中島隆博のレビュー一覧

  • 全体主義の克服

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    内容がとにかく難しい
    最初に触れる本としてはキツい
    でも分からないからこそ考えるきっかけになるし、思考させることを心がけて作られているのかもしれない
    完全に理解するには程遠いが、次に読んだ時に印象が変わりそうな本

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    2021年02月28日
  • 世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ

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    哲学初心者には少し難しいが西洋哲学一辺倒ではなくアジアや他地域にも目をむけているのが興味深いので続けて読んでみたい。

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    2020年11月28日
  • 世界哲学史2 ──古代II 世界哲学の成立と展開

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    ちくま新書の世界哲学史シリーズ第2巻。古代哲学の後半を扱う本書では、キリスト教、仏教、儒教等、後に世界宗教へと発展していく各宗教の展開が扱われる。新書だからと侮るなかれ。いずれの論考も高度な内容で、読みこなすのはなかなかに骨が折れる。でもそれだけに知的刺激をビリビリと受けることができる。

    本書を読みつつ、先日読み終えた『天才・富永仲基』(釈徹宗・著)を何度か思い出した。思想や言説は、先行する思想を足がかりに、それを超克しようとする。その際には新たな要素が加えられるとする加上説を仲基は説いた。さらに、時代や言語が異なれば、説かれる考えも変わるということも指摘している。本書を読むと、プラトン然り

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    2020年12月03日
  • 世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ

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    志は素晴らしいが、その割に章ごとの方向性が違ってしまっている。勉強にはなるが、編集もうちょっと頑張ってほしかった。

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    2020年11月04日
  • 全体主義の克服

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    2人の著者が現代社会の問題について、新たな全体主義の脅威への対応という視点から対談されています。まず、全体主義とは何なのか、それが現代にどのような形で存在しているのかについて明らかにされています。また、過去の例を採り、それらは全体主義にどう相対したのかを振り返る形を採られています。著者のガブリエルさんの新実在論と、東アジアの哲学(主として中国)をヒントに、資本主義を変化させることによって、将来の危機を克服することができるという光明があるということについて語られています。私たち全員の意識の問題だと思いますが、自分や仲間だけ良ければ良いという考え方ではなく、また自分の価値観が普遍だという誤った認識

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    2020年10月28日
  • 世界哲学史4 ──中世II 個人の覚醒

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    世界各地の思想や宗教で、同じような対立や弁証法的な関係が散発して存在している。この一点だけでも、「世界哲学史」を学ぶ価値がある。ちくま新書という専門レベルが大事だ。

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    2020年10月08日
  • 全体主義の克服

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    イントロ二篇がつまらなかったので投げ捨てようとしたが、最後まで読んでみた。
    とっちらかった雑談を、無理やりまとめた感のある本。
    それだけに、他人の悪口の部分があけっぴろげて面白い。
    ハイデガーだけでなく、ハーバーマスへのディスり方はなかなか鋭い。
    しかし、王弼の「老子道徳経注」にまでマルクス・ガブリエルの話が及んだのには驚いた。
    ヨーロッパ世界、更にはユダヤ・キリスト教世界から離れた思想は構築しうるか、しかし同時に多元的世界の存在を前提とした場合には、実は全体主義的思考も、ひとつの考え方に過ぎないとなるのではないか。
    習近平中国の自信は、脱ヨーロッパの新たな中華思想構築の試みだからか?

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    2020年10月03日
  • 世界哲学史3 ──中世I 超越と普遍に向けて

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    初めて知ることが多い。しかし、それらの知識が私の既存の知識に的確に布置されていっていることも感じながらの読書であった。博識は力である。井の中の蛙となって、自らの世界だけが一番と思ってはいけない。特に思想・哲学では。

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    2020年09月29日
  • 全体主義の克服

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    TwitterやYoutubeで何気なく発言することが当たり前のようにパブリックコメントとして扱われて炎上する現象が頻発していることも、本書の対談が問題としている現象の一部なんだろうなぁと思いながら読み進めました。無底って概念、もっと知って自分になじませていきたいな。

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    2020年09月18日
  • 全体主義の克服

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    マルクス・ガブリエルと「世界哲学史全8巻」の編纂者の一人中島さんの対話にもとづく本。

