哲学史6 ──近代I 啓蒙と人間感情論
    西欧中心となりがちな哲学を世界規模で、文明間での同時代的な関係(かならずしも影響関係ではない)をみながら、8冊でその歴史を辿ってみようというチャレンジングな企画の6冊目。時代は、「近代」になって、18世紀を中心とした話。

    最初の3巻くらいは、なるほどね〜、この問題って、今でも形を変えて、議論してい...続きを読む
  • 世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて
    世界哲学史の3巻は「中世Ⅰ超越と普遍に向けて」のサブタイトルが付されている。全部で10章の構成。コラムが4つ。

    最初に「超越と普遍について」が手際よく概説されている。中世が古代に付け加えたものの1つが「超越」という論点であった。また「超越と往還は一体の問題なのである」(p.20)と指摘され、「極言...続きを読む
  • 世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ
    「こんな時だからこそ先人の知恵に学ぼう!」というわけではないけれどもちくま新書から「初の」世界哲学史シリーズが刊行中ということで、シリーズの第1巻。第1巻は「古代1 知恵から愛知へ」。

    世界哲学という概念は、大学生時代にカール・ヤスパースの『歴史の起源と目標』やヘーゲルの『歴史哲学』などを読んでい...続きを読む
  • 世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて
    第1巻では、似ているところもあるものの、国ごとというか、地域ごとに別々に生まれてきた哲学が、第2巻ではすこし影響しあうところでてくる。第3巻にくると、文化圏間での相互影響関係がさらに高まってくる。

    とは言っても、まだまだ哲学は、文化圏ごとにそれぞれの発展の道を歩んでいる感じかな?

    この巻では、キ...続きを読む
  • 中国哲学史 諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで
    古代の諸子百家や朱子学などなら日本人にも馴染みがあると思うが(近代の胡適もか?)、本書では1949以降の新儒家の思想にも触れられている点が興味深い。一般書でこの部分に触れている書籍ってあまりないのではないかな。
    本書は章分けが非常に多い(21章!)ですが、それだけ中国哲学の「流れ」を重視しているとい...続きを読む
  • 扉をひらく哲学 人生の鍵は古典のなかにある
    若い子たちに向けての本なので、哲学のハードルが高かった私には少し手の届くものに感じた。

    違う時代に生きていても、人間の本質はあまり変わらず、そして、やはり歴史は繰り返す。

    なぜ生きるのか、親と確執がある、など、学生たちの質問から哲学の話をそれぞれの学者さんが答える方式で、とてもわかりやすい。

    ...続きを読む
  • 全体主義の克服
    他の新書系のマルクス・ガブリエル本では見なかった内容もあり、漫然とながら一読するには小気味よいスタイルだが
    対談形式ゆえの読み進めやすさと引き換えに失われるものも感じつつ、実在論などの進行形に踏み入れるには二の足を踏む。