    マルクス・ガブリエルは、なんだか面白そうなんだけど、どこが新しいのかはよくわからなかった。ポストモダーンの構築主義を批判する「あたらしい実在論」というのだが、「世界は存在しない」と主張していて、超越的な「1」を否定するポストモダーンの哲学者にみえる。

    つまりは、構築主義が「あれも構築、これも構築。実在とか、本質なんてない」というところを「あれも実在、これも実在。すべてを包含する一つの世界はない」といっているだけ?たしかに「すべて構築」というより、「すべて実在」というほうが、なんか元気がでるけどね。。。。

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    2020年08月17日
  • 世界哲学史8 ──現代 グローバル時代の知

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    今年1月からスタートした「世界哲学史」、8巻でついに完結!!!!!

    近代に入ってからは、概ね、1冊で1世紀というスピードで進んできていて、この最終巻も20世紀〜現在という概ね100年間の話し。

    この世界にとっても、哲学にとっても激動の100年をどう1冊にまとめるのだろう?と思っていたんだけど、なんと最初の3章100ページ足らずで、欧米系の哲学の100年が語られている!!!!!扱われている視点は、分析哲学(いわゆる英米系哲学)、ヨーロッパ系の哲学(大衆社会とか、現象学とか、ハイデガーとか)、ポストモダン哲学。

    これは予想を遥かにこえた圧縮度、スピードなのだけど、なんだか、とてもスッキリした

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    2020年08月11日
  • 世界哲学史7 ──近代II 自由と歴史的発展

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    全8巻の世界哲学史シリーズも第7巻となり、大詰めを迎えつつある。本書は「近代Ⅱ 自由と歴史的発展」という副題で、まず伊藤邦武先生のいつもながら見事な要約(「第1章理性と自由」)に続き、ドイツ観念論哲学の発展過程(「第2章 ドイツの国家意識」)、ショーペンハウアー、ニーチェによる西洋哲学の転回を扱った「第3章 西洋批判の哲学」、そして「第4章 マルクスの資本主義批判」「第5章 進化論と功利主義の道徳論」と続く。

    本書で一番難解なのは、「第6章 数学と論理学の革命」。私はまったく歯が立たず、撃沈。

    ここで1回本書を閉じようとしたが、アメリカのプラグマティズムを扱った「第7章 「新世界」という自

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    2020年07月17日
  • 世界哲学史6 ──近代I 啓蒙と人間感情論

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    『世界哲学史6』は近代Ⅰで啓蒙と人間感情論について概説されている。理性と感情という人間精神の2つの柱の間の揺れ動きを世界哲学史というパースペクティブにおいて捉え直すというのが、本巻の目的である。スコットランド啓蒙の話、社会契約論のロジック、啓蒙と革命、啓蒙と宗教、植民地独立思想、そしてカントの批判哲学の企てまでで一区切り。第8章〜10章でイスラーム世界での啓蒙主義、9章では中国の感情の哲学、最終章では江戸時代の「情」の思想が取り上げられている。

    それぞれに興味深いが、個人的には徹底的に理性主義と普遍主義を追求したカントの批判哲学に惹かれる。「スミスの道徳感情論にも、知的能力による自己批判とい

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    2020年06月18日
  • 世界哲学史5 ──中世III バロックの哲学

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    世界哲学史も西洋の歴史区分でいう中世から近世へと時代が進んできた。近世をアーリーモダンというならば、すでに近代の賭場口か。

    自分自身の本巻への興味関心は何と言っても「第3章 西洋中世の経済と倫理」に集中するのだが、「第2章 西洋近世の神秘主義」ではあらためて「知への愛」に気がつかされたし、「第5章 イエズス会とキリシタン」では東アジアから西欧へのインパクト、あるいは「理」と理性をめぐってのスリリングな東西の議論、「第7章 ポスト・デカルトの科学論と方法論」ではホッブズ、スピノザ、ライプニッツそれぞれの「方法と自然哲学」の比較考察が興味深かった。

    第3章の叙述によれば古代以来の「等価性を基本

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    2020年05月22日
  • 世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ

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    哲学から、西洋哲学、東洋哲学といった枠を取っ払い、あらためて世界的、普遍的な視座から構成し直そうという壮大な試み。同様の動きは歴史学にもあるが、グローバル化の進展する世界にあって、当然の流れかもしれない。新書ではあるが、内容はなかなかに高度で読みこなすのは相当にしんどい。個人的には西アジアの章が刺激的だった。学生時代に学んでいたエジプトの論考がほとんど無かったのは残念だったが、メソポタミアの時代から不可知論が議論されていたことに驚かされた。その一事だけでも文明の進化論には懐疑的にならざるを得ない。あとがきによると、世界哲学の構想は日本発とのこと。以後の続刊にも要注目。

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    2020年05月17日
  • 世界哲学史2 ──古代II 世界哲学の成立と展開

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    「古代Ⅱ 世界哲学の成立と展開」の副題をもつ第2巻はローマ哲学、キリスト教の成立、大乗仏教の成立、古典中国の成立、仏教と儒教の論争、ゾロアスター教とマニ教、プラトン主義の伝統、東方教父の伝統、ラテン教父とアウグスティヌスの各章が並ぶのをみてわかるように「宗教と哲学」、そしてその世界的な広がりを捉えようとする。

    後半はほぼ知らないことばかり。ゾロアスター教って何? マニ教?聞いたことはあるけど重要なの? といった感じ。ニーチェの「ツァラストラはかく語りき」は読んだことあっても、そのペルシャ語読みがザラスシュトラというのははじめて知った。

    そんなド素人が読んだ第2巻全体の印象は、善悪二元論と超

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    2020年04月19日
  • 世界哲学史2 ──古代II 世界哲学の成立と展開

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    西欧中心の「哲学史」を世界的な「哲学史」に再構成しようというチャレンジの2巻目。

    1巻目では、ギリシア、インド、中国などの文明において、ほぼ時を同じくして立ち上がってきた「哲学」が並列的に(といってもやっぱギリシャ〜ヘレニズムの記述が多いが)紹介された。

    この同時性に驚くところはありつつ、最後の方ではギリシャ思想とインド思想のコミュニケーションの話はでてくるものの、各地域における哲学は基本独立した動きであった。

    まあ、こんなものかなと思って、第2巻にはいると、途端に「世界哲学」な議論が増えて、とてもスリリング。

    それは、文明間の交流が盛んになったということなのだが、
    ・ギリシア哲学がロ

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    2020年02月24日
  • 世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ

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    哲学史というと、普通、ギリシア哲学から始まり、西欧の「大陸系」と英米の「分析哲学」という西洋哲学の流れの説明というのが一般的で、日本、アジア、イスラム圏というのがでてきても、それは「思想」、というか、西洋哲学との比較で論じられてきたのだと思う。

    それを「世界哲学」として、時代ごとに論じていこうというチャレンジ。そして、これがその1巻目。

    といっても、こうした「古代」においては、文明圏間の交流、影響関係はあまりなさそうなのだが、不思議なことに同じような時期に、同じようなことが当時の先端の文明の各地で問題として浮上してくるということが不思議。

    もちろん、問題に対する答えは違うのだけど、、、、

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    2020年02月23日
  • 道徳を基礎づける 孟子vs.カント、ルソー、ニーチェ

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    本書は、孟子の考えた道徳の基礎付けとカントやルソーのそれとを比較することで、西洋と東洋それぞれが袋小路にある道徳の問題を互いに揺さぶろうとする。憐れみや忍びない心情をもって、道徳律の根源への可能性を開く。

    でもこのモヤモヤ感は何だろう。孟子の議論からは自由や民主主義が生まれないことをもって、それを西洋思想に対する劣後の要素としようとする感覚は。これが道徳を基礎づけようとする意志の一端なのだろうか。

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    2018年11月19日
  • 悪の哲学 ──中国哲学の想像力

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    「悪」をどのようにとらえ扱おうとしているのかという観点から、中国の思想史を読み直している。時系列に沿って記述されているわけではないので、ある程度中国思想史についての知識が必要であると感じた。著者は、最終章に置いた荀子の思想に共感しているように読める。実際読んでみて荀子の思想に興味を持った。

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    2016年08月30日